ホンダ はコンパクト SUV のヴェゼル に特別仕様車「スタイルエディション」を設定し発売を開始した。

　ホンダ ヴェゼルは、2013年末に発売されたコンパクトSUV。フィット をベースとしたヴェゼルは、全長4,295mmのコンパクト なボディに、パワフルな1.5Lの直噴エンジンと、1.5L直噴エンジンをベースとしたハイブリッド システムを搭載。力強い走りと低燃費を両立している。

　フィットよりもパワフルなパワーユニットということもあり、SUVになり大きく重くなっていても元気よく走る。そのため、足回りもややかためのセッティングで、キビキビと曲がる。しかし、こうした設定はマーケットでは受け入れられず、2015年4月の一部改良で乗り心地を向上させている。

　ヴェゼルの人気は高く、1万台/月以上を売ることもあり2014年度SUV販売台数ナンバー1を獲得。2015年上半期もSUV販売台数ナンバー1に輝いている。こうしたヴェゼル人気を支えているのが、燃費と走りの良さに加え、コンパクトSUVでユニークなハイブリッド車であり、さらにハイブリッド車に4WD の設定があることだ。トヨタ のコンパクトカー系ハイブリッド車には、4WDの設定が無いため、降雪地域の顧客はエコカー減税免税の恩恵を受けることができていなかった。ヴェゼル ハイブリッドには4WDの設定があり、降雪地域のニーズに合っていたのだ。こうしたこともあり、ヴェゼルは人気コンパクトSUVとなった。

　ただし、ヴェゼル人気も失速気味だ。ここ数ヶ月の販売台数は、4～5千台/月と伸び悩む。デビューから1年半以上経過したこともあり、人気は下降気味だ。国内販売が不振のホンダにとって、比較的高額な価格帯に入ってくるヴェゼルは収益に対するインパクトが大きい。このまま放置できない理由もあり、特別仕様車「スタイルエディション」を投入し話題喚起と同時に、お買い得感をアピールする。

　<主な特別装備の内容>
○HYBRID Z(FF車)/HYBRID X(4WD車) 特別仕様車 スタイルエディション共通
・専用ボディーカラーとしてプレミアムクリスタルレッド・メタリックを設定
・ブルーとブラックのコンビシート(本革×プライムスムース)に、アイボリーのソフトパッド、ダークグレールーフライニング、ダーククロームメッキ加飾、専用ステッチカラー本革巻ステアリングホイール(スムースレザー)などを組み合わせた専用インテリアを採用
・アイボリーのインテリアカラーに合わせたアイボリーレザーの専用本革シートをメーカーオプション設定
・Honda純正ナビ「Gathers(ギャザズ)」に対応したナビ装着用スペシャルパッケージとETC車載器を標準装備

○HYBRID X(4WD車) 特別仕様車 スタイルエディション
・HYBRID X・Lパッケージに採用している17インチアルミホイール、エキパイフィニッシャー、トノカバー、アクセサリーソケット(DC12V ラゲッジルーム内)を採用

　こうした専用装備などが用意された特別仕様車ヴェゼル ハイブリッドZスタイルエディションの価格は2,590,000円。ベースのハイブリッドZの価格が2,580,000円なので、価格アップは10,000円となっている。基本的な専用パーツでは、色味が多少違う程度なので、特別コスト高になるというパーツではない。そうなると、お買い得感を出しているのがナビ装着用スペシャルパッケージとETC車載器。この分が、特別仕様車のお買い得な部分となる。お買い得な特別仕様車というよりは、まぁ、普通の特別仕様車といった印象だ。

　ナビ装着用スペシャルパッケージとETC車載器は、オプションでも装着できる。とくに、スタイルエディションの専用装備に興味がない場合、こうした装備をプラスして標準車とスタイルエディション、2つの見積りを取るといい。予算重視であるならば、より値引き額が大きい方を買えばいいだろう。

・ヴェゼルHYBRID Z 特別仕様車 スタイルエディション　FF　2,590,000円
・ヴェゼルHYBRID X 特別仕様車 スタイルエディション　4WD　2,750,000円