ホンダは、コンパクトSUVのヴェゼルに特別仕様「HYBRID X・Honda SENSING BRILLIANT STYLE EDITION」を設定し発売を開始した。

　ホンダ ヴェゼルは、コンパクトカーのフィットをベースに開発されたコンパクトSUVで2013年に登場した。発売直後から7速DCTがリコールとなったものの、SUV人気の追い風を受けて、いっきに人気モデルとなる。なんと、2014年度から3年連続でSUV新車販売台数第1位を獲得するほどだ。

　その販売台数は、2014年度に100,479台、2015年度は69,018台、2016年度は73,583台となっている。すでに、タイミング的にはマイナーチェンジ時期になるのだが、ヴェゼルは販売台数を落とすことなく2015年度よりも販売台数を伸ばしている。ただ、2017年年度は、クラスは異なるのだがC-HRやCX-3などが攻勢に出てきていて、やや販売台数を落としている状況が目立つようになってきている。

　とくに、CX-3には2.0Lガソリン車が追加された。2.0Lエンジンながら、価格は1.5Lのヴェゼルと同等とし、かなりヴェゼルを意識している。今回の特別仕様の追加は、こうしたライバル対策の一部でもある。

　今回投入された特別仕様ヴェゼル「HYBRID X・Honda SENSING BRILLIANT STYLE EDITION」は、グレード名の通り、「HYBRID X・Honda SENSING」をベースとしている。

　このグレードに、特別装備としてLEDフォグライト、17インチアルミホイール（スポーツタイプ）、ルーフレール、プラチナクロームメッキ加飾を施した専用サイドシルガーニッシュ、ラゲッジルームハードボードを装備した。

　外観は、ひとクラス上のHYBRID Z・Honda SENSINGに近い印象で、やや高級感が増した印象だ。パッと見てすぐに違いが分かるというほどではない。ラゲッジルームハードボードは、トノカバーのようなもの。車外から荷室に何が積まれているか分からなくなるので、車上狙い抑止にも効果がある。なぜか、HYBRID Z・Honda SENSINGにしか装備されていなかったものだ。

　ボディーカラーは、全5色の設定。新たに採用した専用色プレミアムイエロー・パールII、ルージュアメジスト・メタリック、ミッドナイトブルービーム・メタリックの3色に加え、既存色のホワイトオーキッド・パール、クリスタルブラック・パールとなる。

　ホンダ ヴェゼル特別仕様車「HYBRID X・Honda SENSING BRILLIANT STYLE EDITION」の価格は2,565,000円となった。ベースモデルとなるHYBRID X・Honda SENSINGの価格が2,500,000円なので、6.5万円のアップとなっている。

　特別仕様車は、プラスされた装備分なりの価格アップっといった印象で、お買い得感はない。HYBRID X・Honda SENSINGと比べると買い得感が無いが、上級グレードであるHYBRID Z・Honda SENSINGと比べると約10万円安い。ただ、HYBRID Z・Honda SENSINGにはパフォーマンスダンパーやコンビシートなどが装備されているので、この価格差を考えるとHYBRID Z・Honda SENSINGを選んだほうがよいようにも思える。こうなると、HYBRID X・Honda SENSING BRILLIANT STYLE EDITIONの魅力は、専用色くらいといった印象で、少々微妙な特別仕様車に思える。

　ホンダ ヴェゼルは、2017年度に入りなかなか厳しい販売状況になってきている。ホンダも4年連続SUV新車販売台数第1位を狙いたいと考えているはず。こうした状況は、大幅値引きが狙えるチャンスでもある。CX-3やCH-Rなどと、しっかりと競合させ大幅値引きを引き出したい。注意したいのは、マイナーチェンジ時期が近いということ。マイナーチェンジ後のヴェゼルに興味があるのなら、商談しながら情報を集めるというのもいいだろう。また、マイナーチェンジ前でいいのであれば、マイナーチェンジ時期が明確になれば、更なる大幅値引きが期待できる。

■ホンダ ヴェゼル特別仕様車HYBRID X・Honda SENSING BRILLIANT STYLE EDITION価格
・2,565,000円（FF）/2,781,000円（4WD）