マツダCX-3新車情報・試乗評価一覧 実質価格引き下げ! 歩行者検知式自動ブレーキが標準装備され、数々の制御追加! さらに、ほぼ価格据え置きで魅力倍増!

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【マツダ】2016/11/03

 

ライバルのヴェゼルに3倍以上の差を付けられ売れないCX-3。その理由の一つは高価な価格?

マツダCX-3

マツダ は、コンパクトSUVCX-3 を一部改良。同時に特別仕様車「XD Noble Brown(クロスディー・ノーブル・ブラウン)」を11月24日より販売を開始する。

マツダCX-3は、2015年2月にデビュー。デミオ をベースとしたSUVだ。ただし、ボディはデミオに対して拡大されていて、全長4,275×全幅1,765×全高1,550、ホイールベース2,570mmとなっている。同じ国産メーカーでは、日産ジュークホンダ ヴェゼル があり、似たようなボディサイズとなっている。

ただ、CX-3は全高が1,550㎜になっている点が大きな違い。これは、都市部で多い立体駐車場の全高制限。こうしたコンパクトSUVは、高い機動性が求められる。都市で暮らしマンションなどで立体駐車場を使う顧客が、駐車場の全高制限で車庫証明が取れないことから、購入を断念することがないように配慮されている。もちろん、ルーフを低くしたことから、スタイリッシュなフォルムに仕上がっているのも特徴だ。

そして、良くも悪くもマツダCX-3には1.5Lのクリーンディーゼル エンジンしか搭載されていない。これは、SUVで車重が重いため、デミオの1.3Lでは非力であることもひとつの要因だ。搭載された1.5Lクリーンディーゼルエンジンは、77kW&270Nmを発揮。ディーゼルエンジン特有の大トルクで、余裕のある走りを披露。燃費性能は、最も優れたモデルで25.0㎞/L。ディーゼルエンジンは、軽油を使うので、燃料費比較ではハイブリッド 車と同等、それ以上のレベルとなっている。

ミッションは、すべてのグレードで6ATの他、6MTも用意されていてMTを好む少数派を見捨てていない点が、クルマ好きなどに評価されている。ただし、CX-3の絶対的な排気量は1.5Lと小さい。ターボでの過給が少ない低回転域では、MTは少々非力さを感じる部分がある。そのため、MTでキビキビ感を出すには一定の運転スキルが必要だ。

国内での販売状況では、苦戦を強いられている。発売時の月間販売目標台数は3,000台。この目標を超えたのは、発売直後の数ヶ月くらい。現在では、直近では2,000台売るのも厳しい状況が続いている。不調の要因のひとつは、価格。クリーンディーゼルエンジンを搭載していることもあり、価格が高め。2,376,000~3,024,000円という価格は、デミオがベースのモデルとは思えないほど高価。ひとクラス上のCX-5 とも価格帯が被る。さらに、ライバルのヴェゼルハイブリッドよりも高価だ。

CX-3は、デミオそのままのプラットフォーム(車台)が使われていて、ホイールベースも同じ。ヴェゼルは、フィット のプラットフォーム(車台)をベースとしているものの、ホイールベースを伸ばすなど改良が加えられていて、室内スペースでもCX-3を上回る。そうした要因が加わり、2016年1~6月の販売台数は、ヴェゼルが39,183台に対して、CX-3は12,429台と3倍以上の差が付けられている。

マツダCX-3
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マツダCX-3
マツダCX-3

Gベクタリングコントロールやナチュラル・サウンド・周波数コントロールを追加し、走りの質感を向上!

マツダCX-3

 今回の改良では、こうした売れない理由にも手が入れられている。同時に、マツダ流の上質さと走りの質感アップも施された。まず、他のモデルでも投入されたGベクタリングコントロールが全車に標準装備化された。

この機能は、ドライバーのハンドル操作に応じてエンジンの駆動トルクを緻密に変化させ、横方向と前後方向の加速度を統合的にコントロールする。降雪、降雨時などの滑りやすい路面でより高い効果を発揮し、操縦安定性を向上させる。また、乗員にかかる加速度の変化をより滑らかにつなぐことで、体の揺れが減り、乗り心地も改善する。マツダの人馬一体を目指す技術。

こうしたGのコントロールは、本来ドライバーが行うことでスキルも向上し、人馬一体となる。技術でクルマが勝手にコントロールするのであれば、人馬一体というより、優秀な馬に操られている下手な騎手といったイメージに近い。運転に興味の無いドライバーには、非常に役立つが、上手くなりたいドライ―バーにとっては、余計なお世話になりかねない。人馬一体を目指すなら、せめてONとOFF機能が欲しいところだ。

クリーンディーゼルエンジンでは、特有の不快な音を抑制。音の周波数帯に着目し、燃料噴射タイミングを0.1ミリ秒単位で制御することで、ノック音の発生そのものを抑制する「ナチュラル・サウンド・周波数コントロール」を全車標準装備。従来の「ナチュラル・サウンド・スムーザー」と相まって、心地よいエンジンサウンドを残しながら、不快音の抑制した。さらに、リフトゲートのガラスの板厚アップ、遮音・吸音材の追加採用などにより、風騒音やロードノイズを抑制。車室内での会話のしやすさを向上。価格に見合った快適な室内空間に仕上げた。

マツダCX-3
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歩行者検知式自動ブレーキが標準装備! 小さな高級SUV感あふれる特別仕様車「XD Noble Brown」投入!

マツダCX-3

特別仕様車マツダCX-3 XD Noble Brown

 そして、高く評価したいのが安全装備。歩行者検知式自動ブレーキである「アドバンスト・スマート・シティ・ブレーキ・サポート(アドバンストSCBS)」が大幅に進化し、全車に標準装備された。検知対象を車両のみから、歩行者まで拡大。作動速度域も従来の約4~30km/hから、車両検知で約4~80km/h、歩行者検知で10~80km/hまで拡大している。歩行者との衝突事故は、30㎞/hを超えたあたりから急速に致死率がアップするだけに、より高い速度からの作動する自動ブレーキが望ましいだけに、歩行者検知速度も高く交通死亡事故減に大きく貢献してくれる安全装備と言える。後退時の衝突被害軽減をサポートする機能(スマート・シティ・ブレーキ・サポート〔後退時〕SCBS R)を新設定[「XD L Package」に標準装備、「XD PROACTIVE」にメーカーセットオプション]。

また、CX-3は従来からサイドエアバッグも標準装備化されていて高いレベルの安全装備を確保しているる。一部のメーカーは、こうした安全装備を顧客の財布の中身次第としてオプション設定するケースが多い。クルマは、使い方を誤れば人を殺める商品。そうした商品を売っておきながら、安全は顧客次第でさらにお金を出せ! と、いうのはおかしな話。製造社の責任で、標準装備化されるべきなので、マツダのこうした標準装備化は他のメーカーの手本となる。CX-3の価格は、こうした装備が標準装備化されていることも高価になっている理由のひとつだ。単に高価な訳ではない。

そして、CX-3にはこうした改良と同時に特別仕様車「XD Noble Brown」が投入された。「先鋭と上質」をアーティスティックに研ぎ澄ませたという特別仕様車で、全体的にかなり高品質感がある。ブラウンの空間にグレーのアクセントと硬質な金属加飾を組み合わせることで意外性を感じさせ、先鋭感を印象づけるインテリアを実現。シート素材に、しっとりとしたなめらかな触感の高級革ナッパレザーと質感高いグランリュクス(スエード調人工皮革)を採用。高輝度ダーク塗装を施したアルミホイールを採用し、精悍なスタイルを強調した。小さな高級SUV感がある特別仕様車だ。

マツダCX-3
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多くの装備・制御追加ながら、価格はほぼ据え置き! 売れない理由のひとつを解消! CX-3のお勧めグレードはXD PROACTIVE

マツダCX-3

 マツダCX-3の改良では、かなり装備の向上や制御の向上が図られた。しかし、価格アップは無し、もしくはわずかな価格アップに止まっている。ここも高く評価したい点。もちろん、ライバルより高価で売れない理由のひとつとなていることも理由の一つだろう。何にせよ、歩行者検知式自動ブレーキは、それなりに高価な技術。それが、標準装備化されたのであれば、5~10万円のアップは仕方のないところだろう。しかし、XDのFFは2,376,000円と価格据え置き。AWDは1万円アップ。XD L PackageもFFは価格据え置き。AWDは1万円アップとなった。装備の向上分を考えると、実質価格引き下げと考えてよい。これで、価格面では、ライバルに負けない価格帯になってきたことで、2016年後半の巻き返しに期待が高まる。

マツダCX-3の選び方。エンジンはクリーンディーゼルのみなので、装備関連が選ぶポイントとなる。基本的な安全装備は、標準装備化されているので、どのグレードを選んでも安心できる。予算重視というのであれば、シンプルにXDでも十分。ただし、より安全性を高める装備として、ブラインド・スポット・モニタリングや車線逸脱警報システムなどがセットになったセーフティパッケージを選ぶといい。

お勧めは、XD PROACTIVE。このグレードに、AT誤発進抑制制御やリヤパーキングセンサーなどの装備がセットになったセーフティパッケージを選択すれば十分だ。好みでパワーシートやシートヒーターがセットになったドライビング・ポジション・サポート・パッケージを選択すればいい。

マツダCX-3
マツダCX-3
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マツダCX-3/特別仕様車XD Noble Brown価格

■マツダCX-3特別仕様車XD Noble Brown価格
・2WD 6AT/6MT 2,840,400円
・4WD 6AT/6MT 3,066,400円

■マツダCX-3価格
・XD 2WD 6AT/6MT 2,376,000円/4WD 6AT/6MT 2,602,000円
・XD PROACTIVE 2WD 6AT/6MT 2,592,000円/4WD 6AT/6MT 2,818,000円
・XD L Package 2WD 6AT/6MT 2,808,000円/4WD 6AT/6MT 3,034,000円

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(レポート:CORISM編集部

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