トヨタ カローラ アクシオハイブリッド/カローラ フィールダーハイブリッド新車情報・購入ガイド ハイブリッドは大衆化させない? 高級車となったカローラ ハイブリッドは、燃費&価格が急上昇! [CORISM]
静粛性など、走りの質も高く気持ち良く走るハイブリッドだ!
ちょっとしたワインディングロードのイメージがある首都高を走らせても、流れるクルマの間を縫ってすいすいと駆け抜けていく、そんな感じの走りが普通に得られるのだ。それでいて燃費が良い。
とくに燃費を意識せずに走らせてもというか、試乗なのでどちらかといえばちょっと元気良く走らせるような走り方をすることが多かったのに、確実に20.0km/L以上の燃費が出る印象だった。それは走行の半分以上をEVモードで走れたことにもよる。アクセルを緩めるとすぐにEVモードに入るのは、THS-Ⅱの良い点だ。
静粛性の高さを始め、乗り心地や操縦安定性など、走りの質感も満足できた。ガソリン車に対して、吸遮音材を追加配置したほか、高遮音性ガラスを採用したことなどによって、ハイブリッド車らしい静かで快適な走りを実現している。
■トヨタ カローラアクシオ新車試乗評価 マジメな小さな高級ハイブリッドとして価値をもつセダン
■トヨタ カローラフィールダーハイブリッド新車試乗評価 走り&燃費、ユーティリティ性能など高い総合力をもつコンパクトワゴン
原点回帰し、小さくても広く使いやすくなったカローラ アクシオ/カローラ フィールダー
トヨタ カローラシリーズは、2012年5月にフルモデルチェンジ。カローラシリーズの11代目となり、1966年の誕生以来46年目を迎える歴史あるブランドだ。新型トヨタ カローラ アクシオは、原点回帰した。従来のカローラは、モデルチェンジ毎にボディが拡大。小さくて使いやすく、それていて室内は広く価格も安い、というカローラ本来の持ち味が薄れてきた。そこで、新型カローラ アクシオは、初のコンパクト化に挑戦した。
使用されているプラットフォームは、コンパクトカーのヴィッツ系。全長は4360mmとなっていて、前モデルより50mm短くなった。この50mmはフロントオーバーハング分で、ホイールベースは前モデルと同じ2600mmとなった。居住空間は、リヤのニースペースを40mm拡大するなどし、コンパクトなボディサイズにしながら居住性を高めた。
さらに、全高を前モデルと同じとし、ヒップポイントを10mm上げながら、ヘッドクリアランスを+10mm大きとることにより、居住性と乗降性を向上させている。後席のヒップポイントは、+25mm高くし後席中央のフロアをフラット化し乗降性をアップさせている。こういった乗降性のしやすさは、カローラユーザーの平均年齢が60歳を超えているということもあり、高齢者に対する使いやすさの向上を狙ったもので、地味なことだが、とても重要な要素だ。
ハイブリッドシステムを搭載し、33.0㎞/Lという低燃費になったカローラ ハイブリッドシリーズ
ガソリン車のカローラ アクシオに対してハイブリッド車の車重増は、50kgと想像以上にハイブリッドシステムがコンパクトなものとなっていることが分かる。スバルXVは、XVハイブリッドになると、車重が120kg増となっていることを考えると、トヨタのハイブリッドは軽量というメリットもある。
トヨタは、多くのモデルをハイブリッド化することを進めている。今回のカローラ ハイブリッドシリーズは、ヴィッツ系のプラットフォームを使っていることから、流用は容易。昨年のカローラのフルモデルチェンジ時から、ハイブリッドモデルの存在が指摘されていた。フルモデルチェンジ当初、多くのエンジニアがハイブリッドモデルの開発はほぼ終了していて、発売時期などに関しては経営判断と語っていた。
今回、この時期でのカローラ ハイブリッドシリーズの発売は、ライバル ホンダを意識したものとみられている。9月上旬には、ホンダはアクア燃費を超える新型ホンダ フィットハイブリッドを発売する。トヨタは、アクアの世界最高燃費を越えられるのだから、当然、面白くはない。
そこで、フィットハイブリッドの販売台数に少しでも歯止めをかけるため、この時期にカローラ ハイブリッドシリーズを出してきたとみられている。とくに、フィットのワゴンモデルであるフィットシャトル ハイブリッドの発売は、しばらく後になる。フィットシャトル ハイブリッドに期待する顧客を、カローラ フィールダーハイブリッドで刈り取ってしまうことも狙っている。
ライバルのホンダも十分トヨタの出方を理解しているようで、カローラ ハイブリッドシリーズの発売前に、新型フィット ハイブリッドの先行CMを8月1日から開始しして対抗している。トヨタVSホンダのハイブリッド戦争は、まさに熾烈を極めてきた。
ダウンサイザーの受け皿として、乗り心地&静粛性をアップ
車重のアップや、低重心化に伴いサスペンションをリセッティッグ。さらに、吸遮音材を追加配置し、高遮音性ウインドシールドガラスなどを採用している。フィールダー ハイブリッドは、ボディの剛性もアップされている。
大きなバッテリーを装備するハイブリッド車なので、荷室スペースは狭くてもしょうがない、というのはもはや過去の話で、アクシオ ハイブリッドとフィールダー ハイブリッド共に、ガソリン車と同容量を確保した。バッテリーをリヤシート下に配置するなど、アクアの優れたパッケージングが生かされている。
エクステリアの変更は、地味めなカローラなので大きな変化はない。ハイブリッド専用グリル、シナジーブルーのエンブレム、専用ボディ色のライトブルーメタリックが用意されているくらいだ。
インテリアは、ハイブリッド化されたことにより、メーター類を中心に大きく変化した。ハイブリッドシステムインジケータなど、多彩な情報を表示する4.2インチカラー液晶TFTマルチインフォメーションディスプレイを装備。
さらに、ハイブリッド専用シート表皮、専用加飾のインテリアパネルなどで、ガソリン車との差別化を施している。
売れ筋グレードは、200万円オーバー! ハイブリッドは安くない。買うなら、ホンダの動向をみてから?
ガソリン車の価格と比較すると、がガソリン車が165万円なので、カローラ アクシオハイブリッドGが、なんと42.5万円高。カローラ フィールダーハイブリッドGエアロツアラーが、43万円高となっている。これだけ高価になると、もはや、燃費差によるガソリン代でなんとかなるレベルではない。カローラ ハイブリッドシリーズは、小さな高級車的視点で選ぶことになる。
そんな価格設定もあり、トヨタの販売台数計画も控えめだ。8000台の目標に対して、ハイブリッド車は約30%となる2500台と見込む。発売当初、ハイブリッド車比率が70%を超えたクラウンの半分以下の数値だ。
ホンダは、新型フィットハイブリッドを発売後、2014年にはフィット ハイブリッドベースのセダンやシャトルを発売する。フィット ハイブリッドは、アクアの価格を下回るため、セダンやシャトルがかなり高価になったカローラ ハイブリッドシリーズを下回ることは確実かもしれない。
急いで買う必要がある人以外は、まずはホンダのハイブリッド車が出てから比較して購入する必要があるだろう。
トヨタ カローラ アクシオハイブリッド画像
トヨタ カローラ フィールダーハイブリッド画像
トヨタ カローラ アクシオハイブリッド/カローラフィールダーハイブリッド メーターまわりなど
トヨタ カローラ アクシオハイブリッド/カローラ フィールダーハイブリッド価格
HYBRID 1,925,000円
HYBRID G 2,075,000円
カローラ フィールダーハイブリッド価格
HYBRID 2,085,000円
HYBRID G 2,165,000円
HYBRID G AEROTOURER 2,260,000円
HYBRID G“AEROTOURER・W×B” 2,340,000円
トヨタ カローラ フィールダーハイブリッド 価格、燃費、スペック等
代表グレード | トヨタ カローラ フィールダーハイブリッドG |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 4,360×1,695×1,475mm |
車両重量[kg] | 1,180kg |
総排気量[cc] | 1,496cc |
エンジン最高出力[ps(kw)/rpm] | 74(54)/4,800rpm |
エンジン最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] | 11.3(111)/3,600~4,400rpm |
モーター最高出力[ps(kw)] | 61ps(45kw) |
モーター最大トルク[kg-m(N・m)] | 17.2kg-m(169N・m) |
システム全体[ps(kw)] | 100ps(73KW) |
ミッション | 電気式無段変速機 |
JC08モード燃費[km/l] | 33.0km/l |
バッテリー 種類/容量(Ah) | ニッケル水素/6.5 | 定員[人] | 5人 |
価格 | 2,165,000円 |
写真 | トヨタ |
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