もう、ブランドだけでクルマ売れない! 本質重視ミッドサイズ低燃費車【VWパサート新車情報】 [CORISM]

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【VW】2011/05/20

 VWグループジャパン、ゲラシモス・ドリザス社長

大きなボディに小さな1.4リッターエンジンを搭載

 VWグループジャパンは、第7世代目となる新型パサート/パサート ヴァリアントを発表した。パサートは、1973年にデビュー。VWの看板車種であるゴルフより古い歴史をもっている。日本マーケットにおいても、小型車中心に販売されているVWラインアップにとって、シェア拡大を狙えるミッドサイズとして重要な車種だ。
 今回フルモデルチェンジとなった新型VWパサートは、VWらしいクルマの本質を見つめなおした質実剛健名モデル。デザインも実にシンプルで無駄がない。プレーンな面にシャープなボディラインの組み合わせは、面白味こそないものの飽きのこないまじめさを感じさせる。
 環境対応の低燃費化にも積極的だ。全幅1820ミリという大柄なボディながら、TSIと呼ばれるエンジンは1.4リッター&ターボという組み合わせで、大幅なダウサイジング化が施された。さらに、ツインクラッチのDSGトランスミッション、アイドリングストップ機能などのブルーモーションテクノロジーを搭載。このクラスでは驚異的な10・15モードで、18.4km/lという低燃費を実現。もちろん、エコカー減税対象車だ。
 

新型VWパサート

1.4リッターTSIエンジン1本の的を絞ったラインアップ

新型VWパサート
 今回評価すべきは、1.4リッターエンジン1本に的を絞っている点だ。輸入車は、モデルサイクルが長いので、ゆくゆくエンジンラインアップは増えてくるだろうが「日本において、エンジンはこれで十分」という自信の表れかもしれない。
 この1.4リッターTSIエンジンは、2リッターエンジンと同等の最大トルク200Nmを発揮する。それも、1500回転から4000回転と低回転からフラットなトルク特性をもつ。ほぼ、アクセルを踏んだ瞬間から200Nmだ。通常のエンジンの場合、3000回転以上にならないと最大トルクを発生しない。そのため、スタート&ダッシュの多い日本においては、2リッター車以上のトルクを感じるはずだ。低回転で走れるので、燃費がいいというロジックももつ。
新型VWパサート
新型VWパサート
新型VWパサート


新型VWパサート

「そのクルマ、実際どうなのよ?」、マーケットは本質的価値を要望

新型VWパサート
 シンプルなモデルラインアップになったのは、理由がある。輸入車マーケットの価値観の変化だ。VWの調査によると、このクラスの購入動機であるプレステージ/ステータスは、10年前の2位から31位と急降下。かわりに急上昇してきたのは、評判や燃費だ。つまり、他人からどう見られたいかというよりは「そのクルマ、実際どうなのよ?」ということに置き換わってきたのだ。モノとしての価値が重要ということだ。そこは、地味だがマジメなクルマ造りを誇るVWの真骨頂と言える部分。まさに、そういう時代にはVWということになる。
 新型VWパサートの価格は「パサート TSI コンフォートライン」が 324 万円、「パサート TSI ハイライン」が374 万円、「パサート ヴァリアント TSI コンフォートライン」が 346 万円、「パサート ヴァリアント TSIハイライン」が 396 万円。安全装備などはすべて同じ。グレード差は、主に豪華装備によるもの。安全装備までグレードで差をつける国産メーカーが多い中、安産装備に差をつけることのないVWの姿勢は誇るべきことだ。
新型VWパサート
新型VWパサート
新型VWパサート


新型VWパサート

代表グレード VWパサートTSIコンフォートライン
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 4785×1820×1490mm
車両重量[kg] 1430kg
総排気量[cc] 1389cc
最高出力[ps(kw)/rpm] 122ps(90kW)/5000rpm
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] 20.4kg-m(200N・m)/1500-4000rpm
トランスミッション 7速DSG
10・15モード燃費[km/L] 18.4km/L
定員[人] 5人
消費税込価格[万円] 324万円
発売日 2011/05/30
レポート 大岡 智彦
写真 VGJ

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(レポート:大岡 智彦

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