ソニーのアイボから学ぶ「製品への愛」のあり方とは?
ソニーが苦境を乗り越え、今期は最高益を上げそうだとの報道があった11月、犬型ロボット「アイボ」の新型発表会が執り行われました。高齢化&核家族化の進む昨今、ロボット型ペットは日本人に癒しをもたらしていくことでしょう。実際、初代アイボを今でも「家族」として一緒に暮らしている日本人は多くいます。
しかし、11年前にソニーは初代アイボを「採算が取れないから」と言って急に製造販売をやめてしまったという経緯があります。「アイボはあなたのパートナーですよ」と言ってきたものを「これ以上のケアはできません」というのは、アイボがガラクタになってしまったのと一緒。愛される商品を作るためには、メーカーの姿勢も非常に重要な要素です。
この話を聞いて、まさにクルマの世界に今後必要なのは、「愛されるクルマ」なのではないかとの思いに至りました。
今回の出展車の中では、トヨタの「コンセプト愛」などはまさにそこを狙ったクルマなのでしょうが、いかんせんあまりに現実味が…。
と、いうわけで、もう少し現実味のあるクルマを2台ほどご紹介いたします。
ホンダ アーバンEVコンセプト 「愛されるデザイン」
このクルマ、技術もすごいのですが筆者の考える最大の特長は「愛される形(デザイン)」を持っているということです。
そう、ロボットや機械は動物の形をしていなくても、クルマはデザインでそれを表現することができるのです!
また、かつてのホンダSシリーズを彷彿とさせる点も、高齢化のご時世にはぴったりかもしれません。高齢化というのは、当たり前のことですが高齢者が多くなる社会です。多くの高齢者がこのクルマに思い出を投影し、愛着と誇りを持ってくれるのではないか、そんな期待を抱かせてくれます。
2020年に日本でも発売とのことですが、このラインは壊さぬよう販売デザインまで高めることを期待しています。
ダイハツ DN compagno(ディーエヌ コンパーノ)「老若男女に愛されるクルマ」
ダイハツ DN compagno(ディーエヌ コンパーノ)、このクルマも「アクティブシニアに向けた、豊かなセカンドライフを彩るモデル」との解説があります。
「アクティブシニア」という語彙のセンスがいかがなものかとも思いますが、ターゲットはわかりやすいですね。
隣に展示された昔のコンパーノの雰囲気を残しながら、新しいデザインを提案しています。コンパーノは、1963年に登場した小型車。2トーンカラーを設定すれば、ターゲットとしたアクティブシニアの範囲を超えてミニのような老若男女問わず愛されるクルマになるのではないでしょうか?
今回は参考出品のようですが、デザインを熟成させて発売していただきたいクルマです。
ポルシェ356 「ブランドへの愛」
やはり優れたクルマというのは時代を超えた普遍性があるものです。AIや自動運転車があまたに並ぶモーターショーの中でもポルシェ356の存在感は際立っていました。
若者のクルマ離れが叫ばれて久しいですが、クルマが珍しいものではなくなったことで単なる機械になってしまったということでしょう。
また、アイボの例のとおり、メーカーの姿勢次第で消費者のとらえ方も変わります。今回356を出展することで、ポルシェはいかに自分たちが歴史とブランドをいかに大切にしているかを示しました。
ホンダ、ダイハツも含め日本の自動車メーカーには、「自分たちのブランド」とは何か、それをどのように高め磨いていくかを考えていただきたいものです。
<レポート:北澤淳一>
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