ロータリーエンジン最後の特別仕様車【マツダRX-8 SPIRIT R新車情報】 [CORISM]

はてなブックマークに追加 Googleブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録
【マツダ】2011/10/08

感慨深い最後のロータリーエンジン マツダRX-8 SPIRIT R

マツダRX-8 SPIRIT R
 マツダは、ロータリーエンジンを搭載した4ドア・4シーターのスポーツカー『マツダ RX-8』に特別仕様車「SPIRIT R(スピリットアール)」を設定。全国のマツダ系、マツダアンフィニ系販売店を通じて11月24日から発売を開始する。マツダRX-8の生産は2012年6月で終了するため、「SPIRIT R」は最後の特別仕様車となり、販売計画台数は1,000台を予定。

 マツダRX-8 SPIRIT Rは、RX-8 Type RS(6MT車)およびRX-8 Type E(6EC-AT車)をベースとして、専用シートや専用塗装アルミホイールなどを設定。マツダ RX-7の最後の限定車にも採用された「SPIRIT R」の名称に相応しいデザインを演出。さらに、ベース車ではメーカーオプションであったSRSエアバッグシステム(カーテン&フロントサイド)を標準装備とした。なお、RX-8 SPIRIT R発売後のラインアップは同車とType G(6EC-AT車)のみとなる。

 マツダの山内社長は「RX-8の生産は終了しますが、ロータリーエンジンがマツダの魂のひとつであることに変わりはありません。マツダは今後もロータリーエンジンの研究・開発を継続していきます」と語っている。

 しかし、残念ながら燃費の悪いロータリーエンジンは環境性能では大きなハンデを背負っているのも事実。さらには、水素を燃料としたロータリーの研究も進めていたものの、大きな進展も今のとこみられない。また、シリーズハイブリッドの研究もあったが、トヨタよりハイブリッドシステムを導入することが決まっていることや、内燃機関はSKYACTIVへ大きくシフトしていることからも、現実的にみると再び登場する可能性は限りなく低いと思われる。

 確かにマツダにとってのロータリーエンジンは、そう簡単には捨て切れないもののひとつ。しかし、BMWもシルキー6とまで言われた直6エンジンを捨ててV型へと移行した。最近では、1シリーズに搭載されたダウンサイジングエンジン、1.6Lターボを5シリーズにまで拡大展開するという。過去の技術を着実に進化させて、自社のアイデンティティとするのもよいが、いつまでも捨て切れないと技術の進化スピードは上がらない。マツダには、今、SKYACTIVという素晴らしい技術が花を開いたばかりだ。次はロータリーの代わりにSKYACTIVを育てて欲しい。

 さて、最後のローターエンジンを搭載したRX-8スピリットRには、数々の特別装備が施されている。このタイプのこだわり系車種には、お買い得感など、それほど必要なく、より魅力的に進化しているかどうかが購入する動機の一つだろう。装備関係の充実度は、かなり高く最後のモデルに相応しい仕上がりだ。だが、走りにこだわるマツダファンにとって、走りの質を上げる新しい装備が無いのが心残りかもしれない。

<マツダRX-8 SPIRIT R特別仕様車概要>

■ベース車
「RX-8 Type RS」(6MT車)および「RX-8 Type E」(6EC-AT車)

■特別装備
・SPIRIT R(6MT車 6EC-AT車) 共通装備
・SPIRIT R専用オーナメント
・フロントヘッドランプ&フロントフォグランプ&リアコンビランプ(ブラックベゼル)
・フロント/リア ブレーキキャリパー(レッド塗装)
・センタートンネルトリム(ピアノブラック)
・SRSエアバッグシステム(カーテン&フロントサイド)
・SPIRIT R(6MT車)専用装備
・SPIRIT R専用 RECARO社製バケットシート
・225/40R19 89Wタイヤ&19インチアルミホイール(ブロンズ塗装)
・SPIRIT R(6EC-AT車)専用装備
・シート材質本革(ブラック+赤ステッチ)
・ステアリング本革巻(ブラック+赤ステッチ)
・パーキングブレーキレバー本革巻(赤ステッチ)
・センターコンソールボックスアームレスト付(前席)&リアコンソールボックス(リッド付)合成皮革(赤ステッチ)
・スポーツサスペンション、大径ブレーキ
・225/45R18 91Wタイヤ&18インチアルミホイール(ガンメタ塗装)

■ボディカラー
アルミニウムメタリック
スパークリングブラックマイカ
クリスタルホワイトパールマイカ

■マツダRX-8 SPIRIT R価格
・6MT   3,250,000円
・6EC-AT  3,120,000円

【マツダにおけるロータリーエンジンの主な歴史】

1961年 7月 NSU社/バンケル社と技術提携
1967年 5月 ロータリーエンジン完成発表、コスモスポーツ発売
1968年 7月 「ファミリア ロータリークーペ」発売
1969年 10月 「ルーチェ ロータリークーペ」発売
1970年 5月 「カペラ」ロータリーシリーズ発売
1971年 9月 「サバンナ」発売
1972年 11月 「ルーチェ」ロータリーシリーズ発売
1973年 6月 ロータリーエンジン車生産累計50万台達成
1975年 4月 「ロードペーサー」発売
1975年 10月 「コスモAP」発売
1977年 7月 「コスモL(ランドウトップ)」発売
1977年 10月 「ルーチェレガート」発売
1978年 3月 「サバンナRX-7」発売
1978年 11月 ロータリーエンジン車生産累計100万台達成
1981年 11月 「コスモ」および「ルーチェ」のロータリーシリーズ発売
1986年 4月 ロータリーエンジン車生産累計150万台達成
1986年 9月 「ルーチェ」フルモデルチェンジ
1990年 4月 3ローターRE搭載「ユーノスコスモ」発売
1991年 6月 「787B」が第59回ルマン24時間レースで総合優勝
1991年 12月 「RX-7」フルモデルチェンジ
2002年 4月 「RX-7」最後の限定車「スピリットR」シリーズを発売
2003年 4月 「RX-8」発売開始

マツダRX-8 SPIRIT R

【関連記事】

(レポート:CORISM編集部

【オススメ記事】