苦渋の選択? 新たなクルマ流通革命か? 三菱とビックカメラが電気自動車(EV)の アイ・ミーブの販売促進で提携! [CORISM]

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【三菱】2010/11/10

ビックカメラ店舗で展示や試乗会などを実施

 三菱自動車とビックカメラは11月9日、電気自動車(EV)の普及や販売促進に関して基本協定を同日締結したと発表した。家電量販店と自動車メーカーがEV普及で提携するのは日本初。
 今回の基本協定締結により、ビックカメラの基幹店舗で三菱の電気自動車「i-MiEV(アイ・ミーブ)」を展示するほか、試乗会などの各種イベントを実施。さらに購入希望者などを三菱の販売会社に紹介する。その第一弾として、9日からビックカメラ有楽町店でアイ・ミーブを展示。このほか、池袋本店、新宿西口店、ラゾーナ川崎店から順次開始していく。
 三菱ではこのほか、EV普及や販売に関してヤマダ電機とも交渉を進めているという。

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ビックカメラに続き、ヤマダ電機も「三菱 i-MiEV(アイ・ミーブ)」を販売へ[2010.12.01/CORISM]

なぜ、三菱はアイ・ミーブをビックカメラで売らなくてはならないのか?

 電気自動車(EV)である三菱のアイ・ミーブは、国内販売で多くの不安材料を抱えている。三菱自動車は、販売台数激減の影響を受けて、多くの販売会社・販売店が閉鎖されてきた。そのため、今年年末に発売が予定されている日産リーフに比べ、販売拠点数で大きく水をあけられるカタチになっている。
 さらに、同じ電気自動車とはいえ、アイミーブとリーフを比べるとクルマのクラス(大きさ)も違い、その性能や装備にも大きく開きがあるのだが、価格がほぼ同じという現実がある。このままでは、三菱にとって、生命線ともいえるアイ・ミーブが売れないかもしれない、という危機感がビックカメラとの提携に至った経緯ではないかと予想されている。
 とくに、最近の自動車は家電化が進んでいる。機能や装備が複雑で、一般のユーザーには、その差が明確に伝わりにくい。そのため、機能や性能を分かりやすく伝えてくれる販売員の力が大きい。三菱のビックカメラとの提携は、販売チャネルの強化と同時に、そんな営業力が欲しかったとも考えられるのだ。
 今まで自社のクルマは、専売の販売店だけにしか売ることが許されなかった自動車流通の仕組みが大きく変わったセンセーショナルな提携ともいえる。これで、アイミーブが爆発的にヒットすることがあれば、全メーカーの新車を販売する販売店が出現するかもしれない。それは、自動車販売の流通革命になる。

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(レポート:大岡 智彦

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