クルマの概念を覆す、驚きのスタイル。そして、インホイールモーターを採用した未体験コーナリングにも注目!
日産は、東京モーターショーで極細のフロントトレッドを持ち三角形のようなスタイルのまったく新しい価値観をアピールする電気自動車日産ブレードグライダーを公開した。
日産ブレードグライダーの開発は、動力を持たずに大空を自由に舞うグライダーと、先端部分の細い超音速機にインスピレーションを得てスタート。航空力学を応用し、幅の狭いフロントトレッドと幅広のリアトレッドという特徴を持つ独特の形状によって、路面に吸着するかのようなダウンフォースを得る一方で、極限まで空気抵抗を低減しつつ、異次元の運動性能と超効率性(省電費)の両立を実現するという、今までの自動車では成し得なかったパフォーマンスを達成した。
真上から見ると、まるで二等辺三角形のような形をしていて、今まで見たことのないユニークなスタイルをもつ。正面から見ると、紙飛行機のようなイメージもあり、日産のいう動力を持たずに空を飛ぶグライダーといえる。そのスタイリングを数値にすると、全長は4,200mmとコンパクトカーサイズ。気になる全幅は、前輪部分で1,000mm。後輪部分は1,890mmとなっており、ほぼGT-Rの全幅と同じ。さらに、GT-Rの全高が1,370mmなのに対して日産ブレードグライダーは、1,140mmとなっていて車高はとにかく低い。ホイールベースは、2,800mmとGT-Rより長い。
そのボディは、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)による軽量ボディ。極端にフロントトレッドが狭い斬新な車体形状は、空気抵抗を低減する事で省電費に貢献しながら、さらに車体全体で強烈なダウンフォースを発生させている。フロントトレッドが極端に狭くても安定するのは、前後の重量配分が3:7とフロントに掛かる荷重が一般的な自動車よりも少なく、大半のコーナリングフォースを後輪で生み出している為だ。そして、動力となるモーターは後輪ホイール内に埋め込まれたインホイールモーターを使用。左右独立制御なので、駆動力は自由自在にコントロールできる。まさに、異次元のドライビングフィールとなるだろう。
その異次元のドライビングフィールは、今までの常識を覆すダイレクトフィールをもたらす。特に圧巻なのがコーナリング。より速く曲がる為に、一般的な自動車は、コーナーの手前でブレーキングし、荷重をフロント外輪に移動させることでコーナリングフォースを得ている。しかし、日産ブレードグライダーは、大半のコーナリングフォースを後輪で発生。そのため、アンダーステアにならない為、特別なテクニックを必要とせず、誰もがハンドルを切った分だけ思った通りに曲がることができるのだ。
そして、ブレーキングやアンダーステアの抵抗により無駄にしていたエネルギーをコーナリングに活かすことができ、より高効率なコーナリング性能を達成している。こういったハンドリング性能は、まさにオンザレールな感覚。最小のエネルギーで走行するということは、動力を持たずに空を飛ぶグライダーのようだ。
インテリアもユニークだ。日産ブレードグライダーは、全席1、後席2の3シートレイアウトが採用されている。ドライバーが、ドライビングを楽しめるというよりは、物理的に1人しか乗れない。結果的に、フォーミュラマシンのようなクルマのセンターで運転できるという特別席が生まれている。
インテリアへのアクセスは、大きなガルウイングを開けることから始まる。ドアを開けると、シート表皮には軽量かつ快適な素材を用い、随所にあしらわれた鮮やかな蛍光イエローラインが目に飛び込む。ドアの開閉に合わせて、運転席が横方向にスライドするなどアクセスを容易にする機構が使われいてる。
インテリアも先進感あふれるものだ。もはや、ステアリングホイールといより操縦桿。ステアリング上部には、モニターが配され情報がひと目で分かる配慮がされている。これだけ見ている限りでは、クルマとは思えないくらいのものだ。
人は見たことのないものには、当然興味を示す。その対象が、普通のクルマではない姿形をしているものの、クルマだという。そうなれば、どのように動くのか? どんな運転感覚なのか? 興味が止まらなくなり、ブレードグライダーに視線は釘付けだ。それが、日産ブレードグライダーの魅力のひとつだろう。
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