なんと、アイドリングストップ機能は無し! そのため、エコカー減税も1ランクダウン!
日産マーチは、1982年に初代モデルがデビュー。現行モデルが4代目マーチとなっており、30年以上の歴史がある。4代目マーチは、2010年7月に登場。日産はこのモデルから、生産工場をタイに移した。当時、超円高だったこともあるが、コンパクトカーには価格競争力が重要といのことが大きな理由のひとつとされた。
そんなタイで生産される4代目マーチだが、販売は苦戦を強いられる。このクラスは、国内でも激戦区。デビュー当時は、フィット やヴィッツ が人気。その後は、スカイアクティブで超低燃費を実現したデミオ 、そしてハイブリッド のアクア が登場する。
日産も負けじとノート をフルモデルチェンジ。低燃費ターボエンジンを搭載し、一時期はコンパクトカー戦争をリードした。しかし、マーチはその影に隠れた格好になりジリ貧状態。販売現場でも、売りやすい最新のノートを勧めるのは当然で、販売面でもカニバリが発生している。また、価格競争力を重視という割には、価格が飛び抜けて安い訳でもない。
マーチ不振の理由は、クルマそのものというよりボディサイズにもある。フィットやアクアといったコンパクトカーのボディサイズは4,000㎜弱程度。それに対して、マーチは3,825mmとやや小さい。こうなってくると、軽自動車とも競合するなど、より厳しい状況に陥ってしまう。三菱 のミラージュ もそういった理由から販売台数は伸びていない。
輝きを失いかけているマーチだが、2,000台/月を売るだけに放置するわけにもいかない。今回の一部仕様変更では、「S」をベースに人気の内装色「プラム」を採用した新グレード「S PLUM interior(Sプラムインテリア)」を追加した。Sプラムインテリアは、シルバーフィニッシャーやフロントのドアトリムを追加した質感の高いインテリアとしている。インテリアと同様に、エクステリアもフロントバンパーロアグリルやアウトサイドドアハンドルにメッキ加飾を施し上質感をアピールする。使い勝手面では、後席を6:4分割の可倒式シートを採用した。
安全面も進化している。追突被害軽減自動ブレーキなどは装備されていないものの、全車に横滑り防止装置(VDC)を標準装備した。
ボディカラーは、新色の「カプリブルー」と「ブリリアントホワイトパール」が使いされ全9色の設定となっている。
新たに追加されたマーチSプラムインテリアの価格は1,272,240円。ベースのSが1,137,240円なので、13.5万円高となっている。メッキ加飾系の装備や6:4分割のリヤシートは、最上級グレードG相当。高級感があるのはよいのだが、装備がやや貧弱なエントリーモデルがベース。そのため、豪華だが装備がやや貧弱とい微妙な状態。メッキ加飾などは、クルマの機能に影響しない。6:4分割シートを別として、それで13.5万円高はやや高い印象だ。
さらに、このマーチSプライムインテリアというクルマの存在微妙としているのは、アイドリングストップ機能が装備されていないこと。今や軽自動車でも、当たり前の装備だ。そのため、エコカー減税のレベルが1ランク下がる。「X」、「X Vセレクション」、「G」が自動車取得税が80%と自動車重量税が75%の減税、「S」がベースのプライムインテリアは自動車取得税が60%と自動車重量税が50%の減税となる。これでは、あまり顧客にメリットが提示できていない。高級感があり安いのは良いが、ノートがそうであるように、今時のコンパクトカーはエコカー減税が免税というのが当たり前の時代だ。実際に購入する人は、こういった状況を理解して購入する必要がある。
■日産マーチS プラムインテリア価格:1,272,240円
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