フェアレディZニスモのベース車である基準車は、2008年にフルモデルチェンジした。その後、専用設計した等長フルデュアルエキゾーストシステムやコンピューターのチューニングを行うことで、エンジン出力を基準車に対して14kW（19PS） 向上させて、最高出力を261kW（355PS）としたバージョン ニスモが オーテックジャパン より投入。フェアレディZニスモのベース車といえるもので、ボディは、専用補強パーツや、YAMAHA社製パフォーマンスダンパーを採用。エクステリアは、効果的なダウンフォースの獲得と空気抵抗の低減という、相反する要件を両立させた、世界最高水準の空力特性をもったエアロパーツが装着された。

　その後、日産のモータースポーツを担うニスモ（NISMO）のリブランディング戦略の一環として、ジューク ニスモに続き、第2、第3弾モデルとしてフェアレディZ ニスモとマーチ ニスモがデビューした。

　今回のマイナーチェンジでは、最新のニスモデザインアイデンティティを採用。従来のエクステリアデザインから、大きくイメージが変化した。フロントバンパーボトム部のデザインは、すでにデビューしているGT-R ニスモとも同様なテイストをもつ。リヤウイングは小型化され、ボディとの一体感のあるタイプとなっている。

　デザインが変化と同時に空力にも磨きがかかった。前後のダウンフォースバランスを最適化することで、高速域でのハンドリング性能が向上した。

　インテリアでは、ニスモ専用チューニングのレカロ製スポーツシートを採用。ニスモは、ハード系のパフォーマンスアップだけでなく、ドライバーとの接点であるシートにも徹底的にこだあっている。この専用チューニングレカロシートの効果で、ドライバーは中高速域で強力な横Gがかかる中でも安心してドライビングできるホールド性を実現している。

　パワーユニットは、3.7L V6のVQ37VHR（ニスモ専用チューニング）で261kW（355PS）/7400rpm、374N・m（38.1kgf・m）/5200rpmを発揮する。低回転トルク重視の低燃費型ターボが全盛期だけに、自然吸気の高回転型パワーユニットは、今や珍しい存在。気持ちよく高回転まで回るフィーリングは、フェアレディZニスモだけが味わえる贅沢なものといえるだろう。

　また、フェアレディZニスモを除く基準車では、タイヤ構造、リヤエンジンマウント、防音材の改良により、チッピング音、ロードノイズ、加速時のノイズを軽減し、静粛性を向上。さらに、リヤサスペンションの改良により、日常域での乗り心地を向上。また、ステアリング制御の変更、ステアリングギアバルブの変更により、操舵力を低減。その結果、日常域での取り回し性の向上と、軽快なハンドリングを実現した。

■日産フェアレディZ ニスモ（NISMO）の変更点
○エクステリア
ニスモレッドアクセントを配した専用バンパー、サイドシルプロテクター
存在感を際立たせる専用LEDハイパーデイライトを追加
新デザインのレイズ製アルミ鍛造ホイール
ハイパフォーマンスモデルを象徴するNISMO エンブレム（フロント）の追加
精悍な印象を与えるブラック加飾のヘッドライトインナー
伸びやかなボディフォルムを実現するリヤスポイラー

○インテリア
的確なドライビングをサポートする、NISMO専用チューニングRECARO製スポーツシート
インテリアの印象を引き締め、NISMOの象徴の赤とのコントラストを高めることでスポーツドライビングに集中できるブラックアウト加飾
センターコンソール部に配したNISMOエンブレム
レッド加飾を施したスターターボタンフィニッシャー