日産 は、電気自動車（EV） である日産リーフ の価格を改定し発売を開始した。

　日産リーフは、2010年12月に世界初の量販EV専用車としてデビューした。数多くの先進テクノロジーを搭載し、世界中で話題になる。その結果、圧倒的な点数を集め2011-2012の日本カー・オブ・ザ・イヤー を受賞する。

　また、先進技術だけでなく、航続距離に不安があるEVの弱点をナビを使ったIT技術で解消。さらに、日産の販売店での充電設備の設置など普及に向けて巨額の投資が行われた。さらに、大量の電力を蓄電できるリチウムイオン電池を搭載していることから、災害時の非常用電源となれるように、リーフから家などへ給電できるLEAF to Homeを開発。非常時の電源だけでなく、価格の安い深夜電力で蓄電し、昼間の家に給電して家庭の電力使用料を節約するなどもできるなど、クルマだけでない価値も提案している。

　だが、販売台数が伸び悩む。その理由のひとつが価格と見られていて、補助金が出ているとはいえ、デビュー当時の価格は上級グレードのGグレードで400万円超という高価な価格だった。

　それでも日産は、スピーディにリーフを進化させる。デビューから2年弱の2012年11月に早くもマイナーチェンジする。EVの不安要素でもある航続距離を228kmへと伸ばした。しかし、価格もやや上昇。

　残念ながら、それでもEVの普及には至らず、2013年4月に価格を30万円弱という大幅な引き下げを行った。価格引き下げは止まらない。その約1年後、2014年3月には約26万円の価格引き下げを行った。それから、また1年後の2015年3月には約14万円値下した。その結果、リーフ上級グレードのGグレードは3,545,640円となった。

　この価格から、国の購入補助金（クリーンエネルギー自動車等導入促進対策費補助金）最大27万円を利用できる。若干価格は安くなるものの、同じクラスのガソリン車の5ドアHBと比べれば、まだ割高な印象が残る。

　日産は、こうした価格的買いやすさの改善の他、EV関連の環境にもシッカリと対応しているのも好感がもてる。日産では、日産ゼロ・エミッション サポートプログラム等のスタンダードプランに加入すると、全国約4,200基（2015年上期までの設置見込み数）の急速充電器が使い放題。加えて、電気自動車等の高速道路利用実態を調査、分析、公表することで、今後の充電インフラ整備等に活用することを目的として、2015年5月から経済産業省の高速道路利用実態調査事業が開始される。この調査事業に参加することで、日産リーフは、高速道路通行料の一部が補助されることになり、より一層の経済性の高いEVとなる。

　そんな日産リーフだが、中古車になると買い得感が非常に高くなる。なんと、1年落ち程度の高年式中古リーフの価格は200～250万円で十分に狙える。3年落ちの2012年モデルあたりになると100～180万円程度で十分に購入範囲に入る。こうなると、かなりお買い得だ。3年落ちのリーフであれば、軽自動車 の新車とほぼ同じということになる。近所の足として使う軽自動車というのであれば、リーフの航続距離も気にならないはず。さらに、ガソリン代に比べ電気代の方が安いのでリーズナブル。その上、軽自動車に比べれば、クルマの質感や静粛性、乗り心地、運動性能などは大幅に上回る。そう考えると、かなりお勧めといえるだろう。EVに対して疑心暗鬼な人は、まずはお買い得な中古リーフでEVの実力をチェックしてみるのもいいだろう。

■日産リーフ価格
・S 2,738,880円
・S エアロスタイル 3,041,280円
・X 3,159,000円
・X エアロスタイル 3,461,400円
・G 3,545,640円
・G エアロスタイル 3,794,040円