【日産 新型 エルグランド 新車情報】8年ぶり、満を持して渾身のフルモデルチェンジ!

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【日産】2010/08/04

 

日産 エルグランド 350 Highway STAR Premium(ハイウェイスター プレミアム)[2WD]

ライバルからのシェア奪還を目指して「何もかもが、KINGだ。」

日産 エルグランド 350 Highway STAR Premium(ハイウェイスター プレミアム)[2WD] リアエンド
 日産は最上級ミニバン「エルグランド」をフルモデルチェンジし、8月18日より発売を開始する。
今でこそトヨタにシェアを大きく奪われてはいるが、元々Lクラス高級ミニバンの市場を大きく開拓したのは1997年に登場した初代エルグランドだった。当時は当たり前だった商用バンの派生車ではなく、全く新しい乗用車専用モデルとして設計された初代エルグランドは、押出しの強いマスクや余裕の走り、ゆとりある室内空間などがウケて大ヒット作となった。これを受けてトヨタは、2002年の2代目エルグランドが登場した翌日に「アルファード」を発売。クラウンをほうふつとさせる高級感を与えたインテリアを仕立てる一方で低価格な2.4リッターモデルを設定する周到ぶりで、イッキにトップシェアを獲得した。そのアルファードは08年早々にフルモデルチェンジを果たし、追加された兄弟車「ヴェルファイア」と併せ好評を博しているのが現状だ。
この状況下で、"老舗"エルグランドは満を持して約8年ぶりのモデルチェンジを迎えた。シェアを奪われたうっ憤を晴らすかのように、全てに渡り気合の入った内容がテンコ盛りな新型エルグランド。その大いなる変貌ぶりについて、詳細にお届けしていこう。

初代 E50型 エルグランド

初代 エルグランド(E50型)[1997~2002]

先代 E51型 エルグランド

先代 エルグランド(E51型)[2002~2010]

現行 新型 E52型 エルグランド(日産 エルグランド 350 Highway STAR Premium[2WD])

そしてこれが新型エルグランド

日産 エルグランド 350 Highway STAR Premium(ハイウェイスター プレミアム)[2WD] リアビュー

FRからFFに大変身! 走りの質や静粛性も大幅に向上した

日産 エルグランド 新FF Dプラットフォーム

新FF「Dプラットフォーム」を採用し低重心化が図られた
 新型エルグランドでまず最初に取り上げたいのは、従来型が採用していたFR(後輪駆動)を止め、新たにFF(前輪駆動)の新設計Dプラットフォームを採用した点だろう。ティアナやムラーノ向けDプラットフォームをミニバン用に新設計し直した。ボディサイズは(全長x全高x全幅)4915x1850x1815mm。先代が同4835x1815x1910mmなのに対し全高で95mmもダウンしたことで、見た目にも安定感の高まったワイド&ローなフォルムとなった。FF化やCVT化によるエンジンの低配置化や薄型ガソリンタンクの床下配置などにより大幅にフロア高を下げたことで、室内の高さはむしろ先代より余裕を持たせている。また、大幅に強化されたボディ剛性や新設計のサスペンション採用、さらに重心も低めたことと相まって、走行安定性やハンドリング、乗り心地なども格段に高められた。前後の重量バランスはなんと52:48。先行してテストコースでプロトタイプにひと足早く試乗したCORISM編集長 いわく「ミニバンとは思えないドライバーズカー」だったというから、コイツは公道での試乗が楽しみだ。なお、ガソリンエンジンの日産車としては初採用となる遮音フロントガラスや、振動を抑えるフロア骨格・フロアビード形状の設計、専用チューニングされた18インチタイヤ「YOKOHAMA dB(デシベル)」の採用、さらに遮音材・制振材の最適配置などと相まって、高級車に相応しい静粛性も高められている。
搭載されるのはV6 3.5リッター「VQ35DE」型エンジンと、新採用の直4 2.5リッター「QR25DE」型エンジンで、エクストロニックCVT-M6(6速マニュアルモード付き)と組み合わされる。ともに環境性能は大いに高められ、新プラットフォーム化によるボディの軽量化と相まって各クラストップの燃費性能をマーク。4WD車を含め、エコカー減税の適合を受ける(3.5リッターFF車のみ一部で適合)。さらにECOモードスイッチや燃費計、ナビ協調変速機能など燃費走行をアシストする「エコドライブアシスト機能」により実用燃費の向上もサポートする。

日産 エルグランド  V6 3.5リッター「VQ35DE」型エンジン

V6 3.5リッター「VQ35DE」型エンジン
クラストップの9.8km/L(10・15モード燃費)をマークするなど、従来型3.5リッター車に比べ20%も燃費が向上している。

日産 エルグランド 直4 2.5リッター「QR25DE」型エンジン

直4 2.5リッター「QR25DE」型エンジン
先代モデルのV6エンジンから直4へと変更された2.5リッター車。最大11.6km/Lの低燃費を誇るなど先代より30%も燃費が向上した。

「QR25DE」搭載車は全車がエコカー減税適合車

「QR25DE」搭載車は全車がエコカー減税75%適合車となる。ガソリンタンク容量も増え、実際の航続距離も大幅に伸びた。

フロントマスクの「らしさ」は残しつつ、内外装のイメージは一新

日産 エルグランド 350 Highway STAR Premium(ハイウェイスター プレミアム)[2WD] フロントマスク
 押出しが強く高級感溢れるフロントマスクは、3代に渡り受け継がれた「エルグランドらしさ」のアイコンそのものだ。その力強いイメージを継承しながらも、新型では内外装のイメージ自体が一新された。ともに注力されたのは質感の向上だ。
まずは外観から。フロントフェンダーから伸びるZラインの軽快なショルダーライン、いっぽうで低重心を強調する下半身のどっしりした安定感、前席から連続して一周するキャビン部のガラス処理など、走りの良いドライバーズカーであることをエクステリアでも表現するとともに、単調になりがちな箱型ミニバンのスクエアフォルムを引き締める効果も得た。もちろん、全体として高級ミニバンに相応しい上質感も獲得している。写真よりも、実物を屋外でしみじみ眺めて見て頂いたほうがその実感を得られるかもしれない。
いっぽうの室内。先代エルグランドではモダンでクールな印象のスタイリッシュなインテリアデザインが特長だったが、ライバル車に対してはシンプルに見え、その分高級感という面でやや見劣りがしていたのも事実だ。マイナーチェンジを重ねる毎に、インパネ周りなどは年々厚化粧になっていった経緯がある。新型ではその点に当初から注力されたようだ。同じ日産のミニバン「セレナ」が見晴らしが良く開放感あるシンプルなインパネ周りなのとは対照的に、新型エルグランドはボリューム感あるラウンドフォルムのデザインとし、ドライバーに適度な包まれ感を与えるとともに上質感を演出する。クローム類の加飾やクラス最大の面積を誇るという木目調パネルをあしらったのも効いている。
そして最大の見所は、座り心地の良い3列各シートにある。7人乗り仕様には、助手席と2列目シート2席に同時に使えるトリプルオットマンを採用。中でも2列目シートにはシートクッション一体型オットマン、中折れ機能付きシートバック、3層構造パッドを同時採用する世界初の「コンフォタブルキャプテンシート」を搭載し、快適な乗り心地をサポートする。また3列目シートも従来の左右跳ね上げチップアップ収納を止めフォールダウン収納とすることで、シート自体の掛け心地も大幅に向上させた。
日産 エルグランド 350 Highway STAR Premium(ハイウェイスター プレミアム)[2WD] フロントビュー
日産 エルグランド 350 Highway STAR Premium(ハイウェイスター プレミアム)[2WD] リアビュー
日産 エルグランド 350 Highway STAR Premium(ハイウェイスター プレミアム)[2WD] インパネ周り

 

日産 エルグランド 350 Highway STAR Premium(ハイウェイスター プレミアム)[2WD] サードシート

チップアップ(左右跳ね上げ式)を止めたことで、よりしっかりしたシートとすることが出来た3列目シート。もちろん乗車定員3人分の3点式シートベルトとヘッドレストは標準装備される。

日産 エルグランド 350 Highway STAR Premium(ハイウェイスター プレミアム)[2WD] セカンドシート

中折れ機能付きコンフォタブルキャプテンシートが装備される7人乗り仕様のセカンドシート。ロングドライブにおいてもリラックスした姿勢での着席が可能だ。オットマンと座面に境目がないのも掛け心地に貢献する。

日産 エルグランド 350 Highway STAR Premium(ハイウェイスター プレミアム)[2WD] フロントシート

1・2列目は三層構造で体圧を分散させるシート構造を採用。さらに一部グレードのフロント席にはクイックコンフォートシートヒーターや運転席8ウェイ・助手席4ウェイのパワーシートが装備される。

 

日産 エルグランド 350 Highway STAR Premium(ハイウェイスター プレミアム)[2WD] サードシート収納時のラゲッジ

3列目シートを前倒しした状態の広大なラゲッジルーム。左右チップアップ式に比べ空間が広く使え、後方視界も遮らない利点がある。350 Highway STAR Premiumではさらにワンタッチ電動格納&復帰機構も装備される。

日産 エルグランド 250 Highway STAR(ハイウェイスター) 7人乗り仕様[2WD] ブラック/ベイブラウン内装

こちらは黒のネオソフィール(合皮)とブラウンのジャガード織物のコンビシート。写真では見えないが、木目調パネルもグラデーションシルバーローズウッドとなる。

日産 エルグランド 250 Highway STAR(ハイウェイスター) 8人乗り仕様[2WD] ブラック/ベイブラウン内装

さらにこちらは8人乗り仕様、ロングスライド機能や大型センターアームレストが付いたセカンドシートだ。当然ながら3席分のヘッドレストと3点式シートベルトが装備される。

最上級ミニバンに相応しい贅沢な装備を満載

日産 エルグランド 世界初採用の11インチ大型ワイド高精細モニター

世界初採用の11インチ大型ワイド高精細モニター
 最高級ミニバンだけに、装備面でも贅沢なラインナップが用意されている。初代エルグランドより採用される人気装備の後席モニターは、遂に世界初採用の11インチ大型ワイド版となった。サウンドにもこだわり、13スピーカーを装備するBose 5.1chサラウンドサウンドシステム付後席プライベートシアターシステムもオプション設定する。こちらは吸音天井や純正フロアカーペットの吸音機能、さらに左右窓ガラスの反響音なども計算したこだわりの音響チューニングが施されている。
後席スライドドアの電動化は今では軽自動車でも当たり前の装備だが、エルグランドは一味違う。ドアノブのスイッチを一押しするだけでオートスライドドアが作動する「ワンタッチオートスライドドア」を世界で初めて採用したのだ。今まであるようでなかった便利装備で、他モデルへの普及も期待出来るだろう。なお、助手席側電動スライドは全車標準、両側の電動化は2.5リッター車でオプション、3.5リッター車で標準装備となる。
このほかインテリジェントエアコンシステムは、従来の菌やウィルスの不活化や匂い低減に加え、お肌のうるおいを保つ高濃度プラズマクラスターイオンを発生させるものに進化した。内外気自動切換え機能も排ガスのみならず外気の匂いを防ぎながら換気することで、室内環境をより快適に保つ。
走りや安全装備の面では、VDC(ビークルダイナミクスコントロール:横滑り防止装置)やカーテンエアバッグ、運転席・助手席サイドエアバッグシステム、タイヤ空気圧警報装置が全車で標準装備される。中でも、ボディが大きく背も高いミニバンにとって、タイヤの空気圧管理なくしてはVDCも安全に機能しない。ただ実際のユーザーには空気圧管理の大事さはそこまで浸透しておらず、この警報装置の存在は地味ながら重要な機能となるだろう。なお空気を充填した際、指定圧に達するとブザーで知らせる日本初のガイド機能も装備される。
このほか、0-100km/hで機能するインテリジェントクルーズコントロールはインテリジェントブレーキアシストとセットで3.5リッター車にオプション設定される。

13スピーカーを装備するBose 5.1chサラウンドサウンドシステム

13スピーカーを装備するBose 5.1chサラウンドサウンドシステム。まさに車内をミニシアターにしてくれる驚きのサウンドを堪能出来る。

サードシート用ワンタッチ電動格納&復帰機能

フォールダウン収納式のサードシートには、便利なワンタッチ電動格納&復帰機能も設定される。

「ワンタッチオートスライドドア」 スイッチ

「ワンタッチオートスライドドア」はドアノブのスイッチを押すだけでドアが開閉するもの。あるようでなかった装備だ。

 

ツインサンルーフ

ツインサンルーフはオプション設定。前後でそれぞれ電動チルトアップ&スライドする。

ディーラーオプションの保温・保冷庫付きマルチファンクションコンソール

こちらはディーラーオプションの保温・保冷庫付きマルチファンクションコンソール。500mlのペットボトル2本が収納可能だ。

LEDバンパーイルミネーション

LEDバンパーイルミネーションとフロントプロテクター(ロアスポイラー)はディーラーオプション。

ラインナップは「ハイウェイスター」中心に構成

日産 エルグランド 250XG エクステリア

ベーシックグレード「250XG」のエクステリア。写真のボディカラーは専用色のシェルブロンドメタリックだ。

 8年ぶりのモデルチェンジとあって、とても全てを紹介することが出来ないほどに盛り沢山の進化を遂げた新型エルグランド。グレード構成は、エアロパーツ・18インチアルミホイール付きの「ハイウェイスター」シリーズがほぼ占めている。価格は2.5リッター「250ハイウェイスター」3,381,000円/3,664,500円[FF/4WD・8人乗り]から3.5リッターの最上級モデル「350ハイウェイスター プレミアム」4,357,500円/4,641,000円[FF/4WD・7人乗り]まで。16インチホイール装着のベーシックな「250XG」は8人乗りのみの設定で3,076,500円/3,360,000円(2WD/4WD)となっている。ボディカラーは全5色だがハイウェイスター専用色・250XG専用色がそれぞれあり、各4色の設定と選択肢は少ない。いっぽう内装色は本革「ダークエスプレッソ」、合皮・織物コンビ「ブラック/ベイブラウン」、スエード調クロスの明るい「シルキーベージュ」からグレードに応じて選択出来る。
なお上記の価格は全てオーディオレスの状態で、高価なHDDナビゲーションシステムやアラウンドビューモニターなど、エルグランドを買うなら「絶対欲しい」装備は、全車でオプション装着となる。くれぐれもお忘れなきよう。
また併せてオーテックジャパンが仕立てるカスタム仕様、お馴染みの「ライダー」と、福祉仕様「アンシャンテ セカンドスライドアップシート」も同時設定される。価格は「ライダー」[2.5・FF・8人乗り]3,601,500円から。
日産では、新型 エルグランドの販売目標台数を1900台/月と発表している。

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日産 新型 エルグランド ライダー(白本革シート仕様)[3.5/2WD]

オーテックジャパンが仕立てたカスタム版「ライダー」

日産 新型 エルグランド ライダー(白本革シート仕様)[3.5/2WD]

エルグランド ライダー(白本革シート仕様)のインテリア

日産 新型 エルグランド アンシャンテ セカンドスライドアップシート 250 highway STAR[2WD]

アンシャンテ セカンドスライドアップシート 250 highway STAR[2WD]

 

日産 エルグランド 350 Highway STAR Premium(ハイウェイスター プレミアム)[2WD] 225/55R18タイヤ&アルミホイール

ハイウェイスター系に標準装備の225/55R18タイヤ&クロームカラーコートされたアルミホイール。

日産 エルグランド 250XG リアビュー

215/65R16タイヤとアルミホイールを装着した標準グレード「250XG」は、セレナ並みの最小回転半径5.4mをマークする。

日産 エルグランド 250XG インテリア

250XGは8人乗りのみの設定。スエード調クロスを用いたシルキーベージュ内装にグラデーションアフリカンウッド木目調パネルを採用する。
日産 エルグランド 350 Highway STAR Premium(ハイウェイスター プレミアム)[2WD] リアビュー
代表グレード 日産 エルグランド 350 Highway STAR Premium(ハイウェイスター プレミアム)[2WD]
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 44915x1850x1815mm
車両重量[kg] 2020kg
総排気量[cc] 3498cc
最高出力[ps(kw)/rpm] 280ps(206kW)/6400rpm
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] 35.1kg-m(344N・m)/4400rpm
トランスミッション エクストロニックCVT-M6(6速マニュアルモード付無段変速機)
10・15モード燃費[km/L] 9.4km/L
定員[人] 7人
消費税込価格[万円] 4,357,500円
発売日 2010/08/18
レポート 徳田 透(CORISM編集部)
写真 日産自動車/CORISM編集部

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