脱オヤジのクルマ! 若返りを図りたいトヨタの想いを象徴するデザインチェンジ
トヨタは、中型セダンであるマークXをマイナーチェンジし発売を開始した。
現行のマークXは、2009年10月にデビュー。しかし、国内セダンマーケットは完全に冷え込んでおり、デビュー当時は月販3,000台レベルをキープしていたものの、2,000台を維持するのがやっとという状態が続いていた。とはいえ、日産スカイラインと比べれば、かなりの善戦している。スカイラインは、月販500台を割る販売台数が長く続いている状態だ。
現行トヨタマークXは、不運のクルマと言われており、デビューした2009年10月の少し前となる同年5月にプリウスがフルモデルチェンジし、納車まで1年以上というバックオーダーを抱え話題となった。ホンダ インサイトに対抗したプリウスは、トヨタの価格ヒエラルキーを破壊する価格帯で登場。他のガソリン車を売れなくしたほど。その影響をモロに浴びたマークXは、コストが高いFRセダンであるのに238万円からという驚きのプライスを付けて登場した。スカイラインが登場したときの、エントリーモデル250GTの価格が約279万円という価格から分かることから、最近のトヨタの価格付けとは逆に、とてもリーズナブルな設定だった。
しかし、そんなリーズナブルな価格でも、ヒットしないほどセダンマーケットは冷え込んでいた。セダンマーケットは、完全に高価な輸入車に奪われていた。俳優の佐藤浩市を部長と見立てたCMを使い、高齢者中心のトヨタ セダン顧客の若返りを狙うも思うように効果が出なかったようだ。確かに、先代マークXよりはスポーティに感じたものの、やはりトヨタのセダンはオヤジのクルマという印象が拭えなかったのだろう。
つまり、CMでいかに若返りの印象を与えても、プロダクトそのものが若々しくスポーティでなければダメ。そんな結論に達したのか、今回のマイナーチェンジでは、まったく違うクルマのように、そのスタイルを大きく変えた。とくに、フロントフェイスは、これがマークXなのか? というくらいの変貌ぶり。賛否があるものの、グリルのど真ん中にある大きなXというエンブレムがマークXであることアピールしている。
今回は、バンパー(フロント・リヤ)、フロントグリル、リヤコンビネーションランプの意匠を大幅に変更。MC前とはまったく違った顔に見せるデザインのバイキセノン式ディスチャージヘッドランプ&LEDクリアランスランプを採用するなど、スポーティさと上質さを向上。アウディなどのヨーロッパ車で流行りのLEDを使ったデザインテイストを上手く持ち込んでいる。そのため、ボディカラーがダーク系の方がハイコントラストになり、ヘッドライトの輪郭がハッキリし、淡色系よりも精悍な印象が強くなる。
ボディカラーは、新色ダークレッドマイカメタリック、ダークブルーマイカを含む、全6色を設定した。内装においては、4眼メーターやシフトレバー周りなどに高輝度シルバー塗装を施すことで、上質感を演出している。
さらに、内装材やフロントピラー内の制振材の採用を拡大し静粛性を一段と向上。また、走りの質を向上させるため、溶接のスポット点数を追加しボディ剛性を高めた。この結果、さらなる高速走行時の優れた操縦性・走行安定性を実現したという。
大きなデザイン変更を含め、ボディ剛性のアップなど、トヨタ車としては数少ない大幅マイナーチェンジを敢行したトヨタ マークX。このマイナーチェンジで、デビュー当時2,674,250円だった250Gの価格が、270万円になるなど、グレードにより価格の上げ幅が若干違うものの、一段と魅力を増した新型トヨタ マークX。若手のセダン派ユーザーを、輸入車から引き戻すことができるのか注目だ!
■トヨタ マークX変更点概要
<プレミアムタイプ(PREMIUM、PREMIUM Four)>
・フロントロアグリル、サイドマッドガードなどにめっき加飾を施し、高級感を演出
・シート表皮にアルカンターラを新設定
・新構造のFAD*2ショックアブソーバーを2WD車に採用し、優れた操縦性・走行安定性とショックの少ない快適な乗り心地を高次元で両立
・ナノイー、スーパーUVカットガラス(フロントドアガラス)を標準装備し、快適性を向上
・オプション設定のインテリジェントパーキングアシスト(イージーセット機能&駐車空間認識機能付)の利便性を向上
<スポーツタイプ(250G“Sパッケージ”、350S)>
・リヤスポイラー(バンパーロア)の意匠を変更したほか、メッシュタイプのフロントロアグリルを採用するなど、スポーティ感を大幅に強調
・内装パネルに幾何学調柄を新設定
<スタンダードタイプ(250G“Fパッケージ”、250G Four“Fパッケージ”、250G、250G Four)>
・インテリアカラーに新色ビターブラック、アイボリーブラックの全2色を設定
・木目調パネル色にグレージュを追加し、全2色を設定
■トヨタ マークX価格
・250G 2,700,000円
“Fパッケージ” 2,440,000円
“Sパッケージ” 2,990,000円
・250G Four 2,931,000円
“Fパッケージ” 2,671,000円
・350S 3,600,000円
・2.5L PREMIUM 2,920,000円
・2.5LPREMIUM Four 3,151,000円
・3.5LPREMIUM 3,900,000円
【関連記事】
- トヨタ マークX +Mスーパーチャージャー、これはこれでアリか?
- 【トヨタ 新型 マークX 試乗記】FRらしいダイナミックなスタイリングと走りに磨きをかけた!
- トヨタ車試乗記一覧
- アテンザワゴンチラ見せも! ついに、新型マツダ アテンザ公開! 減速エネルギー回生システムi-ELOOP(アイ・イーループ)で、ディーゼル車は20km/Lオーバー? 次期アテンザを意識? マツダの低燃費技術スカイアクティブをさらに進化
- 長所はあっても欠点はない?【メルセデス・ベンツCクラス試乗記】
- BMW 320dブルーパフォーマンス新車情報 ガソリン車との価格差は、わずか20万円! BMWのクリーンディーゼル戦略始まる!
- BMW ActiveHybrid 3(アクティブハイブリッド3)新車情報 BMWの攻勢第2弾は、瞬発力あるハイブリッド!
- スバル レガシィ ツーリングワゴン/B4 2.0GT DIT新車試乗記 切れ味鋭い、レガシィらしさを最も表現する300馬力DITエンジン
【オススメ記事】
- フォルクスワーゲン ポロ新車情報・購入ガイド ついに全長4m越えに! 3ナンバー化した6代目新型ポロは、1.0L直3ターボを搭載【ニュース・トピックス】
- 三菱エクリプスクロス試乗記・評価 さすが4WDの三菱! 豪快にリヤタイヤを振りだすような走りも楽しめる絶妙なS-AWCに脱帽!【レビュー】
- 【日産リーフ 長期評価レポートvol.6】 日差リーフの実電費チェック! (一般道編)コツコツ電費を稼ぐe-Pedal【評論家ブログ : 日産リーフ】
- メルセデス・ベンツSクラス新車情報・購入ガイド 約20年振りの直6エンジンに、ISGを組みあわせた次世代エンジンを搭載!【ニュース・トピックス】
- 【日産リーフ 長期評価レポートvol.5】 日差リーフの実電費チェック! (高速道路編)実電費アップは、こだわりの空力性能にあり!【評論家ブログ : 日産リーフ】
- 三菱エクリプスクロス新車情報・購入ガイド スタイルに走り、装備とスキ無しの完成度を誇るコンパクトSUV。ガソリン車だけしかないことが、唯一の弱点?【ニュース・トピックス】
- 【日産リーフ 長期評価レポートvol.4】 30歳代クルマ好き女性、初めての電気自動車! その評価は?【評論家ブログ : 日産リーフ】
- 日産セレナe-POWER新車情報・購入ガイド ついに、シリーズハイブリッドシステムを搭載したセレナ! 5ナンバーミニバン、ハイブリッド車戦争へ加速!!【ニュース・トピックス】
- マツダCX-8試乗記・評価 際立つ運転のしやすさ! こだわりの「躍度」を雪上でチェック!【レビュー】
- 日産テラ(TERRA)新車情報・購入ガイド ナバラベースのSUV中国でデビュー! 日本への導入は?【ニュース・トピックス】
【関連記事】
- BYDシール(SEAL)試乗記・評価 日本勢脅威のスポーツセダン【その他】
- マツダEZ-6(イージー シックス)新車情報・購入ガイド 長安汽車の電動技術を使った合作電動車、初公開!【マツダ】
- トヨタ カローラシリーズ新車情報・購入ガイド スポーティな特別仕様車「ACTIVE SPORT」新投入!【トヨタ】
- 日産車雪上、試乗記・評価 雪道でe-4ORCEの実力は?【日産】
- BMW i7試乗記・評価 2つの顔を持つ電気自動車のフラッグシップセダン【BMW】
- AFEELA Prototype JAPAN MOBILITY SHOW 2023レポート【ホンダ】
- 日産スカイラインNISMO/NISMOリミテッド新車情報・購入ガイド ニスモ流GTの極め方とは?【日産】
- BMW5シリーズ(G60)新車情報・購入ガイド BEVメイン!? 戦略的価格で勝負!【BMW】
- ニュルブルクリンク24時間レース スバル応援ツアーレポート【BLOG】
- BMW 5シリーズ(G60)新車情報・購入ガイド 意外とコンサバだが、デカい!【BMW】
【オススメ記事】
- ホンダWR-V試乗記・評価 大満足か後悔か? 成功か失敗か? 見極め重要なコンパクトSUV【ホンダ】
- 日産エクストレイル(T33型)vs トヨタ ハリアーハイブリッド(80系)徹底比較!【対決】
- 日産フェアレディZ新車情報・購入ガイド 2025年モデルが登場! 納期は? 転売ヤー対策は?【日産】
- BMW M2クーペ(G87)試乗記・評価 「サーキットで乗ってみたい!」クルマ好き女子が試乗!【BMW】
- 2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー、栄えある10ベストカーが決定! 今年のナンバー1は、どのクルマに!?【イベント】
- 2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー、ノミネート車31台が決定!【イベント】
- マツダCX-80試乗記・評価 すべてに大人の余裕を感じた国内フラッグシップ3列SUV【マツダ】
- 三菱 アウトランダーPHEV新車情報・購入ガイド 大幅改良&値上げ。それでも、コスパ高し!!【三菱】
- スズキ フロンクス試乗記・評価 価格、燃費値を追加。欧州プレミアムコンパクトに近い上質感【スズキ】
- 日産セレナAUTECH SPORTS SPEC新車情報・購入ガイド 走りの質感を大幅向上した特別なモデル【日産】
CORISM公式アカウントをフォローし、最新記事をチェック!