使い勝手面での制約が多いカブリオレだが、オープンエアドライブは格別
BMW は最近、積極的にモデルバリエーションの拡充を図っていて、さまざまな新型モデルを相次いで投入している。その多くは、派生車種的なモデルであるとはいえ、ちょっと背伸びし過ぎではないかと思えるほどだ。
今回試乗した4シリーズ のカブリオレ は、従来は3シリーズの中に含まれていたものだが、クーペ とカブリオレ、それにグランクーペのは3タイプは、3シリーズから分離独立して4シリーズと呼ぶようになった。
BMW4シリーズカブリオレの魅力が爽快なオープンエアドライブにあるのは間違いないが、日本ではオープンで走るのに適した期間は少ない。そのため、オープンカーを選ぶのはけっこうぜいたくなことでもある。オープンカー を1台だけ保有したのでは使い勝手の面での制約が大きいから、実際には2台目、3台目のクルマとしてしオープンカーを買う人が多い。
BMW4シリーズは、3シリーズ系のプラットホームや基本コンポーネンツを使って作られている。カブリオレは電動開閉式のルーフを設けたモデルで、簡単な操作でルーフを開けて爽快なオープンエアモータリングを楽しめる。
220㎏も車重が増えても、ほぼ50:50の重量配分は、さすがBMW
搭載エンジンは、直列6気筒3.0Lの直噴ターボ仕様。BMWの多くの車種に搭載されているエンジンだ。4シリーズのクーペには、直列4気筒エンジンを搭載する420iクーペや428iクーペの設定があるが、カブリオレは6気筒エンジンの435iカブリオレだけの設定だ。オープンモデルのプレミアム性を考えてのことだろう。
動力性能は225kW/400N・mで、余裕の実力といえるが、カブリオレのボディはクーペに比べると実に220kgも重くて1840kgの重量がある。クーペに比べたら走りの軽快さで劣る面があるのは止むを得ないだろう。
ちなみに、車検証を見ると、車両重量の前後配分は900kg/940kgになっていた。ボディの後部を中心に200kgも重くなったというのに、ほとんど均等に近い重量配分が維持されている。さすがはBMWと思わざるを得ない。
余裕あふれるパワーをもつ4シリーズカブリオレ。1千万円弱の価格も含め、お金に余裕のある人のクルマであることは確実!
重量が重くなった分だけ435iカブリオレの走りに不満があるかというと、そんなことはない。ラグジュアリーな高級カブリオレにふさわしい走りを見せる。箱根ターンバイクの急な登り坂でも、走りは余裕十分といった感じである。
動力性能以上に、魅力的なのは足回りだ。ワイドなトレッドや前輪がストラット式、後輪が5リンク式のサスペンションがとても高い操縦安定性を示す。ワインディングでもロールを抑えて気持ちよく駆け抜けていく感じが良い。
ルーフの開閉は、センターコンソールに設けられたボタンを押すだけでいい。開閉とも20秒台で、特に早いというほどではないが、遅くてイライラさせられるほどでもない。低速であれば走行中でも開閉できるが、緊急時以外は走行中の開閉はしないほうが良い。
BMW4シリーズを評価するうえで、問題なのは価格だ。試乗した435iカブリオレMスポーツの価格は889万円に達する。スタンダードでも800万円を超えているから、どうせ4シリーズカブリオレを買うならMスポーツを選んだら良いだろう。試乗車にはこれに加えてさまざまなオプションが装着され、ざっと1000万円の仕様になっていた。やはり、お金に余裕のあるクルマ好きのユーザーが2〜3台目の所有車として選ぶクルマである。
BMW4シリーズ カブリオレ価格、燃費、スペックなど
■BMW4シリーズ カブリオレ価格
・435i カブリオレ 8,500,000円
・435i カブリオレ Luxury 8,710,000円
・435i カブリオレ M Sport 8,890,000円
代表グレード | BMW428iクーペMスポーツ |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 4670×1825×1385mm |
ホイールベース[mm] | 2810mm |
トレッド前/後[mm] | 1,545/1,575mm |
車両重量[kg] | 1,840㎏ |
総排気量[cc] | 2979cc |
エンジン最高出力[ps(kw)/rpm] | 306(225)/5,800rpm |
エンジン最大トルク[N・m/rpm] | 400/1,200-5,000rpm |
ミッション | 8速AT |
タイヤサイズ | F:225/40R19 R:255/35R19 |
JC08モード燃費 | 12.5㎞/L |
定員[人] | 4人 |
税込価格[円] | 8,890,000円 |
発売日 | 2014/2/17 |
レポート | 松下 宏 |
写真 | 編集部 |
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