ホンダ から軽自動車 のNシリーズに第5弾モデルとなる N-BOXSLASH（エヌボックス スラッシュ） が発売された。ベースのN-BOX は、スーパーハイト系 と呼ばれる背の高い車両レイアウトを特徴として、良く売れている。なのに、その高いルーフを100mmも切って全高を低くしてしまうというのだから、普通ではない発想だ。ホンダじゃないとできないクルマといえるかもしれない。

クルマの屋根を切り低くするチョップドという手法は、古くからアメリカで流行しているカスタマイズ手法。20世紀の前半からある手法で、珍しくもなんともない。最近の日本ではあまりみかけることがなかったので、年配のユーザーには懐かしく感じられ、同時に若いユーザーからは新鮮なデザインとして受け止められているようだ。

N-BOXスラッシュは、チョップドルーフにしただけでなく、内外装のデザインテイストからカラーリングなど、さまざまな部分に遊び心がいっぱいに表現されている。オーディオなども含めて、クルマを楽しみたい人向けのクルマである。

そんなクルマだから、N-BOXスラッシュに乗る前は、ファッション性を重視しただけで走ってどうのというクルマではないだろうと軽く考えていた。ホンダの広報部が代官山あたりを試乗会のベースにしていることなどからも、走りに関してはあまり意識してはいないのだなという先入観を持っていた。

ところが、N-BOXスラッシュを実際に走らせてみると、これがものすごく良くできたクルマだった。軽自動車とは思えないレベルの仕上がりで、並のクルマとは違うと感じさせられたのだ。

　何といっても、N-BOXスラッシュは静粛性がすごい。これは完全に軽自動車の水準を超えるものだ。静粛性については、走らせる前から分かる。サウンドマッピング装着車は、デッドニングという音響対策が施されているので、外部からの音が入らない工夫やドアの共振などが抑えられているのだ。

そのため、クルマに乗り込んでドアを閉めた瞬間に、車外の騒音が遮断される。これは、正に高級車に乗ったときに感じるものだ。当然ながら、この静かさは走行中にも維持される。エンジン騒音はほとんど室内に入ってこない。ロードノイズは多少は入ってくるが、それでも軽自動車とは思えない静かさだ。とても気持ち良く運転できる。

エンジンの動力性能などは、ほかのNシリーズの各モデルと変わらない。細かな改良を受けているものの、基本はこれまでＮシリーズに搭載されているのと同じエンジンとCVTを搭載している。ただ、とても静かでスムーズに走るので、これまでのNシリーズの各モデルよりも良く走るようになったかのような錯覚を受ける。

■ホンダNボックススラッシュ価格
・G FF 1,380,000円　4WD 1,500,000円
・G・Aパッケージ FF 1,460,000円　4WD 1,580,000円
・G・ターボAパッケージ FF 1,590,000円　4WD 1,710,000円
・X FF 1,650,000円　4WD 1,770,000円
・X・ターボパッケージ FF 1,760,000円　4WD 1,880,000円

代表グレード	ホンダ N-BOX Xグレード
ボディサイズ［mm］（全長×全幅×全高）	3395×1475×1670mm
車両重量［kg］	930kg
総排気量［cc］	658cc
エンジン最高出力［ps(kw)/rpm］	58ps(43kw)/7300rpm
エンジン最大トルク［kg-m(N・m)/rpm］	6.6kg-m(65N・m)/4700rpm
ミッション	CVT
JC08モード燃費［km/l］	25.8km/l
定員［人］	4人
税込価格［円］	1,650,000円
発売日	2014/12/22
レポート	松下 宏
写真	ホンダ