日産デイズ(DAYZ)/デイズ ハイウェイスター新車情報・購入ガイド スタイル優先? それとも安全? 際立つスタイルと安全装備の物足りなさ
日産デイズ(DAYZ)/デイズ ハイウェイスター新車情報・購入ガイドの目次
「日産の軽自動車」として、気合が入った!
新型日産デイズが、好調な売れ行きを示している。
日産の軽自動車は、これまでスズキや三菱が作ったクルマのエンブレムだけをを取り替えて日産車に仕立てるというOEM方式で作られていたが、今回のデイズから一歩進んだ形が採用されている。
日産デイズ(三菱ekワゴン)は、日産と三菱の合弁会社であるNMKVで商品企画を立て、デザインは日産と三菱がそれぞれのデザイナーが作業を進め、開発の実務は基本的に三菱が担当し、生産は三菱の水島工場という形になった。従来に比べ、企画段階から日産が関係する形になった点が一歩進んだ部分だ。
それだけに日産も、また全国の販売会社も“日産の軽自動車”としての気合が一段と入っていて、販売にも力が入っているようだ。
軽ナンバー1ともいえるスタイリッシュなスタイル
日産デイズの特徴は、存在感のあるデザインだ。軽自動車は、規格に合わせていっぱいに作られているため、デザイン的な自由度が低いのだが、その中で頑張ってボディサイドに明確なプレスラインの入った特徴あるデザインが採用されている。
また、デイズ ハイウェイスターにはメッキの大きなフロントグリルやエアロパーツなどが採用されていて、明確な個性を表現している。デイズは取り敢えず自然吸気エンジンの搭載車だけが発売され、ターボ車の発売は8月以降になるが、それでもハイウェイスターの販売比率が高いのは、スポーティな志向のモデルとして定着しているからだろう。
インテリアは、ピアノ調ブラックを採用したタッチパネルオーディオが印象的。これによって軽自動車の水準を超えた質感が表現されている。
パッケージングは、高めの全高を持つハイト系の軽自動車となる。ワゴンRやムーヴなどを直接的なライバル車とするモデルだ。来年にはタントやスペーシア、N BOXなどのライバル車となるルークスを発売することがすでに表明されている。
シッカリした足回りになる、スタビライザーの装着を希望する
日産デイズの特徴のひとつに、燃費の良さがある。ハイト系の軽自動車では、昨年9月に発売されたワゴンRが28.8km/Lを達成したと思ったら、12月にはムーヴがそれを上回る29.0km/Lを達成してきた。今回さらにそれを上回る29.2km/Lを達成したのがデイズである。
2013年7月には、ワゴンRが改良を受けて燃費を30.0km/Lにまで引き上げてきたから、デイズの天下はわずか1カ月半ほどで終わってしまったのだが、一時的にせよクラストップを確保したのは、一定程度に評価できる。
ただ、実際に走らせた印象はそれほど良いものではなかった。燃費の良い走りを心がけようとすると、交通の流れに乗って行けなくなるからだ。特にインパネ内にエコインジケーターが表示された状態で走らせようとすると、信号待ちからの発進で完全に置いて行かれる感じになる。
そういう傾向なので、日産デイズを運転していると、ついついアクセルを踏み込みがちになるのだが、そうするとインジケーターの色が変わり、燃費があまり良くない状態で走らせることになってしまう。もう少し走り良さを確保しつつ、同時に燃費の良さを発揮できるようにして欲しいと思う。
エコランというほどではないが、燃費を意識しながら首都高を中心に走らせた結果は、22.2km/Lだった。首都高では時速60kmから80kmで走っていたから、この程度の燃費は当然といっても良いだろう。
あまり燃費を意識せずに走らせれば、それなりの元気の良さを示してくれる。36kW/56N・mのパワー&トルクは、軽自動車用エンジンとして平均レベルのものだが、普通に走らせたときの走りに不満はない。副変速機付きのCVTがエンジン回転のおいしいところを使ってうまく走ってくれるからだ。
乗り心地については、かなり柔らかめの印象だ。最近では軽自動車でもフロントスタビライザーを装着するクルマが増えているが、デイズの標準車には、スタビライザーが装着されていない。コーナーでのロールが大きめに出るなど、もう少ししっかりした感じの足回りのほうが良いように思った。
物足りない安全性能
日産デイズには、標準車のほかにハイウェイスターGにも試乗した。ターボ車は8月に発売されるので、自然吸気エンジンを搭載したモデルだったが、ハイウェイスターGはタイヤがターボ車と同じ15インチを履いている。
スタビライザーは装備されていないので、柔らかめの乗り心地はほとんど変わらないが、15インチになった分だけややしっかりした感じがあった。それ以上に最小回転半径が大きくなって小回りが効かなくなったのが気になった。このあたりは微妙なところである。
日産デイズで物足りないのは、安全装備だ。SRSエアバッグやEBD付きABSなど、一般的な安全装備は当然用意されているが、そこから一歩進んだ装備となると全くもって物足りない。ムーヴやワゴンRに採用された追突軽減ブレーキは全く採用されていないし、横滑り防止装置も8月に発売されるハイウェイスターのターボ車の2WD車だけに標準というごく限られた設定でしかない。
日産は昨年、ノートやラティオでぎりぎりのタイミングで横滑り防止装置を全車標準にせずに売り出しているが、あまりにも安全装備に対して後ろ向きだ。こうした姿勢では企業イメージを悪くするだけだと思う。安全装備は、法規に先駆けで積極的に採用していくくらいでないとイメージは上がらない。
もうひとつ注文をつけたのいは、価格設定だ。今回デイズ/ekワゴンの開発にあたっては、日産と三菱の取引先を合わせて調達先を選んだというが、それによってコストが安くなった分が価格に反映されていない。普通の軽自動車と同じようなというか、むしろ高いくらいの価格設定でしかない。安く調達できた分をユーザーに還元するという姿勢を示したほうが、さらに売れ行きが良くなると思う。
日産デイズ(DAYZ)・デイズ(DAYZ)ハイウェイスター価格&スペック等
■日産デイズ(DAYZ)・デイズ(DAYZ)ハイウェイスター価格
2WD
J 1,067,850円
S 1,120,350円
X 1,220,100円
ハイウェイスターJ 1,220,100円
ハイウェイスターX 1,310,400円
ハイウェイスターG 1,379,700円
ハイウェイスターGターボ 1,379,700円
4WD
S 1,237,950円
X 1,337,700円
ハイウェイスター X 1,428,000円
ハイウェイスター G 1,497,300円
ハイウェイスターGターボ 1,567,650円
代表グレード | 日産デイズ(DAYZ)X |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 3,395×1,475×1,620mm |
ホイールベース[mm] | 2,430mm |
トレッド前/後[mm] | 1,300/1,290mm |
車両重量[kg] | 830kg |
総排気量[cc] | 659cc |
エンジン最高出力[ps(kw)/rpm] | 49〔36〕/6,500rpm |
エンジン最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] | 56〔5.7〕/5,500rpm |
ミッション | CVT |
タイヤサイズ | 155/65R14 |
燃費 | JC08モード 29.2km/L |
定員[人] | 4人 |
税込価格[円] | 1,220,100 |
燃料 | レギュラーガソリン |
レポート | 松下 宏 |
写真 | 編集部 |
スーパーハイト系日産デイズルークス デビュー!
日産は、三菱との軽自動車合弁会社であるNMKVが開発した第2弾となる、新型日産デイズ ルークス(DAYZ ROOX)の発売を開始した。
新型日産デイズ ルークス(DAYZ ROOX)は、すでに発売されているデイズをベースに、全高を1,775mmまで伸ばしている。新型日産デイズ ルークス(DAYZ ROOX)は、スーパーハイト系ワゴンなどと呼ばれているクラスで、ライバルにはスズキ スペーシアやダイハツ タント、ホンダN BOXがあり、各社熾烈な販売合戦が繰り広げられている。また、ヒンジ式のドアでなくスライドドアを備えているのも特徴だ。
スーパーハイト系と呼ばれるだけあり、このクラスを選ぶ顧客の多くが広大なスペースを評価し選んでいる。ただし、ほぼすべての軽自動車の場合、全長・全幅は規制いっぱいまで広げられていて、スペースを広げる唯一残されていた部分が全高。つまり、全高の高さで広さをアピールしているのだ。この全高の高さは、各社まちまちで新型デイズ ルークスは1,775mmで、スペーシアが1,735mm、タントが1,750mm、N BOXが1,780mm。全高では、新型デイズ ルークスが2番目となる。N BOXのヒットの要因がこの全高の高さと言われている。
■日産デイズ ルークス(DAYZ ROOX)新車情報・購入ガイド 価格は約124万円から! スタイリッシュなデザインで勝負する日産期待のスーパーハイト系軽自動車。燃費&安全装備など、今後に期待だ!
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