独自のハイブリッドシステム「1モーター2クラッチ方式」を採用
実質的に日産のフラッグシップモデルになるフーガハイブリッド。燃費性能はもちろん最高級車に相応しい走りも身につけている。
日産が資源・環境の時代に対応するため、改めてハイブリッド車の開発に取り組む姿勢を見せてきた。フーガに設定されたハイブリッド車がそれだ。
日産はその昔、ティーノのハイブリッド車を限定販売したことがあったが、過去数年はあまり力を入れず、アメリカではトヨタのハイブリッドシステムを購入してアルティマに搭載していたほどだった。むしろリーフなどの電気自動車に力を入れる姿勢を見せていた。
しかし国内を始め世界でのクルマが売れ行きがエコカーに集中する中で、電気自動車だけでなくハイブリッドにも力を入れる必要に迫られ、改めてハイブリッドを開発した。
フーガに設定されたハイブリッドは、“本物のハイブリッド”を標榜しており、ハイブリッドのメリットを生かして優れた燃費性能を実現するモデルに仕上げられたと評価できる。
また日産は先にプレジデントとシーマの生産を中止したので、このフーガハイブリッドが日産のフラッグシップモデルになる。最高級車にふさわしいメカニズムや性能、豪華な装備などを備えている。
外観の違いはかなり控えめなもので、ベースのフーガとの違いはさほど明確なものではないが、前後のランプやアルミホイールなどにハイブリッド専用の仕様が用意されている。
ハイブリッドシステムは、トヨタ方式ともホンダ方式とも異なる1モーター2クラッチ方式を採用する。V型6気筒の3.5Lエンジンと電気モーターとハイブリッド用トランスミッションの3つを一列に並べ、それぞれの中間にクラッチを設けることで、エンジンとモーターを切り離してモーターだけで走行できる領域を広くしたのが特徴。
V型6気筒の3.5Lエンジンは225kW/350N・mのパワー&トルクを発生し、これに50kW/270N・mの電気モーターが加わる。システムとして発揮できる性能は単純な足し算にはならないが、パワーは300psを大きく超えてV型8気筒4.5L並みで、トルクに関しては6.0Lエンジン並みの実力を持つ。
これによって走行条件によっては発進から時速80kmくらいまでをモーター走行でこなすことができ、また高速走行中でもアクセルを戻せばしばらくはモーター走行になる。テストコースでは時速140kmくらいまでモーター走行が可能だったそうだ。
日産はその昔、ティーノのハイブリッド車を限定販売したことがあったが、過去数年はあまり力を入れず、アメリカではトヨタのハイブリッドシステムを購入してアルティマに搭載していたほどだった。むしろリーフなどの電気自動車に力を入れる姿勢を見せていた。
しかし国内を始め世界でのクルマが売れ行きがエコカーに集中する中で、電気自動車だけでなくハイブリッドにも力を入れる必要に迫られ、改めてハイブリッドを開発した。
フーガに設定されたハイブリッドは、“本物のハイブリッド”を標榜しており、ハイブリッドのメリットを生かして優れた燃費性能を実現するモデルに仕上げられたと評価できる。
また日産は先にプレジデントとシーマの生産を中止したので、このフーガハイブリッドが日産のフラッグシップモデルになる。最高級車にふさわしいメカニズムや性能、豪華な装備などを備えている。
外観の違いはかなり控えめなもので、ベースのフーガとの違いはさほど明確なものではないが、前後のランプやアルミホイールなどにハイブリッド専用の仕様が用意されている。
ハイブリッドシステムは、トヨタ方式ともホンダ方式とも異なる1モーター2クラッチ方式を採用する。V型6気筒の3.5Lエンジンと電気モーターとハイブリッド用トランスミッションの3つを一列に並べ、それぞれの中間にクラッチを設けることで、エンジンとモーターを切り離してモーターだけで走行できる領域を広くしたのが特徴。
V型6気筒の3.5Lエンジンは225kW/350N・mのパワー&トルクを発生し、これに50kW/270N・mの電気モーターが加わる。システムとして発揮できる性能は単純な足し算にはならないが、パワーは300psを大きく超えてV型8気筒4.5L並みで、トルクに関しては6.0Lエンジン並みの実力を持つ。
これによって走行条件によっては発進から時速80kmくらいまでをモーター走行でこなすことができ、また高速走行中でもアクセルを戻せばしばらくはモーター走行になる。テストコースでは時速140kmくらいまでモーター走行が可能だったそうだ。
ボディはガソリンモデルと同じ。スリーサイズも変わらない。最近の日産車らしい躍動感のあるスタイリングだ。
新色となるエターナルスノーホワイトをボディカラーに設定。クロームカラーの18インチアルミホイールも装備。
プロジェクタータイプのバイキセノンヘッドランプは、進行方向に照射角を自動調整するアクティブAFS付き。
リヤコンビランプは高輝度LEDを採用。トランクリッドには専用のエンブレムが装着され、ハイブリッドであることを主張。
高級感にあふれたインテリア。木目パネルは職工の手作業で銀粉を刷り込む特殊加工を施したクオリティの高いもの。
セミアリニン本革の肌触りが心地よい。助手席にはパワーオットマン機構が採用され、快適このうえない移動空間を提供。
長時間のドライブでも疲れの少ないシート形状。リヤセンターにはカップホルダー内蔵の格納式センターアームレストを装備。
センタークラスターにはナビをはじめとした操作系を機能的にレイアウト。スイッチ類は一見煩雑だが迷わずプッシュできる。
バッテリーを収めるためトランクスペースはやや小さめ。それでもゴルフバッグを4個収納できる容積を確保しているという。
幅広いEV走行領域 エンジン稼働時も高い静粛性を確保
非常にスムース、静粛性の高いエンジン。さらにモーターアシストを得て低速域から力強い加速を見せてくれる。
フーガハイブリッドを発進させると、最初は基本的にモーターだけのEVモードで走り出す。音もなく静かで滑らかな発進だ。一般道でエコモードを選んでゆっくり走らせると、時速60kmくらいまでは確実にEV走行が可能。首都高などで条件の良いときには時速70km超の領域までモーターによるEV走行をすることができた。
信号待ちなどで停車したときにはほぼ確実にエンジンが停止するから、フーガハイブリッドでは実に静かなクルマだ。このしんとした静かさはハイブリッド車というか、電気自動車そのもののようにも思えた。
EV走行の領域を拡大するエコモードで走っていると、アクセルの踏みすぎを抑制するエコペダルの機能が働いて、アクセルペダルに反力がかかる。このペダルが重くなる感じにはやや違和感があるが、低燃費運転をサポートしてくれる優れたシステムであると高評価しよう。
EV走行を続けると、当然ながらバッテリーに蓄えられた電気が減ってくる。そうなるとエンジンがかかるのだが、エンジンのオン/オフはほとんどショックがないし、走行中には騒音レベルもほとんど変わらないので、タコメーターの針を見ていないと切り替えが分からないくらいだ。
ちなみに、ハイブリッド車ではタコメーターを装備していない車種が多いが、フーガハイブリッドは運転する楽しさを確保する意味でタコメーター装備している。そしてEV走行に入ると、走行中でもしばしばタコメーターの針がゼロを指すのだ。
エネルギーモニターやタコメーターを見ていると、EV走行とエンジンを回しての走行の切り替えが実に頻繁に行われているのが分かる。バッテリーの電池がなくなっても、エンジン走行になって充電するようになると、見る見るうちにバッテリーに電気が蓄えられていく。
そしてまたEV走行が可能になるのだが、フーガハイブリッドは走行中でも停止中でも、とても良くエンジンが止まる。その間は燃料を使わないのだから、燃費が良くなるのも当然である。
フーガハイブリッドに搭載されたリチウムイオン電池はこの電気の出し入れが得意で、頻繁に大量の電気を出し入れできる。これが優れた燃費性能につながっている。標準車に対して1.5倍に相当する19.0km/Lの燃費は、クラウンやLS600h、GS450h、Sクラスハイブリッドなど、高級車クラスのどのハイブリッド車よりも優れた数値である。
後発のハイブリッド車なので、いろいろな意味で競合車を上回る機能や性能を確保したのがフーガハイブリッドだ。価格はクラウンハイブリッドとほぼ同等の水準に設定されているが、高価なリチウムイオン電池を搭載することなどを考えると、それなりに割安感のある設定と見ることもできる。
信号待ちなどで停車したときにはほぼ確実にエンジンが停止するから、フーガハイブリッドでは実に静かなクルマだ。このしんとした静かさはハイブリッド車というか、電気自動車そのもののようにも思えた。
EV走行の領域を拡大するエコモードで走っていると、アクセルの踏みすぎを抑制するエコペダルの機能が働いて、アクセルペダルに反力がかかる。このペダルが重くなる感じにはやや違和感があるが、低燃費運転をサポートしてくれる優れたシステムであると高評価しよう。
EV走行を続けると、当然ながらバッテリーに蓄えられた電気が減ってくる。そうなるとエンジンがかかるのだが、エンジンのオン/オフはほとんどショックがないし、走行中には騒音レベルもほとんど変わらないので、タコメーターの針を見ていないと切り替えが分からないくらいだ。
ちなみに、ハイブリッド車ではタコメーターを装備していない車種が多いが、フーガハイブリッドは運転する楽しさを確保する意味でタコメーター装備している。そしてEV走行に入ると、走行中でもしばしばタコメーターの針がゼロを指すのだ。
エネルギーモニターやタコメーターを見ていると、EV走行とエンジンを回しての走行の切り替えが実に頻繁に行われているのが分かる。バッテリーの電池がなくなっても、エンジン走行になって充電するようになると、見る見るうちにバッテリーに電気が蓄えられていく。
そしてまたEV走行が可能になるのだが、フーガハイブリッドは走行中でも停止中でも、とても良くエンジンが止まる。その間は燃料を使わないのだから、燃費が良くなるのも当然である。
フーガハイブリッドに搭載されたリチウムイオン電池はこの電気の出し入れが得意で、頻繁に大量の電気を出し入れできる。これが優れた燃費性能につながっている。標準車に対して1.5倍に相当する19.0km/Lの燃費は、クラウンやLS600h、GS450h、Sクラスハイブリッドなど、高級車クラスのどのハイブリッド車よりも優れた数値である。
後発のハイブリッド車なので、いろいろな意味で競合車を上回る機能や性能を確保したのがフーガハイブリッドだ。価格はクラウンハイブリッドとほぼ同等の水準に設定されているが、高価なリチウムイオン電池を搭載することなどを考えると、それなりに割安感のある設定と見ることもできる。
マニュアルモード付きの7速AT。ショックの少ないマナーのいい変速感が心地よい。モーター出力に合わせた変速特性をもつ
見やすいファインビジョンメーター。大径のスピード&タコメーターを備え、各種情報を表示するディスプレイも設置。
18インチアルミ+245/50R18サイズのタイヤ。ブレーキは4輪にベンチレーテッドディスクを奢り頼もしい制動力を発揮。
電力が不足すればエンジンを稼働させ発電を行う(左)。バッテリーに十分な充電ができれば停車時にはアイドリングストップを行い(中央)、低速走行時にはモーターによるEV走行も可能だ(右)。
不快な振動の少ない洗練された乗り心地も魅力のひとつ。フットワークも思いのほか軽快だ。ハイブリッドシステムを搭載したことでガソリン車より100㎏以上重くなったことを感じさせない。
代表グレード | 日産 フーガ ハイブリッド[FR] |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 4945×1845×1500mm |
車両重量[kg] | 1860kg |
総排気量[cc] | 3498cc |
エンジン:最高出力[ps(kw)/rpm] | 306ps(225kW)/6800rpm |
エンジン:最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] | 35.7kg-m(350N・m)/5000rpm |
モーター:最高出力[ps(kw)] | 68ps(50kW) |
モーター:最大トルク[kg-m(N・m)] | 27.5kg-m(270N・m) |
トランスミッション | マニュアルモード付電子制御7速ハイブリッドトランスミッション |
10・15モード燃費[km/L] | 19.0km/L |
定員[人] | 5人 |
消費税込価格[万円] | 577.5万円 |
発売日 | 2010/11/02 |
レポート | 松下 宏 |
写真 | オフィスマッシュルーム |
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(レポート:松下 宏)
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