ボルボV40 T5 R-DESIGN新車試乗評価 より走りの質を磨いたスポーティモデル、V40 T5 R-DESIGN
絶好調のスタートを切ったV40。さらに、最もスポーティなT5 R-DESIGNを投入し、Cセグメントのリーダーを狙う!
2月19日の発売から5週間で、3,100台の受注をした新型ボルボV40。初年度販売目標は5,000台だから、最高のスタートと言って良いだろう。2012年のボルボの新車販売台数は対前年比17.7%増の13,875台、2013年もV40がこの好調を維持出来れば4年連続、日本市場でボルボが躍進するのは間違いない。
プレミアム・スポーツ・コンパクトと謳ったV40が売れているのは、世界トップクラスの安全装備、カッコの良いスタイル、従来型比で約40%向上の燃費16.2km/l、そして輸入車としてはお買い得感が高い269万円からの価格など、売れるキーワードが沢山ある。そして2ヶ月足らずでスポーツ・モデルであるV40 T5 R-DESIGNを投入し、V40の成功を確実のものにしようとしている。
ボルボV40 T5 R-DESIGNはT5の名前から判るように、2リッター5気筒ターボ・エンジンを搭載。R-DESIGNは他のボルボ・モデルに採用されているスポーツ・バリエーションで、V40も同様にスポーティの内外装とスポーツ・サスペンションを採用している。
試乗したモデルは、R-DESIGN専用色のレーベルブルー。鮮やかなブルーはV40のスポーティのエクステリアの魅力を伝えている。フロントグリル、ドアミラー・カバー、ディフューザーにシルクメタルをポイントとして採用し、サイドウインドー・トリム、18インチの専用アルミホイールも装着され、高級感とスポーティな印象を強めている。
インテリアもR-DESIGN専用パーツを採用。フロント・シートバックにR-DESIGNのロゴが刺繍された高級なナッパレザーを使用した専用の本革シート。液晶デジタル・メーターはブルー色。またブルーをアクセントに使用したアルミニウム・パネル、スポーツ・ペダル、カラー・ステッチが配されたステアリング・ホイール、ハンドブレーキ・グリップ、ギヤシフト・ブーツなど、オーナーの満足感を高めている。
パワフルな直5ターボを搭載し、エキサイティングな走りが楽しめる
アイドリング・ストップ機能付きの5気筒エンジンは、最高出力213ps/6,000rpm、最大トルクは2.700〜5,000rpmの広い回転域で30.6kgmを発生。燃費は13.2km/l(JC08モード)と高出力と省エネの両立をさせている。
組み合わせるミッションは、スポーツモード付き6速ギヤトロニック付きオートマチック。1.6リッターでも充分な走りをするV40だが、T5 R-DESIGN の2.0リッター5気筒エンジンは、排気量が大きくなったこともあり低回転からトルクに溢れている。
そして、4気筒エンジンとは明らかに異なる滑らかに回り、マルチシリンダー・エンジンの洗練さを感じる。タコメーターの針が3,000rpmを越えると、ググッと身体がシートに押し付けられ、怖くなる程の加速性能も持っている。公道ではこんなに大パワーを必要としないが、パワーをあまり使わないで、アクセル・ペダルに余裕を感じながら運転することができるのが、T5 R-DESIGNの魅力。
6速ギヤトロニックATはエンジンとのマッチングが良く、Dレンジに入れておけば変速ショックも少なく、ギヤのポジションを意識しないで市街地から高速まで快適に運転が出来る。
走り、燃費、価格、安全性、スタイルと、すべてに隙無しといえるボルボV40 T5 R-DESIGN
専用のスポーツ・サスペンションはスプリング、ダンパー、リヤスタビライザーなどが強化され、乗り心地は硬い。私には硬すぎるが、ターゲットである若いオーナー(40歳前後)には受け入れられる若々しい硬さだ。硬さの代償として、峠道ではロールが少なく、前輪にしっかりとエンジン・パワーを無駄なく伝え、その気になればスポーツ・カーも追い回せるだろう。
これだけの高性能を持ちながら、安全性はトップクラス。前方車両を赤外線レーザーセンサーで監視し、衝突を回避または軽減させる自動ブレーキシステム「シティ・セフティ」を標準装備。ヒューマン・セフティ(歩行者検知機能付衝突回避・軽減フルオートブレーキシステム)、全車速追従機能付アクティブ・クルーズ・コントロールなど10種類の安全機能をセットした「セーフティ・パッケージ」は20万円のオプションと比較的安価に設定してある。更に世界初の「歩行者エアバッグ」もオプションとして選ぶ事も出来る。
新型ボルボV40 T5 R-DESIGNの399万円という価格は、V40シリーズの最廉価のT4の269万円と比較すると高価。しかし、1.6リッター4気筒エンジンから2.0リッター5気筒エンジンに変更し、内外装に専用パーツを採用した内容を考えれば安いかもしれない。ボルボV40 T5 R-DESIGNと同様の装備をした同クラスの輸入車は420万円以上となり、更に現在は20万円の「セーフティ・パッケージ」は無償提供となっていてお買い得感は際立っている。
ボルボのエントリーモデルとして登場したV40 、ボルボ伝統の先進の安全機能を装備し価格も「初輸入車」オーナーにも受け入れやすく、しかも国産車に無いデザインの魅力がある。それでもV40では飽き足らない人や、400万円前後でスポーティ、個性的なクルマが欲しい人にはV40 T5 R-DESIGNは訴求力がある。ボルボが好き、安全なクルマが欲しい、デザインが気に入った人に、特に乗って欲しいクルマである。ただし、18インチホイールを履いたモデルとはいえ、V40と同様に最小回転半径が5.7m。この数値は、日本車ではトヨタ アルファードなどの大型ミニバン並み。道幅の狭い日本では少々使い勝手がよくないかもしれない。
ボルボV40 T5 R-DESIGN価格、燃費、スペック等
V40 T4 ¥2,690,000
V40 T4 SE ¥3,090,000
V40 T5 R-DESIGN ¥3,990,000
代表グレード | ボルボV40 T4 |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 4,370×1,800×1,440mm |
ホイールベース[mm] | 2,645mm |
トレッド前/後[mm] | 1,545/1,535mm |
車両重量[kg] | 1,540kg |
総排気量[cc] | 1,983cc |
エンジン最高出力[ps/rpm] | 213/6,000 |
エンジン最大トルク[N・m/rpm] | 300/2,700-5,000 |
ミッション | 6速DCT |
タイヤサイズ | 225/40R18 |
JC08モード燃費 | 13.2km/L |
定員[人] | 5人 |
税込価格[円] | 3,990,000 円 |
発売日 | 2013/4/23 |
レポート | 丸山和敏 |
写真 | 編集部 |
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