FFになってお買い得!?ボルボXC60 T5 R-DESIGN試乗記
2リッターターボ搭載の新グレードが追加された
ボルボのラインナップの中心に位置するのがXC60。XCの名前が示すようにクロスカントリー系のSUVモデルで、BMWのX3やアウディのQ5と同じクラスに位置する。日本には2009年8月に導入され、シティセーフティと呼ぶ低速域での停止機能まで備えた衝突回避・被害軽減システムを全車に標準装備して注目された。
外観デザインは、なだらかなカーブを描くルーフラインがクーペとSUVを融合させたようなスタイリッシュなイメージを表現する。力強いグリルのデザインはSUVらしいものだし、ボルボならではの特徴的なデザインのテールランプを採用するのも特徴だ。
インテリアはボルボ車に共通するフリーフローティングセンタースタックを左右非対称のデザインにして採用した。よりドライバーオリエンテッドのデザインにしたわけだ。
ボディサイズは全長こそ日本の5ナンバー規格に収まる程度のコンパクトなものだが、全幅は1890mmと相当に大きい。日本では使い勝手に制約を受けることもあるサイズだ。
そんなXC60にT5 SEが追加された。これまでボルボは、T6といえば直列6気筒エンジンにターボを装着した仕様、T5といえば直列5気筒エンジンにターボを装着した仕様を意味するグレード名としてきたが、今回のXC60 T5 SEは5気筒ではなく直列4気筒2リッターターボを搭載する。グレード名の付け方が今回から変更されたようだ。
この直列4気筒2リッターエンジンは、さきにC30やV50などのモデルにパワーシフトと呼ぶデュアルクラッチのトランスミッションと合わせて搭載されたものがベース。今回のXC60ではこのエンジンを直噴仕様に変更した上でインタークーラー付きターボを装着した。
直噴ターボによって環境性能を高める手法は最近のヨーロッパメーカーの多くが採用している方式で、排気量をダウンサイジングして燃費を向上させると同時にターボの装着で動力性能も向上させている。
今回のT5 SEは、駆動方式がFFの2WDになったのもポイント。これによって車両重量が軽くなっただけでなく、車両価格も大幅に引き下げられた。後で詳しく紹介するが、499万円の価格設定は競合車に対して十分な競争力のあるものだと評価したい。
外観デザインは、なだらかなカーブを描くルーフラインがクーペとSUVを融合させたようなスタイリッシュなイメージを表現する。力強いグリルのデザインはSUVらしいものだし、ボルボならではの特徴的なデザインのテールランプを採用するのも特徴だ。
インテリアはボルボ車に共通するフリーフローティングセンタースタックを左右非対称のデザインにして採用した。よりドライバーオリエンテッドのデザインにしたわけだ。
ボディサイズは全長こそ日本の5ナンバー規格に収まる程度のコンパクトなものだが、全幅は1890mmと相当に大きい。日本では使い勝手に制約を受けることもあるサイズだ。
そんなXC60にT5 SEが追加された。これまでボルボは、T6といえば直列6気筒エンジンにターボを装着した仕様、T5といえば直列5気筒エンジンにターボを装着した仕様を意味するグレード名としてきたが、今回のXC60 T5 SEは5気筒ではなく直列4気筒2リッターターボを搭載する。グレード名の付け方が今回から変更されたようだ。
この直列4気筒2リッターエンジンは、さきにC30やV50などのモデルにパワーシフトと呼ぶデュアルクラッチのトランスミッションと合わせて搭載されたものがベース。今回のXC60ではこのエンジンを直噴仕様に変更した上でインタークーラー付きターボを装着した。
直噴ターボによって環境性能を高める手法は最近のヨーロッパメーカーの多くが採用している方式で、排気量をダウンサイジングして燃費を向上させると同時にターボの装着で動力性能も向上させている。
今回のT5 SEは、駆動方式がFFの2WDになったのもポイント。これによって車両重量が軽くなっただけでなく、車両価格も大幅に引き下げられた。後で詳しく紹介するが、499万円の価格設定は競合車に対して十分な競争力のあるものだと評価したい。
今回新たに加わった2リッターターボ搭載の2WD仕様が、このXC60 T5 SEだ。T6との外観上の違いは、グレード名のエンブレムのみ。クーペらしい美しさとSUVらしい力強さを兼ね備えたデザインが印象的。また最近のボルボ車に共通するイメージのリヤコンビランプも特徴的だ。フロントグリルにはシティセーフティのレーダーセンサーを内蔵。衝突の危険を感知するとドライバーに警告を与え、その後なにも操作をしないと自動的にブレーキをかけて被害を防止、または軽減する。
軽快でソフトな乗り味を楽しめる
ラゲッジはとても広く、ゴルフバッグを余裕で4つ積むことができる。リヤシートの背もたれは分割可倒式なので、乗車人数や荷物の量にあわせたアレンジも宇容易だ。
新搭載の2リッター直噴ターボは149kW(203ps)/300N・mのパワー&トルクを発生する。149kWのパワーは馬力表示にすると200psを超える数値であり、ターボの装着によってトルクは3リッターエンジン並みの実力だから、これで十分といった感じの性能だと評価していい。
従来からのT6に比べれば排気量が小さい分だけパワー&トルクの数字は劣るが、T5は駆動方式が2WDになったことで車両重量が100kg以上も軽くなっているから、動力性能に不満を感じることはない。
エンジンの吹き上がりは軽快そのもので、ターボの効き方も段差がなくて滑らかな盛り上がりを感じさせる。ライトプレッシャーターボとは違うが、わずか1750回転の段階で300N・mの最大トルクを発生するから、低速域から力強い走りが得られる。
デュアルクラッチの変速フィールはとても滑らかなもので、コンパクトカーなどに採用される乾式タイプではなくオイルを介する湿式タイプを採用しているので、低速域でのギクシャク感を感じさせることなくスムーズに変速していく。レバーを動かして積極的にマニュアル操作したときのレスポンスにも不満はない。
重量が軽くなった分だけ走りの軽快感が増したのがXC60 T5 SEの特徴で、ワインディングロードなども気持ち良く走らせることができる。ただ、足回りは乗り心地を重視した柔らかめの味付けで、SUVボディでアイポイントが高めな分だけロール感が大きめに感じられた。同様にかなり柔らかめのステアリングフィールと合わせて、もう少ししっかり感があるのが個人的には好みだが、このあたりは乗る人によって受け止め方が違う部分だろう。
従来からのT6に比べれば排気量が小さい分だけパワー&トルクの数字は劣るが、T5は駆動方式が2WDになったことで車両重量が100kg以上も軽くなっているから、動力性能に不満を感じることはない。
エンジンの吹き上がりは軽快そのもので、ターボの効き方も段差がなくて滑らかな盛り上がりを感じさせる。ライトプレッシャーターボとは違うが、わずか1750回転の段階で300N・mの最大トルクを発生するから、低速域から力強い走りが得られる。
デュアルクラッチの変速フィールはとても滑らかなもので、コンパクトカーなどに採用される乾式タイプではなくオイルを介する湿式タイプを採用しているので、低速域でのギクシャク感を感じさせることなくスムーズに変速していく。レバーを動かして積極的にマニュアル操作したときのレスポンスにも不満はない。
重量が軽くなった分だけ走りの軽快感が増したのがXC60 T5 SEの特徴で、ワインディングロードなども気持ち良く走らせることができる。ただ、足回りは乗り心地を重視した柔らかめの味付けで、SUVボディでアイポイントが高めな分だけロール感が大きめに感じられた。同様にかなり柔らかめのステアリングフィールと合わせて、もう少ししっかり感があるのが個人的には好みだが、このあたりは乗る人によって受け止め方が違う部分だろう。
ドライバー中心のインテリアデザインを採用。ボルボ車に共通するフリーフローティングセンタースタックG左右非対称となっているのも特徴だ。本革シートは上質感が高く好感が持てる。また長時間乗っていても疲労感は少ない。
装備と車格を超えるお買い得感のある価格も魅力だ
リーマンショック以降の売れ行き不振に対応し、最近のボルボは意欲的な価格政策をとっている。かつて相当に強気な価格設定をしていた時期もあるが、最近では競合車に比べて明確に割安感のある価格を設定するようになっている。
XC60もT6 SE AWDがデビューしたときに3リッターターボを搭載するSUVで600万円を切る599万円という価格を設定して割安感を感じさせたが、今回のT5 SEも2WDになったことと合わせて499万円という500万円を切る価格を設定している。これは相当に割安な印象だと評価できる。
なぜならXC60 T5 SEにはシティ・セーフティのほか、HDDナビゲーション、フロントパワーシート、キーレスドライブ、アクティブベンディング機能付きデュアル・キセノン・ヘッドライトなどが標準で装備されるからだ。
すでにモデル末期になったBMW X3はもちろんのこと、装備の中身などを比較すると、アウディQ5に対しても相当に割安な価格である。両モデルとも500万円台後半からの価格設定とされているから、明確な価格差がある。このT5 SEの追加によってXC60はさらに良く売れるようになると思う。
なお、XC60 T5 SEを買うときには、アダプティブクルーズコントロールなどをセットにしたオプションのセーフティ・パッケージを20万円で装着すると良い。これも中身を考えるとかなり割安なセットオプションだ。
XC60もT6 SE AWDがデビューしたときに3リッターターボを搭載するSUVで600万円を切る599万円という価格を設定して割安感を感じさせたが、今回のT5 SEも2WDになったことと合わせて499万円という500万円を切る価格を設定している。これは相当に割安な印象だと評価できる。
なぜならXC60 T5 SEにはシティ・セーフティのほか、HDDナビゲーション、フロントパワーシート、キーレスドライブ、アクティブベンディング機能付きデュアル・キセノン・ヘッドライトなどが標準で装備されるからだ。
すでにモデル末期になったBMW X3はもちろんのこと、装備の中身などを比較すると、アウディQ5に対しても相当に割安な価格である。両モデルとも500万円台後半からの価格設定とされているから、明確な価格差がある。このT5 SEの追加によってXC60はさらに良く売れるようになると思う。
なお、XC60 T5 SEを買うときには、アダプティブクルーズコントロールなどをセットにしたオプションのセーフティ・パッケージを20万円で装着すると良い。これも中身を考えるとかなり割安なセットオプションだ。
XC60 T5 SEに搭載されるのは2リッター直4ターボエンジン。駆動方式がFFになり車重が100kg程軽くなったこともあって、動力性能の余裕は十分ある。ミッションは湿式のデュアルクラッチ式で、変速は滑らかで素早い。もちろんマニュアルモードもあるので、スポーティな走りも楽しめる。タイヤは18インチの大径タイプだが、乗り心地はしなやかで快適。車高が高いのでロールは大きめだが、不安感はない。
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(レポート:松下 宏)
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