ビッグセダン好きの筆者が語る、アウディ A8Lの立ち位置とは
クルマとの一体感を味わえるドライバーズシートと最高のくつろぎを堪能出来るリアシートを兼ね備える
快適なリヤシートを降り、今度はハンドルを握ってみる。発進して直ぐに感じるのが、全長が5mを超え全幅は1.95mもあるが、A6を運転しているかのように実サイズよりコンパクトに感じる。旧型よりボディ剛性を25%向上させたのもハンドルを握れば実感し旧型のS8のようにクルマとの一体感がある。
また、電子制御式エアサスペンションは柔らかい乗り心地としっかり感を両立。最高出力372PS を誇る4.2L V8エンジンはどんな速度域でも、右足のアクセルペダルの期待以上に加速する。エンジンは8速ATとの協調も良く、ある時はフォーマルサルーンに相応しく静かに、またある時はスポーツカーの様に力強く鼓動を聞かせる。
ハイパフォーマンス版"S8"の登場にも期待がかかる素性の良さ
ハンドリングは、通常ではアンダーが少なく、4WDを意識する事は無い。前後駆動配分は40:60で後輪に多くの駆動を伝え、必要に応じて前後の配分は変化する。エンジン、トランスミッション、ステアリング、サスペンションのセッティングは、ドライブセレクトによりを統合的に電子制御。通常は「オート」にしておけば市街地から高速道路まで不満が無いが、峠道を「その気」になって運転するなら「ダイナミック」の選択がお勧めだ。腕に覚えのあるドライバーが「ダイナミック」を選択すれば、とたんにクルマが引き締まり、コーナーを攻めたくなる気分に。ドンドン速度を上げていけば、最終的にはアンダーステアが顔を出すが、それは極めて高い速度。それまでは、オンザレール感覚である。「コンフォート」を選択すると、ペースを上げて走った時にドライバーはアンダーステアを感じる。ただし、このクルマはアウディA8Lであり、後席に座るVIPの快適性を重視する仕様だ。その目的を考えれば、文字通りとても快適である。
メルセデス・ベンツSクラスやBMW7シリーズはあまりに保守的過ぎで飽きた、或いは他人とチョット違うクルマが欲しい。普段の仕事中は後席に乗っているが、週末は自分でハンドルを握る。そんな人にはアウディA8がピッタリだろう。また、他のライバル車では4WDが搭載されている事も少ない。アウディA8のクワトロシステムにより、雪や雨などどんな天候でも安心してハンドルを握れるのは大きなアドバンテージだ。悪天候でも安心して移動できるというのは、後席に乗るVIPにとっても、アウディA8を積極的に選択する理由のひとつだろう。
大きく進化したアウディA8。普通に使うならこれで十分すぎるほどなのだが、ビッグセダンでさらにハイパフォーマンスバージョン好きの私としては、NEWアウディS8のデビューが待ち遠しい。
試乗車 | アウディ A8L 4.2FSI quattro(クアトロ)[4WD] |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 5275x1950x1465mm |
車両重量[kg] | 2080kg |
総排気量[cc] | 4163cc |
最高出力[ps(kw)/rpm] | 372ps(273kW)/6800rpm |
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] | 45.4kg-m(445N・m)/3500rpm |
トランスミッション | ティプトロニック 電子制御8速AT |
10・15モード燃費[km/L] | - |
定員[人] | 4人 |
消費税込価格[万円] | 1290.0万円 |
発売日 | 2010/12/15 |
レポート | 丸山 和敏 |
写真 | CORISM編集部 |
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