ワイド&ロー、カッコいいクルマの方程式
オーラを放っているというか、アウディA7スポーツバックの存在感は抜群だ。試乗会場となった横浜マリンタワー前は、トレーラーから一般車、タクシーなど雑多なクルマが入り交わっていたのにかかわらず、すぐにその存在を確認できるほど。クルマが近付くにつれて、その優雅さに圧倒される。目の前に来ると全長4990mm×全幅1910mm×全高1430mmというボディの大きさに思わず「デカっ!」と唸ってしまうが、少し離れてみると流麗な長いルーフラインにうっとりしてしまうと高評価である。
クルマのカッコ良さを表現するときに、ワイド&ローという言葉をよく使う。このアウディA7スポーツバッグは、まさに、そのまんまワイド&ローという言葉がピッタリと当てはまる。とにかく、ペッタペタで幅広だ。余談だが、私の体系も結構なワイド&ロー。クルマは、これがカッコいいが人間のワイド&ローは醜いものだなぁと、A7スポーツバッグに映り込んだ我が身を見ながら悲しくなった。
個人的な話で申し訳ないが、大きなクルマは嫌い。なぜか乗せられている感じが強く、クルマとの一体感をあまり感じないからだ。そんなことを思いながら、A7スポーツバッグに乗り込む。ドアを開けた瞬間「いらっしゃいませ」と、深々と頭を下げる黒服のボーイさんが大きく重い扉を開けてくれる高級クラブ(行ったことはないので想像)のようだ。重厚で精緻。A7スポーツバックのドアを開けると、そんな空間が広がっている。ちょっと凛とした雰囲気は、日本庭園のようで日本人のDNAに響くのだろう。
そんなインテリアデザインは、ラップアラウンドと呼ばれるもの。アーチ型のベルトラインが、ダッシュボード上面で水平にキャビンを囲みドアトリムにつながっている。柔らかなレザーシートの触感と共に、ドライバーを優しく包み込む感じがA7スポーツバックの真骨頂でもある。8インチのMMI(マルチメディアインターフェイス)もセンターコンソール上部の見やすい位置にある。この位置も秀逸で、センターコンソール中央付近にあるより、はるかに見やすい。このモニターは、タッチパネルになっていて、目的地を手書き入力することも可能だというが、実際は普通に検索した方が早かったりするので、微妙な機能になっている。
クルマのカッコ良さを表現するときに、ワイド&ローという言葉をよく使う。このアウディA7スポーツバッグは、まさに、そのまんまワイド&ローという言葉がピッタリと当てはまる。とにかく、ペッタペタで幅広だ。余談だが、私の体系も結構なワイド&ロー。クルマは、これがカッコいいが人間のワイド&ローは醜いものだなぁと、A7スポーツバッグに映り込んだ我が身を見ながら悲しくなった。
個人的な話で申し訳ないが、大きなクルマは嫌い。なぜか乗せられている感じが強く、クルマとの一体感をあまり感じないからだ。そんなことを思いながら、A7スポーツバッグに乗り込む。ドアを開けた瞬間「いらっしゃいませ」と、深々と頭を下げる黒服のボーイさんが大きく重い扉を開けてくれる高級クラブ(行ったことはないので想像)のようだ。重厚で精緻。A7スポーツバックのドアを開けると、そんな空間が広がっている。ちょっと凛とした雰囲気は、日本庭園のようで日本人のDNAに響くのだろう。
そんなインテリアデザインは、ラップアラウンドと呼ばれるもの。アーチ型のベルトラインが、ダッシュボード上面で水平にキャビンを囲みドアトリムにつながっている。柔らかなレザーシートの触感と共に、ドライバーを優しく包み込む感じがA7スポーツバックの真骨頂でもある。8インチのMMI(マルチメディアインターフェイス)もセンターコンソール上部の見やすい位置にある。この位置も秀逸で、センターコンソール中央付近にあるより、はるかに見やすい。このモニターは、タッチパネルになっていて、目的地を手書き入力することも可能だというが、実際は普通に検索した方が早かったりするので、微妙な機能になっている。
18個のLEDを使ったポジショニングライト
包み込まれるようなインテリア。オプションで用意されるナイトビジョンシステムは、メーター内に表示される
フロントシートは18ウェイ調整式
リヤシートは2名乗車。贅沢で優雅な空間
スポーティなエンジン、アイドリングストップは都心部で燃費に貢献
目的地をセットしで走りだす。A7スポーツバックのボディには、20%以上のアルミを使用し、オールスチールのボディに比べ約15%の軽量化が施されている。とはいえ、車重は1900kgもあるので、軽快さに関しては、あまり期待していなかった。ところが、A7スポーツバックは、スルスルと重量を感じさせずスピードを乗せていく。さらに、面白いことに、走り出すとあの大きなボディサイズを感じさせなくなるのだ。実際には、道幅を気にして走ることには変わりはないのだが、クルマがピシっと安定していることと、意外と見切りのいいボディのため、運転はしやすい。
エンジンも頼もしい。3リッタースーパーチャージャー付きで300psを誇り、トルクは440Nmと4.5リッター車並み。遅いわけがない。スーパーチャージャーというと、低速トルク重視というイメージがあるが、このエンジンは意外と高回転がお好き。回せば回すほど気持ち良かったりするし、パワー感も回転数と比例して増す。低燃費型過給器エンジンの多くが低速トルクを重視するあまり高回転はイマイチ苦手だったりするが、このエンジンはなかなかスポーティなフィーリングだった。
当然、スポーティなだけでは生きていけないエコ時代である。A7スポーツバックにも、低燃費技術としてアイドリングストップ機能が搭載されている。この機能は、とくにストップ&ゴーの多い首都圏ドライバーには頼もしい装備。3リッターもの排気量があると、アイドリングさせているだけでも、タップリとガソリンを消費するからだ。長い信号待ちなどでは、燃費計の数字が徐々に減っていくのを経験していると、停車時に燃費計が減らないという現実はとてもうれしいのと同時にエコでもある。ただ、高級車という視点から見ると、エンジンの再始動時の振動と音は、改善の余地がある。神経を集中していないと分からないほど、静かに振動もなくエンジンをかけるプリウスには及んでいない。
エンジンも頼もしい。3リッタースーパーチャージャー付きで300psを誇り、トルクは440Nmと4.5リッター車並み。遅いわけがない。スーパーチャージャーというと、低速トルク重視というイメージがあるが、このエンジンは意外と高回転がお好き。回せば回すほど気持ち良かったりするし、パワー感も回転数と比例して増す。低燃費型過給器エンジンの多くが低速トルクを重視するあまり高回転はイマイチ苦手だったりするが、このエンジンはなかなかスポーティなフィーリングだった。
当然、スポーティなだけでは生きていけないエコ時代である。A7スポーツバックにも、低燃費技術としてアイドリングストップ機能が搭載されている。この機能は、とくにストップ&ゴーの多い首都圏ドライバーには頼もしい装備。3リッターもの排気量があると、アイドリングさせているだけでも、タップリとガソリンを消費するからだ。長い信号待ちなどでは、燃費計の数字が徐々に減っていくのを経験していると、停車時に燃費計が減らないという現実はとてもうれしいのと同時にエコでもある。ただ、高級車という視点から見ると、エンジンの再始動時の振動と音は、改善の余地がある。神経を集中していないと分からないほど、静かに振動もなくエンジンをかけるプリウスには及んでいない。
オルタネーターをコントロールし燃費向上を図るエネルギー回生システムを装備
7速Sトロニックは、走りに応じで最適なシフトタイミングを提供してくれる
8インチのモニターは収納可能
安心安全を支えるクワトロシステム
高速道路に入ると、A7スポーツバックはさらにいきいきとする。ツインクラッチタイプの7速Sトロニックミッションは、なるべく低いエンジン回転数を維持し燃費向上を図るように賢く、そして素早くシフトチェンジ。シフトショックを微塵も感じさせずスムースに加速する。中速域から高速域へスピードを上げていく。しっとりした快適な乗り心地は、ほとんど変化せずスピードだけがグングンと上昇。前後40:60のクワトロシステム(AWD)の恩恵もあり、吸いつくような直線安定性を誇る。このクワトロシステムは、天候や路面状態が悪くなればなるほど力を発揮する。雨や雪などの時には、気を使わざる負えないFR高級車に比べ、はるかに高いスピードレンジで安心して走れる優越感を有している。雪がある地域の人には、間違いなく頼りになる。
試乗時は、薄暗い夕方だったためヘッドライトを点灯させての走行。さらに、個性的なLEDを配したアウディA7スポーツバック独特のフェイスもあり、高速道路で先行車に追いつくと、想像以上に早く道を譲ってもらえたほど、存在感は他を圧倒している。
こう書くと、直線番長感があるのだが、コーナーも結構得意科目。前後40:60という駆動力配分だが、もっとFRに近いハンドリングに感じた。アクセルを開けると、後タイヤから押されている感じがハッキリと伝わる。状況に応じ最大で前輪に70%、後輪に85%のトルクを分配してくれるのだ。また、トルクベクタリング制御を組み込んだ最新世代のクワトロシステムにより、大きなクルマなのによく曲がる上に安心感がある。
どんな環境でも安心して高速移動できるハードに、包み込まれるような安心感がひと際高いアウディA7スポーツバック。燃費をさほど気にせずに、安心と美しいスタイリングを所有する優越感を同時に満たしてくれる優雅な1台だと高く評価しよう。
試乗時は、薄暗い夕方だったためヘッドライトを点灯させての走行。さらに、個性的なLEDを配したアウディA7スポーツバック独特のフェイスもあり、高速道路で先行車に追いつくと、想像以上に早く道を譲ってもらえたほど、存在感は他を圧倒している。
こう書くと、直線番長感があるのだが、コーナーも結構得意科目。前後40:60という駆動力配分だが、もっとFRに近いハンドリングに感じた。アクセルを開けると、後タイヤから押されている感じがハッキリと伝わる。状況に応じ最大で前輪に70%、後輪に85%のトルクを分配してくれるのだ。また、トルクベクタリング制御を組み込んだ最新世代のクワトロシステムにより、大きなクルマなのによく曲がる上に安心感がある。
どんな環境でも安心して高速移動できるハードに、包み込まれるような安心感がひと際高いアウディA7スポーツバック。燃費をさほど気にせずに、安心と美しいスタイリングを所有する優越感を同時に満たしてくれる優雅な1台だと高く評価しよう。
LEDを使ったリヤテールレンズも夜間での個性を演出
6:4の分割可倒式リヤシート。広さはあるが高さがない
255/40R19のアルミホイール。265/35R20のアルミホイールもオプションで用意される
代表グレード | アウディA7スポーツバック |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 4990×1910×1430mm |
車両重量[kg] | 1900kg |
総排気量[cc] | 2994cc |
エンジン最高出力[ps(kw)/rpm] | 300ps(220kw)/5250-6500rpm |
エンジン最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] | 44.9kg-m(440N・m)/2900-4500rpm |
ミッション | 7速Sトロニック |
10・15モード燃費[km/l] | 10.2km/l |
定員[人] | 4人 |
税込価格[万円] | 879.0万円 |
発売日 | 2011/5/17 |
レポート | 大岡智彦 |
写真 | 編集部 |
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