新型マツダ デミオ プロトタイプ試乗比較評価 重厚なディーゼル車、軽快なガソリン車。明確な個性で魅力倍増!? 後はデミオの価格次第?
4mを超えた全長、しかし室内スペースは・・・。こだわったのは、ドライビングポジションだった!
2014年秋に発売が予定されている新型マツダ デミオ のプロトタイプに試乗した。すでに報道されている通り、新型デミオにはガソリンの1.3LスカイアクティブG と1.5Lのクリーンディーゼル スカイアクティブDの2タイプが用意されていた。海外向けにあるという1.5LガソリンのスカイアクティブGは、用意されていなかった。
おおよそのスペックはイメージできていたので、あまり驚かなかったが、それでも意外だったのがボディサイズ。全長3,900mmだった先代デミオから、4代目新型デミオは全長4,060×全幅1,695×全高1,500mmとなり、ついに4mを超えるボディサイズになってしまった。全高も25㎜高くなった。当然、フィット やアクア は4m以下なので、こういったライバルよりやや大きいことになる。ホイールベースも2,490mmから2,570mmへ伸びた延びた。
一般的に、ボディサイズを大きくする理由は、主に室内スペースを拡大したいからだ。しかし、マツダ はちょっと違った。なんと、80mmホイールハウスの張り出しを前方に移動。移動した理由は、今までホイールハウスの張り出しにより、理想ペダル配置ができなかったから。これにより、ペダル類を右へ20mm移動することにより、理想のペダル配置となった。つまり、理想的なドライビングポジションがとれるようになったということだ。
居住性では、フィット が勝っている印象。この80mmは、フィットと争うための居住性拡大に使うのではなく、ドライビングポジションのためとは、なんとも走りにこだわるマツダらしく、割り切りがよい。
静粛性の高い1.5Lディーゼルエンジン
まずは、1.5Lクリーンディーゼルエンジンを搭載した新型デミオに乗る。105ps/4,000rpm&250Nm/1,500-2,500Nmというスペックだ。このエンジンは、1.5L用専用のもので、アテンザ やCX-5 に搭載された2.2Lとは、各部がまったく違うものとなっている。大きなところはでは、圧縮比が14.0から14.8にアップされ、ツインステージターボからシングルターボとなっている。インタークーラーも、空冷式から水冷式へ変更された。
エンジンを始動させると、ガソリン車よりやや大きくブルルンと車体が振動。この瞬間くらいが、ガソリン車との違いで、静粛性は想像以上に高い。走行中も、ほとんどディーゼルエンジンらしいガラガラとした音が耳障りになることはなかった。
ただ、今回試乗したテストコースは、以前アクセラでも使った所。その時に、アクセラも静粛性は、さほど気にならないと思ったのだが、一般道で乗るとなかなか立派に聞こえてきた。新型デミオも一般道で走ってみないとなんとも言えないかもしれない。ガソリン車も同様で、騒音レベルはテストコース内では気になるレベルではなかった。
キレは無いが、余裕があるクリーンディーゼルエンジン。MTはトルクも減らされ、その分、走る楽しさもスポイルされている? 期待されるハイパフォーマンスなスポーツモデルの存在は?
ディーゼル車には、ATと6MTが用意されている。まずはAT車でスタート。停止状態から、ジワっとアクセルを開けると、やはり小排気量のターボ車。右足の操作から、ちょっとした間を感じさせてスタートする。最大トルク250Nmは1,500回転という低回転で発生しているので、ちょっとエンジン回転が上がれば、余裕の走りを披露する。1,130㎏とハイブリッド のアクアより重い車重だが、どのギヤでもアクセルをチョンと踏めばグイグイと加速する。6ATとの相性も良く、CVTとはひと味違うダイレクト感ある走りができる。
そして、新型デミオの6MTに乗る。6MTは50㎏車重が軽いので期待した。ただ、最大トルクは220NmとATに比べると低い数値になっていた。そのためか、6MTはATと比較すると軽いのにモッサリとした印象。ちょっと拍子抜けした。走って楽しいのは、残念ながらAT車だった。
新型デミオに搭載されたクリーンディーゼルエンジンは、期待値が高かった分だけキレがないように感じた。とくにアクセラの2.2Lのように、豪快にトルクが立ち上がり、ガソリン車に近いくらいのエンジンが回るようなフィーリングではない。どちらかというと、実用的なディーゼルエンジンといった雰囲気だ。
だからと言って遅い訳ではなく、トルクは250Nmもある。走っていると、タコメーターの針が上がっていくスピードよりも、スピードメーターの針が上がっていくスピードの方が速いイメージ。
コンパクトカー というと、エンジンをガンガン回して走る印象が強いが、新型デミオのディーゼル車は、そういったイメージはなく、大排気量車のようなゆったりとした余裕のある走りをする。静粛性の高さや、良好な直進安定性もあり、ボディは小さいものの高級車に乗っているようだった。曲がりくねった道で楽しむというよりは、高速クルージングが得意な印象を得た。
そういったフィーリングをエンジニアに伝え「300Nmくらい出せたんじゃないの?」と質問したところ、ニヤニヤしながら「そうですねぇ」とのこと。新型デミオには、他社のコンパクトカーに比べ、スポーツモデルの設定がない。そう考えると、もしかしたら新型デミオにはハイパフォーマンス仕様のディーゼルが用意されているのか、ちょっと期待したいところだ。
新型マツダ デミオSKYACTIV-D 1.5(クリーンディーゼル)スペック
代表グレード | マツダ デミオSKYACTIV-D 1.5 |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 4,060×1,695×1,500mm |
ホイールベース[mm] | 2,570mm |
トレッド前/後[mm] | 1,495/1,480mm |
車両重量[kg] | 1,130kg |
総排気量[cc] | 1,498cc |
エンジン最高出力[kW(PS)/rpm] | 77(105)/4,000rpm |
エンジン最大トルク[N・m/rpm] | 250/1,500-2,500rpm |
ミッション | 6速AT |
タイヤサイズ | 185/60 R16 |
JC08モード燃費 | 未定 |
定員[人] | 5人 |
税込価格[円] | 未定 |
発売日 | 未定 |
レポート | 大岡智彦 |
写真 | 編集部 |
新型マツダ デミオSKYACTIV-G 1.3(ガソリン車)スペック
代表グレード | マツダ デミオSKYACTIV-G 1.3 |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 4,060×1,695×1,500mm |
ホイールベース[mm] | 2,570mm |
トレッド前/後[mm] | 1,495/1,480mm |
車両重量[kg] | 1,030kg |
総排気量[cc] | 1,298cc |
エンジン最高出力[kW(PS)/rpm] | 68(92)/6,000rpm |
エンジン最大トルク[N・m/rpm] | 121/4,000rpm |
ミッション | 6速AT |
タイヤサイズ | 185/65 R15 |
JC08モード燃費 | 未定 |
定員[人] | 5人 |
税込価格[円] | 未定 |
発売日 | 未定 |
レポート | 大岡智彦 |
写真 | 編集部 |
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