スバル インプレッサをベースにしたSUV感覚のモデルとして昨年、新型インプレッサXV(スバルXV)が発売された。

スバルはステーションワゴン由来のSUVとして、かつてフォレスターをラインナップしていた。しかしフォレスターはモデルを重ねるごとに全高を高くして一般的なSUVパッケージのクルマに変わっていった。

このため、今回改めて低全高でSUV感覚を持つモデルとしてインプレッサにXVが設定された。XVはインプレッサからの独立性を高めたSUVモデルとして位置づけられている。

インプレッサとXVの違いは、外観デザインのほか、最低地上高にある。インプレッサの最低地上高が145mmであるのに対し、XVは200mmとされていて、本格的なオフロード系SUVに対してもヒケをとらない悪路走破性を持つ。本気でオフロードに持ち出すことも可能な最低地上高である。

外観デザインは、ホイールアーチのー部分に樹脂製のパーツが採用されてSUV感覚を表現するほか、タイヤも17インチだけになって専用デザインのアルミホイールが採用される。内装のインパネデザインなどは基本的にインプレッサと共通である。

ルーフレールは、全車にオプション設定。ルーフレールがない状態で全高が1550mmなので、装着するとタワーパーキングなどに入れなくなるケースが出てくる。これがちょっと微妙ところだ。

＜スバルXVハイブリッド試乗記＞
■スバルXVハイブリッド新車試乗評価　燃費じゃなくて、走行性能重視というXVハイブリッドの実力を評価する！

　スバルXVは自然吸気の水平対向2.0Lエンジンのみを搭載し、駆動方式もAWD車だけの設定だ。基本メカニズムはインプレッサスポーツと共通であると考えていい。車両重量はやや重くなったものの、走りに影響を与えるほどの違いではではない。

FB20型の水平対向2.0Lエンジンが発生する110kW/196N・mの動力性能は、このクラスの平均的な実力である。

このエンジンによる走りの良さを感じる前に、走り出してすぐに感じたのは硬めの乗り心地だった。XVは前述のように最低地上高を高めに設定している。当然ながら重心高がやや高くなることが操縦安定性に影響を与えるため、硬めの足回りを採用して安定性を確保したのだろう。

そのため、路面の凹凸やマンホールのふた、小さな段差など、路面状況の悪いところを走ったときに、かなり硬めの突き上げが感じられた。この足回りについてはもうひと工夫が欲しいと思われた。

逆に硬めの足回りを採用したことの良さは、最低地上高が高い割にワインディングでのコーナリング性能が確保され、一定以上の操縦安定性を発揮することにある。このあたりのバランスを考えての味付けだったのだろう。乗り心地は硬いがハンドリングには特に不満はなかった。

全車ともAWDながら、スバルXVの車両重量は1400kg以下に抑えられていて、それほど重くない。2.0Lエンジンの動力性能があれば必要十分な走りが得られる。リニアトロニックCVTの変速フィールは一定のダイレクト感のある好ましいものだし、騒音レベルも抑えられていて不満を感じなかった。

スバルXVには3グレードが設定されている。このうち追突軽減ブレーキのアイサイトが設定されるのは最上級グレードの2.0i-Lアイサイトだけだ。スバルは最近、アイサイトによって多くの新規ユーザーを獲得しているのだから、アイサイトの装着を前提にしたバリエーション設定にしたらい良いのにと思う。もちろん買うならアイサイト付きに限る。

＜スバル インプレッサ価格＞
・2.0i　2,194,500円
・2.0i-L　2,362,500円
・2.0i-L EyeSight　2,467,500円