バンコク国際モーターショーレポート いずれ日本へ導入するクルマも? 日本では見られないタイのクルマをピックアップ! [CORISM]
日本では見られない右ハンドル車がいっぱい! いずれ日本に来るクルマも?
今年で36回目だが、バンコクショーは毎年開催されているので、今年で44回目の東京モーターショーはいずれ開催回数でバンコクに抜かれることになる。現在の東京モーターショーは、隔年開催であるからだ。
東南アジアで最大のショーとはいえ、バンコクショーはあくまでもローカルショーで、世界初公開となる“ワールドプレミアム”のクルマが出品されることはほとんどない。トラック系の車種やアジア専用車などがときどき世界初公開となる程度だ。
ただ、バンコクショーには世界中の主要な自動車メーカーが出展していて、日本では見かけない珍しいクルマもいろいろある。あるいはヨーロッパの自動車メーカーが、日本よりも先にバンコクで右ハンドル車を初公開する例は多い。ヨーロッパで発表済みであっても、右ハンドル車についてはワールドプレミアムになる。日本では販売されないクルマや、日本ではまだ発売されていないクルマを中心に今回のバンコクショーを見ると、けっこういろいろなクルマが出品されていた。
外国メーカーも最近は、バンコクモーターショーに力を入れるようになっていて、今回のショーでもダイムラー(メルセデス・ベンツ)やBMWが会場のブースの設営に多額の予算を使うなど、積極的な姿勢を示している。
スズキ シアズ
日本の自動車メーカーの中で、今回のバンコクモーターショーに力を入れていたのはスズキだ。インドや中国で先行発売しているモデルではあるが、ミドルセダンのシアズを強力にアピールしていた。日本ではコンパクトクラスからミドルクラスのセダンの売れ行きが良くないため、スズキもこのクラスにセダンをラインナップしていない。シアズが日本に導入される可能性はなさそうだ。
三菱トライトン
三菱は1t級ピックアップトラックのトライトンの生産をタイに集約し、タイから全世界に供給する仕組みにしている。昨年暮れにフルモデルチェンジを受けたばかりの新型車だ。欧州ではクリーンディーゼルエンジンを搭載したモデルを発表している。
三菱アトラージュ
マツダ2セダン
マツダ2セダンは、デミオをベースにしたコンパクトセダン。低価格の経済的なクルマではなく、やや上級のセダンに位置づけられている。これも現時点で日本への導入予定はない。
いすゞ ミューX
日本では乗用車メーカーであることを止めてしまったいすゞだが、タイではSUV系のモデルを生産・販売している。
日産ナバラ
日産がタイの第二工場で生産しているピックアップトラックのナバラ。新世代の直噴ディーゼルエンジンを搭載する。
ホンダ モビリオ
日本では絶版車になったが、東南アジアではブリオ/アメイズをベースにした3列7人乗り仕様のコンパクトなミニバンがモビリオとして販売されている。
ホンダHR-V
トヨタ アルファード/ヴェルファイア
アルファードはハイブリッド車、ヴェルファイアは2.5Lのガソリンエンジン車が輸入されている。3.5L車はラインナップされていない。
BMW X5 eドライブ(プラグインハイブリッド)/ミニ クラブマン
メルセデス・ベンツGTS GLE Vクラス
タイラング
■バンコクモーターショー事務局、ジャトロン・コモリミス事務局長インタビュー
「年々盛況を重ねている。今年は特に欧米のメーカーがモーターショーに力を入れ、会場の設営から出展車両に至るまで、いろいろな新趣向を取り入れるなど、これまでにない取り組みを見せている。これはバンコクショーが国際的に評価されてきたことの証明だと考えている」
---東南アジアのモーターショーにも影響をあたえているようです。
「アジア各国のモーターショー主催者がバンコクを参考にしているようだ。カンボジアから協力の要請があり、われわれも直接協力している。今回のショーにもカンボジアからディーラー関係者が見学にきている。またインドネシアでも同様の動きが出ている」
---タイの自動車市場は政治の混乱の影響が尾を引いているほか、ファーストタイマー・インセンティブの後遺症などもあって、回復が遅れているように見受けられます。
「確かに一時に比べると数字的には落ちている。ただ、タイではまだ自動車が一部の高所得層を中心に売れている状態で、こうした層に向けた高級車・高額車は影響を受けていない。エントリーユーザーの需要が戻るにはもう少し時間が必要だろう」
---軍事クーデターから民政への移行が遅れている印象ですが、政治的な影響はまだ残っていますか。
「政治的には落ち着いていて、特に自動車業界への影響は出ていない。ただ、自動車税制について増税の動きがあり、それに対応した駆け込み需要が発生する可能性があると見ている」
---そのような状況の中で今年のバンコクショーではどれくらいの販売を見込んでおられますか。
「昨年は3万7000台を販売した。今年もこれを超える販売を見込んでいる。台数だけでなく中身も重要だが、VIPデーの初日だけで、ロールスロイスが3台、アストンマーチンが2台、メルセデス・ベンツやBMWはそれぞれ50台以上を受注している。順調な滑り出しと見ている。メルセデス・ベンツだけでショーの期間中に3000台以上を販売する見込みだ」
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