日産、「GT-R認定中古車」フラッグシップ店開設で、ブランド力強化に乗り出す [CORISM]

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【生活・文化】2011/01/29

日産 GT-R認定中古車のフラッグシップ店「カーミナル東京」

日産GT-R 認定中古車のフラッグシップ店が誕生した理由

[日産 GT-R認定中古車のフラッグシップ店「カーミナル東京」にて]
 日産は、12月より「カーミナル東京」と呼ばれる中古車販売店を日産GT-R認定中古車のフラッグシップ店としてオープンし、イベントやWebでGT-Rに関する情報を発信していく。

 日産GT-Rは、2007年12月に発売され、約3年が経過した。3年というと、初回の車検期になると同時に、それに伴いGT-Rを買い替えるユーザーが多くなる。つまり、中古車が増加する傾向にある。新車GT-Rオーナーの選択肢は、売却、継続して乗るか、モデルチェンジした11年モデルに乗り換えか、他のクルマに乗り換えるか、4つにひとつだ。日産にしてみれば、11年モデルに乗り換えてもらうことが理想。
 しかし、残念なことにGT-Rは、中古車マーケットであまり高評価を得ていない傾向にある。いわゆるリセールバリューと呼ばれる3年後の価値が50〜60%程度と一般のクルマとさほど変わらないのだ。スーパーカーと自らを呼ぶほど、マーケットは評価していないということになる。
 そこで、生み出されたのが、このGT-R認定中古車のフラッグシップ店。よりよいコンディションのGT-Rを認定中古車とすることで、買い取り価格や販売価格をアップさせ、中古車の流通価格を上げブランドを高めようとする狙いがある。厳しい基準を乗り越えたクルマのオーナーは、買い取り価格も高いので新しい新車のGT-Rにも乗り換えやすくなる。また、多少価格が上がっても高品質の認定中古車なら安心して乗れるという中古車層にもメリットは大きい。さらに、全国の高品質なGT-Rを集めることによって、選ぶ楽しさも増す。そういう意味で、大切に乗られてきた新車GT-Rユーザーで、再び新車のGT-Rを購入するオーナーにとってメリットは絶大。こういった高品質な中古車を売るフラッグシップ店の存在は、GT-Rのブランドを上げリセールバリューを高くすることも目的のひとつでもある。

ハイパフォーマンスカーの認定中古車が生まれるまで

NISSAN GT-R開発責任者 水野 和敏 氏

NISSAN GT-R開発責任者 水野 和敏 氏

 さて、認定中古車となるための査定は、とても厳しい。1名のGT-Rを熟知した検査員が、コンピューターを駆使したり、アンダーカバーやホイールを外したりなどなど、1台当り1時間以上かけて入念にチェックする。通常のクルマなら15分くらいで終る査定だけに、そのこだわりが分かると思う。もちろん、日産が認めていないアフターパーツの装着は、当然減点の対象。純正パーツに戻せればいいという単純な検査ではなく、GT-Rのもつパフォーマンスをしっかりと発揮できるかどうかを中心に徹底的にチェックされる。ここまでシッカリと検査されて、商品化される認定中古車はボクが知っている限りでGT-Rだけだ。多少高価でも、認定中古車を買う理由になる。個人的には、さらに前オーナーの整備履歴や使い方が知りたいと思った。今後付き合うGT-Rの素性を理解できれば、より心配無く認定中古車を選ぶことができるはずだ。まぁ、人でいうならば履歴書みたいなものだろうか。
 ただし、こういった徹底した認定中古車は、逆にリセールバリューを下げる引き金にもなる。当たり前だが、中古車は安くてよいモノであるのが前提条件だ。認定中古車となったクルマはよいが、認定中古車にならないクルマは格安で販売されることになる。例えば、認定中古車とならなかった車両を査定する買取り店は、再販できないかも知れないというリスクを最小限にしたいので、低めの価格を提示しなくてはならなくなる。当然のことながら、オーナーも乗り換えるための資金が目減りする。絶対的な流通量が少ないことと、高価な価格帯のため、そういったリスクは表裏一体だ。
 まぁ、認定中古車とならなかったGT-Rとはいえ、卓越したパフォーマンスを持つクルマであるには間違えない。〇か×かという認定中古車ではなく、5段階くらいに評価を分けるなどという、マーケットを無視しない設定があってもよかったのではないだろうか。
今のところGT-Rは3年落ち前後という高年式だけだが、5年、7年落ちとなったGT-Rがどれだけ身近な価格になってくるかというのも中古車層には興味のあるところ。買い得感が出てきて人気が上がれば、高年式も自然と値が上がるというのが中古車マーケット。超ハイパフォーマンスカーGT-Rが気軽に買えるようになるには、まだまだ時間がかかりそうだ。
[日産 GT-R認定中古車のフラッグシップ店「カーミナル東京」にて]
日産 GT-R 認定中古車 日産ハイパフォーマンスセンター(NHPC) スタッフ[日産 GT-R認定中古車のフラッグシップ店「カーミナル東京」にて]
日産 GT-R 認定中古車の数々[日産 GT-R認定中古車のフラッグシップ店「カーミナル東京」にて]

「日産 GT-R 認定中古車」は、日産が設定した基準をもとに日産ハイパフォーマンスセンター(NHPC)で車両のチェックと整備、部品交換を実施し、新車とほぼ同等の性能、品質を維持した良質な車両。従来の認定中古車は、初年度登録から3年以内で走行距離が20,000km/年以内の車両を基準としていたが、その後の耐久試験や市場での車両の使われ方なども調査し、高性能が維持されていることを確認出来たことから、初年度登録から5年以内でかつ累計走行距離100,000km以内の車両へと認定基準が緩められた。
この新たな「日産 GT-R 認定中古車」の販売は、全国の日産ハイパフォーマンスセンター(NHPC)または、日産の各販売会社ごとに1店舗ずつ選定された「日産U-CARS」で販売される。

日産 GT-R 認定中古車 画像[日産 GT-R 認定中古車のフラッグシップ店「カーミナル東京」にて]

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(レポート:大岡 智彦

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