EV(電気自動車)にまつわる「嘘」と真実[国沢光宏 コラム]

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【生活・文化】2010/12/23

 

『電気自動車の充電は安い深夜電力で』は「嘘」だった・・・ 不覚にも「日産 リーフ」を注文して初めて気付いた事実

国沢 光宏サンが発注したのはこの白い「リーフ」

国沢 光宏サンが発注したのはこの白い「リーフ」
 日産リーフを注文したら、電気自動車を取り巻く環境の未熟さに驚いている。例えば電気自動車推進派がウワゴトのようにつぶやく「深夜電力を使えばガソリン車より圧倒的に安い」はウソでした。深夜電力は湯沸かし器のように常時コンセントを差して使うモノだけを対象としているという。
つまり深夜電力など使えないのだ。夜間の電気料金が安くなる『お得なナイト8』(東京電力)のようなプランもあるけれど、オール電化住宅じゃない家庭だと夜間以外の電気料金は20%以上高くなってしまう。月に千kmくらいの走行距離だと、標準的な契約の方が総合的に評価すればお得。
家庭に充電用の200Vを設置するための工事も、ディーラーの言いなりになってしまえば超割高。リーフを注文すると「200Vは入っていますか?」と聞かれ「無い」と答えたら『なおしや又兵衛』という業者のパンフレットを渡される。見ると「工事料金9万9千円より」と書いてあった。その下に小さな小さな小さな文字で「税込10万3950円」。自動車のカタログにこんな記載をしたら、絶対叩かれると思う。自動車メーカーが紹介する業者として怪しすぎる。第一、10万3950円という金額が妥当かどうかも不明。そこで電気工事の専門家に聞いてみた。

リーフ純正(?)の自宅電気工事代は高いぞ

急速充電中の日産 リーフ

 すると「標準的には7万円くらいだと思います。このパンフレットを見ると、まず日産ディーラーが受注の窓口になっているので当然ながらマージンを取るでしょう。さらになおしや又兵衛も受注窓口です。マージンを取って個々の業者に工事を依頼することになっているのだと考えられます」。
すなわちディーラーでマージンを取られ、元請けでマージンを取られるため、実際に工事する業者に渡る金額としては上を見て7万円程度だという。工事自体はどこの電器屋さんでも出来るレベルなので、あえて高い金額を払う必要など無いとのこと。しかも工事金額の増額項目を見て驚く。
私の家は発泡コンクリートパネルなので、穴を開けなければならない。なおしや又兵衛だと1カ所につき1万1千円以上(税の表記がない。おそらく掟破りの外税表示かと)。したがって総額11万5500円ということになります。電器屋さんに直接頼んだらどうなるか見積もりをとってみた。

結果、漏電遮断機や東京電力への申請費用1万5千円も含んで7万1608円。4万4千円近く安くなったから素晴らしい。穴あけの件を聞いてみたら「穴一個で1万1千円も取るなんて信じられないです。というか、穴開けは普通に行う作業ですから。そんな美味しい商売をしてみたいですね〜」。
電気自動車を取り巻く環境は、決してユーザーにやさしいと言えない。今までジャーナリズムが無かったため、業者の言いなりになっていたんだと思う。リーフを購入したら、こういった点をキッチリと紹介しようと思う。もちろんお金を払うのが好きな方は、言われるママにどうぞ。

日産 リーフ[欧州仕様車] 走行シーン 画像

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(レポート:国沢 光宏

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