ダイハツ ムーヴ/ムーヴ カスタム新車情報・購入ガイド 6代目新型ムーヴは、燃費性能に磨きをかけ31.0㎞/Lを達成! さらに、より高級感で差別化する新グレード、ハイパーを追加! [CORISM]
永遠のライバル、ワゴンRとの死闘を繰り広げたからこそ得た高い低燃費性能とクオリティ
ダイハツ ムーヴは1995年にデビュー。1993年に登場したスズキ ワゴンR が、ハイト系 ワゴン という現在でも軽自動車の主流となるカテゴリーを生み出し大ヒットする。その流れを受けて登場したのがムーヴだ。その後のムーヴも、ワゴンRの後を追い大ヒット。ダイハツの基幹モデルとなると同時に、ワゴンRの永遠のライバルという関係にもなった。
そして、先代となる5代目ダイハツ ムーヴは、2012年12月にビッグマイナーチェンジを敢行。2012年9月にモデルチェンジしたワゴンRのクラストップの燃費28.8㎞/Lを上回り、29.0㎞/Lを達成しクラストップへ。さらに、今では当たり前となった低速域での赤外線を使った自動ブレーキ(スマートアシスト)を初めて装備した。2013年7月には、ワゴンRが燃費を30.0㎞/Lへ向上し、クラスナンバー1の燃費となる。さらに、スズキはダイハツとの差を広げるために、ISG(モーター機能付発電機)を搭載したSエネチャージ車を投入。こうした簡易型のハイブリッド システムにより、燃費は32.4㎞/Lへと大幅に向上し、現在もクラスナンバー1となっている。
こうしたワゴンRのライバル関係は、ある意味クルマを大きく進化させていく。ここ数年で、ハイトワゴンクラスは、より安く、より安全で低燃費、品質も高い軽自動車と急速に実力を高めていく。この傾向は、我々顧客にとってもありがたいことだ。
簡易型ハイブリッドであるワゴンR S-エネチャージの燃費こそは超えられなかったものの、他のグレードではワゴンRを超えた31.0㎞/Lという低燃費性能
ダイハツは、軽自動車は低価格であることが重要とし、簡易型ハイブリッドとはいえ、リチウムイオン電池やモーターというコストが上昇することをしてまで、燃費を上げようとしないという考え方だ。まぁ、こうした考え方は、ダイハツの都合によるものが大きいので、あまり鵜呑みにしない方がよい。
現在は、ダイハツの考え通りで、ワゴンRのSエネチャージモデルは高価な設定になっている。ただし、その分、低燃費性能とアイドリングストップ時からの再始動時の静粛性は高くスムースで高く評価できるものとなっている。こしたことを踏まえ、企業の都合ではなく顧客は、どちらを選ぶのかということが大切だ。スズキが企業努力でSエネチャージ車のコストを大幅に落とし、ムーヴ以下の価格としたならば、ダイハツも簡易型ハイブリッド車を用意しなくてはならなくなる。それは、競争原理の基本中の基本といえる。
新型ダイハツ ムーヴの燃費向上は、デザイン段階から空力を考慮した設計を行ったことによる。フロントアンダースポイラー、リヤタイヤ前スパッツ、スポイラー一体型バックドアなど、各種空力改善アイテムを搭載し、Cd値は従来比から約10%も低減させている。
さらに、軽量高性能エアコンユニットやスクロールコンプレッサを新開発し、エアコンシステムを一新している。オートエアコン車には、ワゴンRなどと同様な蓄冷エバポレータを搭載。アイドルストップ中の送風時も冷たい風を維持する「スマートクール」を採用。これらにより、アイドリングストップ時間を長くとりながら、快適性を両立し燃費を向上させている。
走りの質にもこだわった「フォースコントロール」
最近のダイハツは、クルマの原点に戻り基本性能の向上に注目している。そして、新型ムーヴには「運転が上手くなった」と感じてもらえるように、新ボディ骨格構造を軸とした外部からクルマにかかる力とクルマから外部へ伝える力をコントロールする「Force Control(フォースコントロール)」に着目。ドライバーの頭部のふらつきを小型車並に低減するなど、ドライバーにかかる疲労を軽減し、快適性と安心感を提供することに成功している。
このフォースコントロールのひとつ目は、軽量高剛性ボディ骨格構造「D monocoque(Dモノコック)」。サイドアウターパネルの全面厚板ハイテン化を行い軽量高剛性ボディ骨格構造とした。骨格全体で力を受け止める構造としている。新型ウェイクでも使われた外板樹脂化なども含め、ボディで20kg軽量化しながら、従来と同等の衝突安全性を確保しえいる。その上で、アンダーボディに最適な補強を行い、高剛性化による基本性能向上を実現した。
二つ目は、足回りの細部まで改良を加えた「D suspension(Dサスペンション)」。リヤサスペンション、ストラットの剛性アップ、ブッシュの特性見直し、コイルスプリング/アブソーバー特性を最適化。ブレーキフィーリングの向上なども含め、新型ムーヴの車両特性に合わせ、細部に至るまで改良。フラットで快適な乗り心地を提供する。
そして、三つ目が軽初のパワーモード切替ステアリングスイッチ「D assist(Dアシスト)」。ステアリングスイッチで、ワンタッチ操作による「パワーモード」への切り替えが可能。エンジン・CVT の制御を変更することにより、アクセル操作に対するレスポンスが良くなり、出足加速時や登坂時にストレスない運転を実現。
パワーモードというと、エンジン出力が上がるイメージがあるが、カタログ値の出力以上が出る訳ではなく、単により高回転域を使ったり、ドライバーが踏んでいる以上のアクセル開度で走るということだ。つまり、状況に合わせアクセルをシッカリと踏めない運転が苦手の顧客向けのお助け機能というもの。運転が上手いユーザーには必要がないものでもある。
普通小型車以上からダウサイジングする顧客が多くなってきたこともあり、最近の軽自動車は静粛性も重量視されている。新型ムーヴそうしたニーズにも対応。ボディに開けられた水抜き穴などの数を低減し、騒音の元となる音響の車内進入経路を約20%削減。また吸音材の配置見直しやステアリング支持剛性の大幅向上により、従来のムーヴに比べノイズや振動を大幅に低減した。
さらに、空力を考慮したデザイン開発を行ったことで、フロントからサイドにかけての段差や、ミラー形状を見直し、風の乱れを抑制し、風切り音を低減した。
新型ムーヴ カスタムに新たな新グレード「ハイパー」が登場!より、高級感をアピール!!
インテリアも高級感がテーマ。ハイパー専用ギャラクシーマーブル調のインパネガーニッシュ&ドアオーナメントパネルを採用。シートはブルーステッチを施した本革+ファブリックシートとし、他のムーヴとは別格の上質感を表現している。
そして、従来からあるムーヴカスタムのエクステリアは、迫力、質感を底上げ。スクエアで伸びやかなシ
ルエットや、ダイナミックなウインドウグラフィック、さらにフロント・サイド・リヤに“X”を用いたデザインとし、カスタムに相応しい迫力と存在感を表現。バックドアは、軽量化のために使った樹脂外板によるデザインの自由度向上を活かし、ベルトラインスポイラーをイメージさせている。
ムーヴカスタムのインテリアは、専用のシルバーヘアライン調インパネガーニッシュと立体ファブリック&ファインタッチシートを新採用。自発光式2眼メーター中央には、軽で初めての搭載となる多機能な TFT
カラーマルチインフォメーションディスプレイを搭載し、先進性と高級感を向上させている。
ノーマルムーヴのエクステリアは、厚みのある造形を採用し、大型のヘッドランプ、グリル、平面ラウンドを強調したバンパー全体で質感を向上。サイドはシャープで流れる造形とし、上質感・安心感を醸成している。
インテリアは、新設定のダークグレー、ホワイト、グレージュの3トーンインテリアが上質さと華やかさを演出。また、ダークグレー×ホワイトのインパネに、ブラックシートや革巻ステアリングを組み合わせた
シックで上質なブラックインテリアパックをメーカーオプションで設定。また表示が大きく見やすいメーターは、全車タコメーターを標準装備としている。
ムーヴ、ムーヴカスタムとも、全体的に力強さをもったデザインとなっているのが特徴だ。
カラーバリエーションは、人気の2トーンカラーを含め、ムーヴ史上最多となる全21色。選ぶ楽しさもアップする仕様となっている。
後方誤発進抑制を加えて価格据え置き! さらに進化したスマートアシストを搭載
据置きとしているのは、低価格をウリとするダイハツらしいところ。
全グレードにスマートアシストを設定。そろそろ全車標準装備化してほしいところだ。また、スマートアシストが装備されていない車種も、横滑り防止装置(VSC)とトラクションコントロール(TRC)は全車標準装備されている。
もはや軽自動車は「低価格」ではない。ひとクラス上の1.3Lクラスが買える価格帯だけに、シッカリと比較評価して選びたい!
予算重視ということなら、ムーヴL“SA” 1,198,800円ということになるが、ちょっと装備が貧弱すぎるので、一般のユーザーはX“SA”1,306,800円をベースに考えるといいだろう。
ムーヴとムーヴカスタムでは、やはりリセールバリューを考えるとムーヴカスタムを選んだほうが無難。ムーヴ カスタムX“SAの価格は1,458,000円。LEDヘッドライトが標準装備と装備も十分だが、さすがに1.3Lクラスのコンパクトカー以上の価格になっているのが悩みどころ。
また、この価格は、ワゴンRスティングレーのXグレードと同等。ワゴンRスティングレーXは、簡易型ハイブリッドのSエネチャージ搭載なので、ジックリと比較検討するといい。どうしても軽自動車! ということでないのであれば、1.3Lのコンパクトカーとも比べてみることをお勧めする。
今回の新型ムーヴに新設定されたハイパーグレードで、カスタムX“ハイパーSA”の価格は1,533,600円。ターボのカスタムRS“ハイパーSA”の価格は1,668,600円。こちらも1.3Lクラスコンパクトカーの上級グレード並み。1.3Lクラスのコンパクトカーと同等の走りをもつターボ車の燃費は、27.4㎞/Lとクラストップとなっているが、安い買い物ではないでジックリと比較検討して選びたいモデルだ。
ダイハツ ムーヴ/ムーヴカスタム価格、燃費、スペックなど
・L 2WD 1,134,000円 4WD 1,258,200円
・L“SA” 2WD 1,198,800円 4WD 1,323,000円
・X 2WD 1,252,800円 4WD 1,377,000円
・X“SA”2WD 1,306,800円 4WD 1,431,000円
・Xターボ2WD 1,317,600円 4WD 1,441,800円
・Xターボ“SA”2WD 1,371,600円 4WD 1,495,800円
・Xカスタム 2WD 1,404,000円 4WD 1,528,200円
・X“SA”カスタム 2WD 1,458,000円 4WD 1,582,200円
・X“ハイパー”カスタム 2WD 1,479,600円 4WD 1,603,800円
・X “ハイパーSA”カスタム 2WD 1,533,600円 4WD 1,657,800円
・RS カスタム 2WD 1,539,000円 4WD 1,663,200円
・RS“SA”カスタム 2WD 1,593,000円 4WD 1,717,200円
・RS“ハイパー”カスタム 2WD 1,614,600円 4WD 1,738,800円
・RS“ハイパーSA” カスタム 2WD 1,668,600円 4WD 1,792,800円
代表グレード | ダイハツ ムーヴカスタムX SA |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 3,395×1,475×1,630mm |
ホイールベース[mm] | 2,455mm |
トレッド前/後[mm] | 1,305/1,295 |
車両重量[kg] | 830kg |
総排気量[cc] | 658cc |
エンジン最高出力[ps(kw)/rpm] | 52PS(38Kw)/6800rpm |
エンジン最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] | 60(6.1/5,200rpm |
ミッション | CVT |
タイヤサイズ | 155/65R14 |
JC08モード燃費 | 31.0km/L |
定員[人] | 4人 |
税込価格[円] | 1,458,000円 |
発売日 | 2014/12/12 |
レポート | 編集部 |
写真 | ダイハツ |
ダイハツ ムーヴ画像集
ダイハツ ムーヴカスタム画像集
長谷川博己、小松菜奈、新型ダイハツ ムーヴCM動画
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