2年に１度開催の、待ちに待った東京モーターショー が東京ビックサイトで開催されました。第44回となる今回のショーのテーマは「きっと、あなたのココロが走り出す。」さあ、ココロが走り出すようなわくわくトキメク車を見つけにさっそく探訪して行きましょう！

最近は、中国で毎年開催されるモーターショーに各社注力している影響もあるのか、東京モーターショーの展示はややおとなし目となっている感じを受けます。そんな中でも頑張っているのが、日本独自の車両規格、軽自動車 のショーモデル。

日産が「Teatro for Dayz（テアトロ・フォー・デイズ）」という、白い内装にさまざまな映像が映し出される未来の軽EV を展示するなど、各社自由な発想で生み出した楽しいショーモデルを出展していましたが、その中でも一番興味をひかれたのはこのクルマ、ダイハツ の「NORIORI（ノリオリ） 」です。

　最初見た時「映画『となりのトトロ』に出てくるネコバスに似てる！」と思ったほどカワイイ外観。近寄って覗いてみると中も広々、ドアも外側にせり出して左右に開くヒンジ型の両開きドアだったので、すっかりコミュニティバスと思い込んで「とうとうバスにも進出するんですか？」とダイハツの人に聞いたところ、「なに言ってるんですか、これは軽自動車ですよ！」とあきれられたほどでした。

「えっ、こんなに大きいのに軽自動車！？」とびっくりすると、「ベビーカーでも車イスでも、ともかく圧倒的に乗り降りしやすい軽自動車を目指して作ってみました！」とのこと。とても大きく見えますが、外寸はちゃんと軽自動車の枠に収まっているそうです。そしてさっそく乗り降りのしやすさの実演をしてくれました。

横開きのリアドアを開けてリモコンのスイッチを押すと、車の後部の床が電動で外にせり出してきて最後は地面上に平らになります。そこに車イスを乗せて固定してしまえば、あとはリモコン操作で自動で床が元通り室内に車イスごと格納されるので、乗る人はもちろん乗せる人も楽チン、狭い室内での固定操作などはいっさい不要。車イスは助手席の位置にも固定できるので、なんと2台も乗せられるそうです。

　さらに圧巻なのは、助手席側のスロープ。こちらもリモコン操作の電動式ですが、ボディの下側に雨戸のように格納されています。使用するときは床下から翼のように伸びてきた後斜めに向きを変えるのですが、そのとき車高も自動的に下がるので（ニールダウン）スロープの角度はとっても緩やか。車内の床の高さは地面から180mmとのことで、物の乗せ降ろしはもちろん人の乗り降りもとってもラクラク。

たとえば、ベビーカーのままスロープを上がり、室内でお子さんをおろしてチャイルドシートに移し替える、といったことも簡単にできそうです。杖をついた方も、補助を必要とせず自分だけで乗り降りすることもできそう。ともかく、この車にはどんな人でもストレス少なく乗り降りできるので、きっとみんな笑顔で出掛けることができるようになるんじゃないかなーと思いました。

そして、そのネコバスに似た癒し系のファニーな外観は、走っていくのを見かけたすべての人をニッコリさせること間違いなし。みんなに笑顔を届ける。高齢化の進んだこれからの日本にピッタリな車として、単なるショーモデルに終わらせることなくぜひ発売してもらいたいと強く思いました。使って便利で、所有して人をハッピーにするこの車のお値段が軽自動車ベースのリーズナブルな価格なら、今まで軽自動車に乗ったことがない人にも強烈にアピールして大ヒットする車になりそうな予感がするのですが。いかがでしょう、ダイハツさん？