シトロエンDS4/DS4クロスバック新車情報・購入ガイド 悲報!? ダブルシェブロンが消えた! 新デザインを採用したDS4がデビュー!
激戦Cセグメントで、よりDSブランドを際立たせる改良
シトロエン は、CセグメントのコンパクトカーDS4 を一部改良し、また新たに全高を高めSUV とのクロスオーバーとしたDS4クロスバック(CROSSBACK)を設定し発売を開始した。
シトロエンDS4は、2011年に日本に導入された。DS4は、Cセグメントと呼ばれるクラスに属するコンパクトカー 。欧州では激戦クラスで多くの強敵がいる。欧州車のライバルは、同じグループのプジョー308 、フォルクスワーゲン ゴルフ 、メルセデス・ベンツAクラス 、アウディA3 、ミニ クラブマン 、ボルボ40 などがある。また、シトロエン のC4 が姉妹車となっている。
DSというブランドは、シトロエンにとって特別なモデル。1955年に登場したDSと呼ばれるモデルの名を冠している。このDSは、宇宙船のようなユニークで高いデザイン性に、その後シトロエンの代名詞ともなる油圧制御のサスペンションであるハイドロニューマチックを搭載していた。そんなDSのDNAを受け継ぎ、先進技術と優れたデザインを融合した特別なモデルが現代のDSブランドとなっている。
DSをリスペクトしたブランドではあるものの、そこは商売上のブランド構築という意味合いも強い。すでに、BMWがミニのブランドを手に入れ再構築し大成功を収めている。ミニは、プレミアムコンパクトと呼ばれ、強力なブランド力と高いパフォーマンスを背景にし高額で売られている。日本では値引きゼロが前提で売られているなど、世界的に見ても非常に高い収益性をもつモデルなのだ。当然、多くの自動車メーカーが、ミニのような収益率の高いマーケットに参入し利益を上げたいと考える。シトロエンDSブランドは、そうしたプレミアムセグメントで優れたデザイン性と先進技術で戦うモデルなのだ。
ダブルシェブロンが消え、NEW DS WINGと呼ばれる新グリルがデビュー! さらに、SUVテイストを強めたDS4クロスバックが新登場!
今回改良された新型シトロエンDS4は、2015年6月に改良型1.6ℓターボエンジンを搭載し165psにパワーアップ。このエンジンに組み合わされたのは、待望の新6速AT。さらに、ストップ&スタート機能がプラスされ燃費を32%も改善し14.9㎞/Lとしている。旧モデルは、シングルクラッチの自動変速機付き6速MTだったため、シフトフィールには独特の空走感もあり、スムースなATやCTに慣れた日本人にはあまりお勧めできるものではなかった。このエンジンとミッションの変更は、より多くの顧客がDS4を楽しむ機会を与えたものとなっている。
前回の改良が主に機能部だったのに対し、今回の改良はデザインと新グレードの追加となった。デザイン変更で注目したいのは、なんといっても新グリルデザインが採用されたことだ。なんと、シトロエンのアイデンティティといえるダブルシェブロンが消えた!
ダブルシェブロンの代りとなったのは、NEW DS WINGとよばれるグリルだ。グリル中央には、ダブルシェブロンの代わりにDSエンブレムが配られた。フロントグリルを縁取るクロームは輪郭がヘッドライトと連なるように左右に広がり独立したブランドとしてのアイデンティティをアピールする。ダブルシェブロンは、シトロエン。DSはシトロエン車とは違うブランドであることをより明確にした。ダブルシェブロンが装備されていた従来モデルだと、姉妹車であるC4との差が小さかったこともあるのだろう。慣れの問題なのだろうが、やはりNEW DS WINGは、今ひとつピンとこない印象が強い。今後このNEW DS WINGがどう進化していくかにも注目だ。
さらに、バイキセノンヘッドライトとLEDポジションランプからなるDS LED VISIONが採用された。このヘッドライトは、機能とデザインを兼ね備えた新しいDS4のアイコン。NEW DS WINGと共に、DS4の新たな顔となる。
そして、今回の改良ではDS4に新たな方向性を提案する新車種DS4クロスバックが加わった。DS4クロスバックは、DS4の全高を30㎜高め1,530㎜とした。最低地上高も20mmアップの170㎜として、ラフロードでの走破性を高めている。この車高は、日本においてはなかなか絶妙。日本の都市部に多い立体駐車場の全高制限は1,550㎜。この数値を超えるとDS4クロスバックが欲しくても、車庫証明が取れないため購入できないということがある。DS4クロスバックも、やはり都市部中心で売れるクルマであることから、立体駐車場でも購入できるということは大きなメリットだ。
新型シトロエンDS4クロスバックの外観デザインは、ルーフモールディングやルーフスポイラーなどを装着しSUV要素を強調。フロントバンパー、17インチブラックホイール、ホイールアーチモールディング、リアエンブレム、フロアマットなどの DS4クロスバック専用パーツが、クロスオーバー車であることをアピールする。また、DS4クロスバックの専用色、オランジュ トルマリンが設定された。
新型DS4の選び方。やや物足りない先進安全装備。クリーンディーゼル車の投入にも期待!
新型シトロエンDS4の選び方。エントリグレードとなるDS4シックの価格2,930,000円。Cセグメントカーとしては、プレミアムブランドということもあり、やや高めの価格設定。DS4シックは、新たなDS4の顔ともいえるDS LEDビジョンの設定が無く、スマートキーシステムも用意されていない。さすがに、これだとあえてプレミアムブランドのクルマを買った意味が無いので、DS4シックDS LEDビジョンパッケージということになるが、価格はグッとアップして3,260,000円で33万円のアップとなる。コンビネーションシート(レザー/ダイナミカ/ファブリック)にアップグレードされるので、満足度も高い。さらに、プレミアム性を重視するのなら、クラブレザーシートがお勧め。ただし、価格は380,000円と安くはないが、インテリアの高級感やオシャレ度は格段にアップする。
そして、DS4クロスバックは1グレードしかない。DS4は元々やや高めの着座位置をもっていた。そのため、30㎜全高が高くなったことで、より見晴らしのよいドライビングポジションになっている。さらに、シート位置がDS4より高くなっていることから、乗り降りがしやすくなっていると思われる。高級感のある内装など、高齢者で上級セダン からのダウンサイザーにもお勧めだ。また、今時SUVが流行り出し、オシャレ度の高いDS4とはいえ、5ドアハッチ では面白くないと考える人にもいい選択になるだろう。
新エンジンに新6速AT、そして新デザインと商品力が大幅に向上した新型シトロエンDS4。しかし、やや物足りないのが歩行者検知式自動ブレーキを含んだ先進安全装備だ。サイド&カーテンエアバッグ、ブラインドスポットモニターシステムなど、基本的な装備は充実しているのだが、さすがに300万円前後のクルマで歩行者検知式自動ブレーキが無いのは微妙。プジョーやルノーも同様だが、フランス車はこうした先進装備の装着が遅れている。EURO NCAPでは、今後こうした先進安全装備が無いと高評価されない傾向が強くなる。このままでは、売れ行きに影響するので近い将来新型DS4にも歩行者検知式自動ブレーキが用意されることになるはずだ。新型DS4の買い時は、歩行者検知式自動ブレーキが装備されてからがお勧めだ。
また、プジョー&シトロエングループもクリーンディーゼル車 の導入を目前に控えている。今、慌ててハイオク仕様で燃料費が高価になるガソリン車を買うというよりも、燃料費が安く燃費も良く、補助金まで出るクリーンディーゼルを待つという選択もありだ。
シトロエンDS4/DS4クロスバック価格
・DS4 Chic 2,930,000円
・DS4 Chic DS LED Vision Package 3,260,000円
・DS4 CROSSBACK 3,380,000円
シトロエンDS4/DS4クロスバック燃費、スペックなど
代表グレード | シトロエンDS4クロスバック |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 4285×1810 ×1530mm |
ホイールベース[mm] | 2610mm |
最低地上高[mm] | 170㎜ |
車両重量[kg] | 1370kg |
総排気量[cc] | 1598cc |
エンジン最高出力[kW(ps)/rpm] | 121(165)/6,000 |
エンジン最大トルク[Nm(kg-m)/rpm] | 240(24.5)/1,400 〜 3,500 |
ミッション | 6速AT |
JC08モード燃費[km/l] | 14.9km/l |
定員[人] | 5人 |
税込価格[円] | 3,380,000円 |
発売日 | 2016/4/1 |
レポート | 編集部 |
写真 | シトロエン |
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