ホンダ ヴェゼル新車情報・購入ガイド ボディまで強化した本格派スポーツSUV「ヴェゼルRS」が追加! さらに一部改良! [CORISM]
■一部グレードを除き歩行者検知式自動ブレーキ機能をもつ「ホンダセンシング」が標準装備され、高い安全性能をもつコンパクトSUVへ進化
ホンダ ヴェゼルは、フィット ハイブリッド をベースとしたコンパクトSUVとして2013年12月に発売された。当時、このクラスのSUVは日産ジューク があり、高い人気を誇っていた。ジュークは、ガソリン車でFFがメインだったのに対して、ヴェゼルは本格的なハイブリッドを搭載し、ガソリンとハイブリッド共に4WD も用意されていることで、ヒットモデルとなる。その結果、2014年、2015年SUV年間販売台数ナンバー1となった。2015年は、約7.1万台を売った。
ヴェゼル ハイブリッドの燃費は、上級グレードのハイブリッドZが23.4㎞/L(FF)、21.6㎞/L(4WD)となっている。1.5Lガソリン車の上級グレードXが20.6㎞/L(FF)、19.0㎞/L(4WD)と、ガソリン車の燃費もなかなか良好で、ハイブリッド車との燃費差が少ないのも特徴だ。
その後、マツダがクリーンディーゼル を搭載したCX-3 を投入。強力なライバルが登場したが、ヴェゼルを脅かすまでに至っていない。CX-3の価格がやや高いということや、荷室の容量、室内空間の広さでヴェゼルが上回っていることなども影響している。
なかなか高い総合力を誇るヴェゼルだが、隙がない訳ではない。とくに、先進安全装備である自動ブレーキ関連の装備が物足りなかった。今までは、30㎞/h以下の低速域自動ブレーキのみが用意されているだけだった。現在、軽自動車 でも歩行者検知式自動ブレーキが登場しているくらいだ。ハイブリッドで上級グレードなら、250万円を超えるようなクルマが低速域だけの自動ブレーキでは、さすがに車格に合っていない。また、日産 が自動ブレーキの標準装備化を進め、安全性をアピールしているだけに、厳しい戦いになっていくことは確実だ。さらに、猛追してくるCX-3に対して差別化できる装備も必要。
こうした状況もあり、今回の一部改良では、ホンダ ヴェゼルに最新の安全装備であるホンダ センシングが装着されるようになった。ホンダセンシングは、ミリ波レーダーと単眼カメラの組み合わせたもの。これにより、歩行者を検知し衝突の危険がある場合、自動ブレーキが作動する。車線維持支援や車線逸脱警報、誤発進抑制、アダプティブクルーズコントロール(ACC)など多彩な機能がある。
ライバルとなるジュークにはACCが無く、CX-3は歩行者検知式自動ブレーキではないなど、各社微妙に機能が異なるのだが、ホンダセンシングはライバルに対してリードできる機能を備える。また、一部グレードを除きサイドエアバッグ&カーテンエアバッグが標準装備化されているのも高評価ポイント。なかなか高い安全装備をもつコンパクトSUVへと進化した。
ただし、ホンダは企業の安全思想として「Safety for Everyone」を掲げ、「事故に遭わない社会」の実現を目指すとしているが、ホンダセンシングが未だ装備されていないモデルやグレードがあるのは、企業の建前と本音が見え隠れする部分。クルマの安全を顧客任せにしないことは、本当の意味で安全思想である「Safety for Everyone」となり社会貢献ともなる。最近では、認知症の患者がクルマで徘徊したり、突然の病気で意識を失い暴走、未だ多いアクセルとブレーキの踏み間違えなどによる死亡事故は多い。こうした死亡事故を減らす機能として、歩行者検知式自動ブレーキの価値は大きい。
■ボディまで強化したこだわりのスポーティグレードが「ヴェゼルRS」
ヴェゼルRSは、エアロパーツ類や大径ホイールを履いて終わりという単純なものではなく、なかなか他が込んだ仕様となっている。標準車に対して、ボディを強化。強化したボディを生かすため、走行時におけるボディのたわみや微振動を軽減するパフォーマンスダンパーをRS専用に減衰力の設定を行い、コーナリング時における操縦安定性を高めている。
さらに、ステアリングの操作量に応じてタイヤの切れ角が変化するVGR(可変ステアリングギアレシオ)を採用。コーナリングでのきびきびとした旋回性を獲得した。
ヴェゼルRSのガソリン車は、CVTが使われている。CVTはアクセル操作に対して、ダイレクト感に欠けるとされるが、ヴェゼルRSでは、アクセル操作とCVT変速制御を高精度に協調させるホンダ独自の制御「G・Design Shift」をRS用に専用セッティング。CVTが持つ無段階変速というスムーズさを活かしながら、アクセル操作に対してダイレクトな走りが楽しめるチューニングを施した。
その他、エクステリアにRS専用フロントグリル、クリスタルブラック塗装を施したボディーロアガーニッシュ・ドアミラー、RS専用18インチアルミホイールを採用。インテリアには、RS専用スウェード調表皮「ウルトラスエード」を採用するなど、RSだけの仕様が施され、よりユニークさを際立たせている。RSはガソリン、ハイブリッド共にFF車のみの設定だ。
そんなヴェゼル ハイブリッドRSの価格は277万円。上級グレードのハイブリッドZの価格が267万円なので、約10万円のアップとなっている。やや、装備差があるもののRSだけにしかないVGRなどを加味すると、なかなか買い得感のある価格設定になっている。ハイブリッド車の購入を考えていて、走りの質を重視したいのなら、まずRSをベースに検討してみるといいだろう。
対してガソリン車は、239万円で上級グレードのXより27万円高い。価格アップ分は大きいが、プラス装備分を考えると妥当な価格アップといえる。
また、RSのようなスポーティグレードは、リセールバリューが高くなることも予想できる。とくに、ハイブリッド車は価格アップが10万円と少ないので、短期の売却でリセールバリューを考えると、結果的にRSの方が満足度も高くお買い得となる可能性も高い。
■ホンダ ヴェゼル主な変更点
・すべてのグレードでHonda SENSINGの選択が可能
○走る楽しさを追求したRSを設定
・走行時の安定性に寄与するパフォーマンスダンパー※2、可変ステアリングギアレシオ※3を採用
・Honda独自のCVT制御「G・Design Shift」を専用設定(ガソリン車のみ)
・エクステリアにRS専用フロントグリル、クリスタルブラック塗装を施したボディーロアガーニッシュ・ドアミラー、RS専用18インチアルミホイールを採用
・インテリアには、RS専用スウェード調表皮「ウルトラスエード」※4を採用
○HYBRID Z
・乗り心地の向上に寄与するパフォーマンスダンパー※2を採用
・運転席8ウェイパワーシート+助手席4ウェイパワーシート※5を追加
・本革シート※5にアイボリーのソフトパッドを採用
・4WDモデルを追加
○快適装備の充実
・ドアの施錠・解錠に連動してドアミラーが自動で開閉する「オートリトラミラー」を全タイプに標準装備
・ナビ装着用スペシャルパッケージ+ETC車載器を標準装備※6
・左右独立温度コントロール式エアコンの採用をHYBRID全グレードに適用
○乗り心地、質感の向上
・4WDのリアサスペンションにも「振幅感応型ダンパー」を標準装備し、乗り心地を向上(全グレードのフロント、リアに適用)
○ボディーカラーの追加
・プレミアムクリスタルレッド・メタリック、シナモンブロンズ・メタリック、ルナシルバー・メタリック※7を新たに設定
※1HYBRID X・Honda SENSING、HYBRID Z・Honda SENSING、HYBRID RS・Honda SENSING、X・Honda SENSING、RS・Honda SENSINGに標準設定
※2HYBRID RS・Honda SENSING、HYBRID Z・Honda SENSING、RS・Honda SENSINGに設定
※3HYBRID RS・Honda SENSING、RS・Honda SENSINGに設定
※4ウルトラスエードは、東レ株式会社の登録商標です。シート、インストルメントパネル、センターアームレストなどに採用
※5メーカーオプション設定、パワーシートは運転席はスライド/リクライニング/ハイト前・後、メモリー機能付、助手席はスライド・リクライニング付
※6HYBRID X・Honda SENSING、HYBRID Z・Honda SENSING、HYBRID RS・Honda SENSINGに標準設定
※7シナモンブロンズ・メタリック、ルナシルバー・メタリックはHYBRID RS・Honda SENSING、RS・Honda SENSING以外のグレードに設定
■ホンダ ヴェゼルRS、ガソリン、ハイブリッド価格
・ヴェゼルRS ホンダセンシング FF 2,390,000円
・ヴェゼル ハイブリッドRS ホンダセンシング FF 2,770,000円
【関連記事】
- ホンダ ヴェゼル(VEZEL)/ヴェゼル ハイブリッド新車試乗評価 超低燃費に高い安全装備、小さくても高級感あふれる新時代の低燃費コンパクトSUV
- ホンダ ヴェゼル(VEZEL)新車情報・購入ガイド 7速DCTリコール! 2.0L並みのハイパワーで27.0㎞/Lという低燃費を実現した1.5L直噴+ハイブリッド搭載! 高い安全装備に豪華装備も満載した新型ヴェゼルの価格なども評価する!
- ホンダ ヴェゼル新車情報・試乗評価一覧
- マツダCX-3新車情報・購入ガイド デビューから、わずか1年未満での改良! その中身は?
- マツダ CX-3新車情報・購入ガイド 動画・画像追加!期待のコンパクトSUV新型マツダ CX-3燃費は25.0㎞/L! 価格は2,376,000円からと、やや高価な価格設定!
- マツダCX-3新車情報・試乗評価一覧
- トヨタ アクアXアーバン(AQUA X-URBAN)試乗記・評価 想像以上に上質な乗り心地と操縦安定性をもったクロスオーバー車
- スズキ SX4 Sクロス試乗記・評価 総合力は高いコンパクトSUVなのだが、詰めが甘い安全性能と燃費
- スズキSX4 Sクロス新車情報・試乗評価一覧
- 日産ジューク ニスモ(JUKE NISMO)RS試乗記・評価 超お買い得なハイパフォーマンスSUV!
- 日産ジューク新車情報・試乗評価一覧
- プジョー2008新車試乗評価 コンパクトなサイズと進化したセミATで、激戦クラスに参入!
- ルノー キャプチャー新車試乗評価 質の高い走行性能と、際立つデザインをもつコンパクトSUV
- 【三菱アウトランダーPHEV 長期評価レポートvol.13】 4WD性能は譲れない! 先進のツインモーター4WDの実力を雪上で試す!
- 三菱アウトランダーPHEV長距離レポート一覧
- BMW X1新車情報・購入ガイド FRからFFベースに大幅変更! コンパクトながら迫力あるSUV
- メルセデス・ベンツGLA新車試乗記・評価 マリオのイメージとはかけ離れた重厚さと軽快さを兼ね備えた都会派SUV
- SUV新車情報・試乗評価一覧
【オススメ記事】
- フォルクスワーゲン ポロ新車情報・購入ガイド ついに全長4m越えに! 3ナンバー化した6代目新型ポロは、1.0L直3ターボを搭載【ニュース・トピックス】
- 三菱エクリプスクロス試乗記・評価 さすが4WDの三菱! 豪快にリヤタイヤを振りだすような走りも楽しめる絶妙なS-AWCに脱帽!【レビュー】
- 【日産リーフ 長期評価レポートvol.6】 日差リーフの実電費チェック! (一般道編)コツコツ電費を稼ぐe-Pedal【評論家ブログ : 日産リーフ】
- メルセデス・ベンツSクラス新車情報・購入ガイド 約20年振りの直6エンジンに、ISGを組みあわせた次世代エンジンを搭載!【ニュース・トピックス】
- 【日産リーフ 長期評価レポートvol.5】 日差リーフの実電費チェック! (高速道路編)実電費アップは、こだわりの空力性能にあり!【評論家ブログ : 日産リーフ】
- 三菱エクリプスクロス新車情報・購入ガイド スタイルに走り、装備とスキ無しの完成度を誇るコンパクトSUV。ガソリン車だけしかないことが、唯一の弱点?【ニュース・トピックス】
- 【日産リーフ 長期評価レポートvol.4】 30歳代クルマ好き女性、初めての電気自動車! その評価は?【評論家ブログ : 日産リーフ】
- 日産セレナe-POWER新車情報・購入ガイド ついに、シリーズハイブリッドシステムを搭載したセレナ! 5ナンバーミニバン、ハイブリッド車戦争へ加速!!【ニュース・トピックス】
- マツダCX-8試乗記・評価 際立つ運転のしやすさ! こだわりの「躍度」を雪上でチェック!【レビュー】
- 日産テラ(TERRA)新車情報・購入ガイド ナバラベースのSUV中国でデビュー! 日本への導入は?【ニュース・トピックス】
CORISM公式アカウントをフォローし、最新記事をチェック!