新型マツダ アクセラ ハイブリッド(マツダ3ハイブリッド)新車情報・購入ガイド アクセラハイブリッド、2.0Lなのにプリウス越えの30.8㎞/L達成! [CORISM]
新型マツダ アクセラ新車情報、試乗評価集
■『マツダ アクセラ試乗評価 ターゲットはVWゴルフ? 国産勢を圧倒する高い総合能力! 価格にも期待!!
●新型マツダ アクセラ ガソリン車試乗評価パート2
■マツダ アクセラ プロトタイプ試乗評価 肝心の新型アクセラハイブリッドやディーゼルが無しの試乗!しかし、ガソリン車も驚きの燃費と滑らかな走りを披露した!!
●新型マツダ アクセラ クリーンディーゼル、ガソリン車、価格・燃費レポート
■マツダ アクセラ新車情報・購入ガイド 今考えられる、低燃費パワーユニットすべてを用意! 新型アクセラは、日本マーケットを席巻する?
エンジンはマツダ製だが、プリウスと酷似するスペック
今回フルモデルチェンジし、3代目となった新型アクセラ。一番の注目ポイントは、マツダ初となるハイブリッド モデルの登場だ。新型マツダ アクセラハイブリッドには、マツダオリジナルの2.0LスカイアクティブエンジンンにトヨタのハイブリッドシステムであるTHSIIが組み合わされている。完全トヨタ オリジナルのハイブリッドシステムではなく、マツダの低燃費エンジンとの混血システムなので、新型アクセラハイブリッドは、マツダらしさを保ったハイブリッド車となった。
そして、なにより驚きなのは、その燃費性能。新型マツダ アクセラハイブリッドの燃費は30.8㎞/Lという数字を叩き出した。この数字は、本家プリウス の30.4㎞/Lを上回る数字だ。燃費差こそわずかだが、新型マツダ アクセラハイブリッドは、2.0Lに対してプリウスは1.8L。排気量がプリウスより大きく不利なはずなのに新型アクセラハイブリッドは、プリウスを超える低燃費を実現している。
新型マツダ アクセラハイブリッドが、プリウスを超える燃費を手に入れた理由のひとつは、ハイブリッド専用の2.0Lスカイアクティブエンジンにある。このエンジンの型式はPE-VPH型。それに対して、通常のガソリンエンジンはPE-VPR型となっていて、型式も違うことから全く違うエンジンと考えていい。
この低燃費型2.0Lスカイアクティブエンジンは、完全に燃費スペシャルともとれるスペックになっている。このエンジンには、排気の一部を吸気側に戻すクールドEGRを採用し、圧縮比14.0を実現した。通常のガソリン車は13.0という圧縮比なので、さらなる高圧縮比による低燃費化が図られている。プリウスの2ZR-FXEも圧縮比は、13.0ということを考えても、かなり高い熱効率を発揮していると考えられる。
高圧縮比とクールドEGRによる高い熱効率と引き換えに、パワーとトルクは残念ながら大きく失った。通常のガソリンエンジンが、114kW&196Nmなのに対して、ハイブリッド用エンジンは73kW&142Nmとなり、プリウスの1.8Lエンジンと同じスペックになっている。この結果、新型アクセラハイブリッドのシステム出力は100kW<136PS>となっていて、これもプリウスと同じである。
その他、モーターやニッケル水素電池などのスペックもプリウスと全く同じである。エンジンの最大出力・最大トルクの発生回転数までプリウスと同じ。このことから分かるのは、2.0Lスカイアクティブエンジンをプリウスのエンジンスペックに合わせ、トヨタのハイブリッドシステムとのマッチングを容易にしたとも見て取れる。
しかし、それでいて排気量が大きいはずの新型アクセラハイブリッドが、排気量の小さいプリウスより燃費が良くなる理由が分からない。車両重量も空気抵抗値ほぼ同じ。細かいチューニングの違いなのか、システムそのものがバージョンアップされているのか、このあたりは、今後の取材で明らかにしたいポイントだ。
トヨタのセダンもターゲット? おすすめはアクセラハイブリッドSの249.9万円!
一般的に、国内セダンマーケット瀕死状態。そんなカテゴリーにハイブリッド車を投入しても大丈夫か? とも思えるものの、新型マツダ アクセラハイブリッドはなかなかスタイリッシュ。単にセダンというカテゴリーに囚われないカテゴリーレスなデザインともいえる。また、瀕死のセダンマーケットとはいえ、セダンでなくてはダメ、そういうニーズもまだまだあるのも現実。新型マツダ アクセラハイブリッドは、保守的セダン層を取り込むのは当然として、飛び抜けてスタイリッシュなデザインで、新たなセダン顧客の開拓を狙っている。
新型アクセラハイブリッドのスタイリングは、パット見た目は「ミニアテンザ?」と感じるかもしれない。ところが、まったく違うデザインで、アテンザ とアクセラを2台並べると、その違いが明確になる。面の張りやボリューム感では、クラスが上のアテンザに軍配が上がるが、ギュッと詰まった濃密でいながら流麗なフォルムはアクセラならではのデザイン。タイヤの細い1.5Lガソリン車だと、フェンダーとタイヤのクリアランスや踏ん張り感に物足りなさを感じるものの、新型アテンザはとても1.5Lクラスからのクルマとは見えないくらい堂々としたプロポーションが魅力的だ。
インテリアも凝縮感のあるドライバーオリエンテッドな空間と、開放的で心地よいパッセンジャー空間を両立した。ステアリングホイールや単眼メーターとドライバーの体の中心を同軸にレイアウト、クルマとドライバーの一体感を演出。アテンザよりもエモーショナル感が強い印象だ。
そして、マツダがあまりに遅れていたナビなどのインターフェイスが一新された。走行安全性を最優先に考えた新カーコネクティビティシステム「マツダ コネクト」が投入された。「Heads-Up Cockpit」コンセプトに基づく新世代HMI(ヒューマンマシンインターフェイス)で、運転に集中するためのシンプルで使いやすい表示と操作を可能にしたデバイスを採用している。
最近では、スマートフォン系の流れでタッチパネルを用いるクルマが多い。しかし、タッチパネルは揺れる車内では、的確な操作が難しく、さらに視線移動が大きく安全性という意味ではあまりおすすめできるものではない。マツダ コネクトは、不安運転の要因である「見るわき見」、「意識のわき見」および「操作」を最小化した。コミュニケーション情報のすべてをブラインド操作できるコマンダーコントロールを採用した。ドイツ系メーカーがダイヤル式コマンダーを多く使う理由は、こうした理由もあるからだ。
機能面以外では、スマートフォンと連携したハンズフリー通話、ショートメッセージなどのコミュニケーション機能も用意。米国HARMAN社が運営するWebコンテンツAha™(以下、Aha)を利用することで、Twitterの新着ツイートやFacebookのニュースフィードを、音声読み上げ機能により確認が可能。Facebookの「いいね!」や音声メッセージ投稿機能の使用も可能とした。Ahaを介して世界中4万局以上のインターネットラジオ局へのアクセスが可能となっている。
また、「i-DM(インテリジェント・ドライブ・マスター)」、「燃費モニター」の他、オイルの交換時期などが確認できる「メンテナンス」機能、メーターに表示された警告の内容を確認できる「ウォーニングガイダンス」機能を設定。ショップオプションのナビゲーション用SDカードをセットすることで、ナビゲーションとしても利用可能。「アクティブ ドライビング ディスプレイ」装着車はディスプレイ上に右左折などの経路誘導を表示する。
さらに、古くならないシステムを目指したモジュールハードウェア構成。スマートフォンやインターネットの各種サービスおよびシステムの日々の進化に、OSレベルからアップデートすることで対応。クルマは古くなっても、ソフトは最新という状況になる。
新型マツダ アクセラハイブリッドのグレードは3つ。ハイブリッドCが237.3万円。ハイブリッドSが249.9万円。ハイブリッドS Lパッケージが262.5万円となっている。エントリーモデルのCグレードでも、装備はシンプルだが十分に使える。予算優先なら、このモデルでも十分。
Sグレードがおすすめモデルとなり、ディスチャージヘッドライトや、ヘッドランプユニット内シグネチャーLEDランプ、リアコンビランプユニット内シグネチャーLEDランプなどが装備されており、新型アクセラハイブリッドのスタイリッシュなデザインを際立たせてくれるので、満足度は高い。残念なのは、ハイブリッドシステムがトヨタ製であるためなのか、安全装備のスマート・シティ・ブレーキ・サポート(SCBS)&AT誤発進抑制制御がオプションでも装備することができない。これがあれば、安全装備の拡充が遅れているトヨタ車と差別化できた部分だ。
マツダ アクセラハイブリッド価格、燃費、スペックなど
HYBRID-C 2,373,000円
HYBRID-S 2,499,000円
HYBRID-S 2,625,000円
■エンジン
ボア×ストローク 83.5mm×91.2mm
排気量 1.997L
圧縮比 14.0
最高出力 73kw<99PS>/5,200rpm
最大トルク 142N·m<14.5kgf·m>/4,000rpm
■モーター
型式 MG
種類 交流同期電動機(永久磁石式同期型モーター)
最高出力 60kw<82PS>
最大トルク 207N·m<21.1kgf·m>
■システム合計出力 100kW<136PS>
代表グレード | マツダ アクセラハイブリッドSグレード |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 4,580×1,795×1,455mm |
ホイールベース[mm] | 2,700mm |
車両重量[kg] | 1,390kg |
総排気量[cc] | 1.997cc |
エンジン最高出力[ps(kw)/rpm] | 99ps(73kw)/5200rpm |
エンジン最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] | 14.5kg-m(142N・m)/4000rpm |
モーター最高出力[ps(kw)] | 82ps(60kw) |
モーター最大トルク[kg-m(N・m)] | 21.1kg-m(207N・m) |
ミッション | 電気式無段変速機 |
ハイブリッド燃料消費率[km/l] | 30.8km/l |
システム合計出力 | 100kW<136ps> | 定員[人] | 5人 |
レポート | 編集部 |
写真 | マツダ |
9月7日更新 マツダ アクセラハイブリッドは、2.0Lスカイアクティブ+ハイブリッドで燃費は25.0~30.0㎞/L の間か?
この新型アクセラセダンには、トヨタから技術提供により搭載されるハイブリッドモデルがある。このハイブリッド車は、セダンのみの設定。なぜ、アクセラハイブリッドはセダンなのかというと、恐らく顧客層を意識しての設定だろう。トヨタもそうなのだが、基本的にハイブリッド車を選ぶ顧客層は高齢者層が多い。トヨタのセダン層も、プリウスに多く移行した。セダンからハッチバックへ違和感なく移行できた層は問題ないのだが、やはり年齢層からみてセダンがいいという顧客も多く存在する。
2.4Lエンジンを積むトヨタ サイがそういった顧客を取り込む役割をもっていたものの、なにせクラウン並みの価格なので、あまり売れなかった。いわゆる手頃なサイズであり、買いやすい価格帯というのも重要になる。トヨタは、カローラハイブリッドで対応しているものの、今度は1.5Lなのに高価な価格帯ということもあり、積極的に選べない理由のひとつだ。
新型マツダ アクセラハイブリッドは、トヨタのセダンラインアップの隙間を狙っているようにも感じる。どうやら、2.0Lスカイアクティブエンジンがハイブリッドシステムと組み合わされるようだ。そうなると、2.0Lのハイブリッドを搭載したセダンがトヨタには存在しない。カローラハイブリッドまで車格を落としたくないと考える顧客向けにとって、新型マツダ アクセラハイブリッドは絶妙なポジションとなる。そのあたりも狙いなのだろう。さらに、最近の高齢者は若々しいものを好む傾向がある。まさに、デザインコンシャスな新型マツダ アクセラのスタイルに惹かれるのは確実だろう。
さて、2.0Lスカイアクティブ+ハイブリッドシステムを搭載したアクセラハイブリッドの燃費はというと、一部新聞が30.0㎞/L超と報道しているものの、1.8Lのプリウスが30.4㎞/Lなので、200㏄排気量が増えているのに30.0㎞/Lを出すのは、かなり難しいようにも思える。バッテリーの種類や容量、車重によりEV走行できる距離が変わり燃費も変動するので、このあたりが明確にならないと微妙だが、コストを抑えるためにプリウスの電池などをそのまま流用することも考えられるので、そうなると30.0㎞/L 達成は困難だろう。新型マツダ アクセラハイブリッドの燃費は、25.0~30.0㎞/Lの間が目安となりそうだ。
新型マツダ アクセラハイブリッドの価格も予想すると、現行のアクセラセダン20Eスカイアクティブが205万円。これの価格をベースに、ハイブリッド代を30~40万円アップすると235~245万円となる。この価格帯は、プリウスの売れ筋よりやや安い価格帯。排気量が多い分を考えると、250万円前後が売れ筋グレードの設定になると予想してみた。
もうひとつ気になるのが、新型マツダ アクセラに搭載されるクリーンディーゼルエンジンのスペックだ.
欧州で流失しているスペックでは、110kw&380Nmとパワー、トルクとも抑えられている。アテンザが129kw&420Nmだ。アテンザと同じスペックでは、アテンザの立場や車格を考えダウンされたのか不明だが、できればアテンザと同じスペックのままで新型アクセラに搭載を望みたいところだ。
10月以降、東京モーターショー に向けて、各社新型車がたくさん登場する。新型マツダ アクセラは、比較的前半に登場する注目の1台。マツダは、ディーゼルエンジンの増産するなど、生産能力を上げてはいるものの、アテンザやCX-5 人気で工場はフル稼働状態に近い。それにプラスして、新型アクセラが投入され爆発的に売れると、まさに完全フル稼働しても生産が追いつかない可能性もある。とくに、消費税増税が決まったら、駆け込み需要もプラスされることも予想できるので「アクセラを買う!」と決めたのなら、今のうちから販売店へ行き、情報収集し、なるべく早い段階で注文しないと3月までに登録できない可能性もありそうだ。
よりワイド&ローなプロポーションをもつ新型マツダ アクセラ
新型マツダ アクセラ(マツダ3)のボディサイズは、全長4,460×全幅1,795×全高1,455(mm)、ホイールベース2,700mmとなっている。前モデルと比較すると、全長は同じ、全幅で+40mm、全高-15mm、ホイールベース+60mmと、より低くワイドになっており、まさにワイド&ローなスタイリッシュフォルムになっていることが伺える。
そんなプロポーションに、マツダのデザインテーマ魂動(こどう)を全面採用した新型アクセラ。もはや、マツダの顔ともいえるシグネチャーウイングもつフロントフェイスは、アテンザにそっくり。リヤビューも同様で、画像だけを見ているだけでは、アテンザハッチバックといった印象だ。今のところ、公開されている画像はアクセラ ハッチバックだけだが、先代モデル同様アクセラ セダンも用意される。関係者によると、このセダンもなかなかスタイリッシュに仕上がっているとのことだ。
インテリアは、アテンザ以上にエモーショナルな面で構成され、ゴルフ7などとは対極にあるように見える。また、ナビゲーションなど、ドライバーにインフォメーションを与える機能面で遅れをとっていたマツダだが、ようやく新型アクセラから新しいカーコネクティングシステムが導入される。ダッシュボード中央からせり出したモニターや、メーターフード前方にあるヘッドアップディスプレイなどが装備されている。シフトレバー下には、ダイヤル式のコントローラーがあり、BMW のiドライブなどと似た操作であることが予想できる。
マツダ スカイアクティブエンジン+トヨタ ハイブリッドTHSIIが誕生! 排気量は? 燃費は?
マツダが単に燃費特化というモデルを出すだろうか? という仮説を元に考えると、新型マツダ アクセラには2.0Lハイブリッドという組み合わせが有力だろう。そうなると、新型マツダ アクセラハイブリッドの燃費も注目される。排気量は未確定だが噂レベルでは、30km/Lを超える低燃費だという話もある。そうなると、1.8Lのプリウスが30.4km/Lなので、排気量の多い2.0Lでプリウスを超えることになることから、スカイアクティブエンジンの低燃費性能をより鮮明にアピールできる。
1.5Lなら、アクアよりボディが大きい新型アクセラでアクアを超える35.4km/L超えは難しいし、マーケットに出してもそれほどインパクトがない。9月には新型ホンダ フィットハイブリッドが、燃費35.4km/Lを超えると言われているからだ。この期待される新型マツダ アクセラハイブリッドは、なぜかセダンのみ。ハッチバックにハイブリッドの設定はないという。
ガソリンエンジンは、新開発の1.5Lスカイアクティブが登場。すでに、アテンザで搭載済みの2.0Lと2.5Lもあるが、恐らく日本仕様には2.5Lは搭載されないだろう。そうなると、新型アテンザのガソリンエンジンは、1.5Lと2.0Lのということになる可能性が高い。
選ぶ悩みは楽しみ変わる? ガソリン、ハイブリッド、クリーンディーゼル、どれがベストな選択か?
困ったのは、新型マツダ アクセラは、ハイブリッドを選ぶべきかクリーンディーゼル車を選ぶべきかという難しい選択に迫られる。クリーンディーゼル車は、恐らくハイブリッドに近い25km/L前後の燃費を出すだろう。高速道路などでの燃費では、トヨタのハイブリッドTHSIIは燃費があまり向上しない。そのため、高速域では燃費の逆転現象さえありえる上に、日本では軽油がガソリンに比べ@20円/L程度安い。経済性だけで考えれば、同等レベルになるからだ。
さらに、経済性を抜きに走りの楽しさという面でも、さすがのハイブリッドでもクリーンディーゼルの420Nmという大トルクには勝ち目はない。スポーツドライビング視点では、クリーンディーゼル車が圧倒するだろう。もちろん、新型アクセラハイブリッドも、低・中速域中心ならモーター走行を主体として使えるため、クリーンディーゼル車を超える低燃費が期待できるだろう。
そう考えると、走りの質を売りにするマツダとしては、ハッチバックをパワフルさあふれるクリーンディーゼルでスポーツドライビングメイン。セダンは、日本の使い方に合わせた低・中速燃費メインとしたハイブリッドとして分けているのかもしれない。
なんにせよ、今、日本でクルマを販売しているメーカーの中で、1車種につきガソリン、クリーンディーゼル、ハイブリッドという3つのパワーユニットを用意しているのは、マツダとBMWだけである。新型マツダ アクセラは、悩ましくも楽しいクルマ選びになりそうだ。
新型マツダ アクセラ動画
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