日産ティアナ 新車情報・購入ガイド 環境・安全の最新トレンドが反映されないグローバルカー [CORISM]

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【日産】2014/01/23

日産が新型ティアナを導入した背景とは?

日産ティアナ
 日産はセダンのティアナをフルモデルチェンジ。2014年2月5日より発売を開始する。新型日産ティアナは、このモデルで3代目となる。

 初代日産ティアナは、モダンリビングをテーマに開発され、明るく広い室内に助手席シートにオットマン機能を備えリラックスできる空間を提供。こういったコンセプトのセダンが今まで無かったこともあり、ヒットモデルとなった。

 そして、2代目ティアナはおもてなしをテーマに開発。しかし、基本は北米のアルティマということもあり、北米を中心としたボディサイズをもち、ひと回り大きくなった。さらに、セダンマーケットがドンドンと縮小傾向になったこともあり、国内では苦戦を強いられるモデルとなってしまった。

 日産はティアナだけでなく、国内ではセダンは売れないと見切りをつけていた時期があり、このティアナも大幅なてこ入れがあるわけでもなく、放置されてきた傾向が強いモデルでもある。

 しかし、国内の全需は伸びる気配はなく、基本的に減少傾向が続くことは確実。日産もセダンモデルを放置しすぎたこともあり、多くのセダンユーザーが他車へと流出。その結果、日産車保有を減らすことになった。販売台数が少ないとはいえ、保有は代替えの母体となるため、保有台数を減らすことは日産にとって何のメリットも無い。そこで、日産はコストを抑えて日本に導入できるモデルを探した。最近では、シルフィやティーダラティオなどがそういったモデルで、アジアやグローバル車としてすでに現地で投入されているものを日本向けに仕様変更して導入している。

日産ティアナ
日産ティアナ
日産ティアナ

日産ティアナ

エマージェンシーブレーキは未装着はなぜ?ただし、サイド&カーテンエアバッグは全車標準装備

 3代目新型日産ティアナのボディサイズは、全長4880×全幅1830×全高1470mm。クラウンより若干全長が短く、全幅は30mm大きい。国内で使うのであれば、全幅は1800mm以下に抑えたいところだが、中国と北米優先のためそうはならない。国内専用車として、ずいぶん長いこと同じプラットフォームを使っているものの、クラウンは全幅1800mm に抑えている。最近では、BMW3シリーズも欧州では1800mm超のボディサイズを日本専用に1800mmとしたもの導入しているほどだ。

 また、ボディサイズだけでなく、最小回転半径も日本向けとはいいにくい。5.5mというのが16インチタイヤ装着車の数字だが、これは5ナンバーミニバン並み。さらに、17インチ車は5.7mにもなり、大型ミニバン並みとなる。これは、トヨタのカムリも同様に北米メインということもあり5.5m。しかし、FRということもあるが日本専用のクラウンは5.2mという数値になる。フォルクスワーゲン パサートなどは、同じFFでも5.3mだ。ボディ幅が大きいのなら、せめて最小回転をできるだけ小さくする工夫が欲しい。

 ボディサイズだけでなく、装備類も同様だ。最近日産は、急速に自動ブレーキであるエマージェンシーブレーキの装備を一気に進めている。カメラを装着し、人間を認識できるうえに、自動ブレーキの対応速度もそこそこ高いレベルで、価格も安めの設定なのでバランスが取れている。セレナには、ほぼ全車標準装備としているほどだ。しかし、残念ながら中国・北米中心で開発されてきたティアナには装備されていない。モデルライフの中で検討するというのが、日産の考え方なのだが、もはやこのクラスのクルマに自動ブレーキが標準装備なのは当たり前の時代になってきている。

 安全装備面では、日産車では珍しくサイドエアバッグとカーテンエアバッグが全車標準装備されており高く評価できる。

日産ティアナ
日産ティアナ
日産ティアナ

新型ティアナの燃費は14.4km/L。アイドリングストップ機能が無しというのが、最新の環境トレンドと合致しない

日産ティアナ
 全幅が広いということもり、デザインはなかなか立派な印象。ワイドで安定したシルエットと、ヘッドライトからフェンダー、そしてボディサイドと流れるキャラクターラインがダイナミックなフォルムを強調している。高級セダンらしい存在感のあるスタイリングだ。

 インテリアは、2代目のコンセプトの「おもてなし」を継承した。日産らしい、いかにもタイムリーなコンセプトだ。このインテリアには、無重力状態でのヒトの姿勢を参考に開発した「スパイナルサポート機能付シート」を採用。快適性をさらに向上させた。また、こちらも伝統の助手席は、ふくらはぎを支える範囲を拡大させたオットマンも使われている。助手席の快適性をアピールすることが、おもてなしコンセプトのひとつだ。

 搭載されるエンジンは、QR25DE型2.5L。当然、アイドリングストップ機能は無く、新型ティアナの燃費は14.4㎞/L。アテンザの2.5Lの16.0㎞/Lと比べると見劣りするが、アイドリングストップ機能が未装着ということを考えれば立派な数値。北米・中国中心のクルマを持ってくると、結局こういうことになり、日本のマーケットの現状とマッチせずに商品力を落としもったいないことになる。パワーとトルクは、127kW&234Nm。アテンザが138kW&250Nmでこちらは、少々アテンザより物足りない状況となっている。

 新型日産ティアナの価格は、XEの2,429,700円から。比較的リーズナブルといった印象だが、このグレードだとパワーシートもオットマンも無いので、実際はひとつ上のグレードであるXLの2,753,100円からがベストな選択となるだろう。

日産ティアナ価格、スペックなど

■日産ティアナ価格
・XV 3,045,000円
・XL 2,753,100円
・XE 2,429,700円

代表グレード 日産ティアナXL
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 4880×1830×1470mm
ホイールベース[mm] 2775mm
トレッド前/後[mm] 1585/1585mm
車両重量[kg] 1470kg
総排気量[cc] 2488㏄
エンジン最高出力[kw(ps)/rpm] 127kW(173PS)/6000rpm
エンジン最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] 234N・m(23.9kg-m)/4000rpm
ミッション CVT
タイヤサイズ 215/55R17
JC08モード燃費 14.4km/L
定員[人] 5人
税込価格[円] 2,753,100円
発売日 2014年2月5日
レポート 編集部
写真 日産自動車

2013年3月14日更新 ひと回り大きくなったボディは、シャープさを強調するスポーティなものに!

新型日産ティアナ
 日産は、中国における合弁パートナーである東風汽車有限公司(DFL)と共に、新型日産ティアナを発表した。新型日産ティアナは、3月中旬に中国で販売を開始する。

 新型日産ティアナは、北米の基幹車種であるアルティマのDNAにインスパイアされた高いパフォーマンス性能に加え、爽快でダイナミックなドライブを可能としているという。搭載したエクストロニックCVTと新しい2.5LのQR25DEエンジンは、優れた加速性能と燃費性能を両立し、新設計のリヤ・マルチリンク・サスペンションは高い操縦安定性を実現した。

 また、デザインは先代ディアナが優美な曲線をもつスタイルだったのに対して、新型ティアナはシャープなショルダーラインと切れ長のヘッドライトが組み合わされて、全体的にスポーティさが強調されている。このデザインは、2012年12月に発売された日産シルフィと同じような手法がとられている。

 インテリアは、インパネからドアトリムへと伸びるユニークなラインを採用し、インテリアのスポーティなレイアウトと室内空間の最大化を両立した。先代ティアナは、広大な室内空間をウリとしたモデルだけにこの部分はシッカリと継承されているようだ。また、ゼログラビティ・インスパイア―ドシートを開発。このシートは、NASAが測った無重力状態でのヒトの姿勢を参考にし、骨盤から胸にかけて身体の重たい部位を連続的にしっかりと支えることで、筋肉や背骨の負担を軽減して、長時間走行時の疲れを大きく軽減するという。

 中国で販売されるティアナは、2.5Lの他に2.0Lもラインアップ。新型ティアナのボディサイズは、全長4868×全幅1830×全高1490mm、ホイールベースは2775mm。ボディ全体は、先代より一回り大きくなっているものの、ホイールベースが同じことから、プラットフォームなどは先代のものを流用していることが予想できる。

 また、最小回転半径は、17インチタイヤで5.7mと少々小回りは苦手となった。全幅も1800mm超なので、日本マーケットでは、なかなか苦戦しそうな予感がする。

 日産シルフィも中国で、まずデビューしてから日本へ導入されていることから、この新型日産ティアナも恐らく近い将来日本に導入されることが予想できる。ただし、日本ではセダンが売れない。その上、セダンマーケットのほとんどを押さえるトヨタはハイブリッド化が進む。新型日産ティアナも、ハイブリッド車と対抗するには、価格設定がとても重要な要素をもってくるだろう。

新型日産ティアナ

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(レポート:CORISM編集部

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