日産リーフ新車情報・購入ガイド 航続可能距離を280㎞へ大幅アップ! さらに、歩行者検知式自動ブレーキを全車標準装備! [CORISM]
30kWhという新型リチウムイオンバッテリーを搭載し、航続距離約23%向上させ280㎞を達成!
日産リーフは2010年12月にデビュー。デビュー当時は、200㎞という航続距離を誇る電気自動車であることや、充電の不安を解消するITを駆使した充電ポイントの検索、スマートフォンを使った充電およびエアコンの遠隔操作などを導入。さらに、日産販売店への積極的な急速充電器や普通充電器の設置が行われた。電気自動車としての完成度の他に、こうした取り組みなども評価され、日産リーフは2011-2012日本カー・オブ・ザ・イヤー を受賞した。
その他、日産リーフはクルマから家に給電できるリーフtoホームを提案するなど積極的に電気自動車を使った新しい世界観をアピール。そして、モデル途中では、電池容量はそのままに大幅な改良を施し航続距離を228kmに伸ばした。また、補助金との兼ね合いもあり、幾度も価格を引き下げている。ある意味、日産リーフは、価格と航続距離が販売のカギを握っているという状況。そうした努力やインフラ整備が進んだこともあり、リーフは徐々に販売台数を伸ばしていく。
そして、今回マイナーチェンジしたリーフはついに、電池容量を24kWhから30kWhへアップし航続距離をイッキに280㎞まで伸ばし2015年12月24日発売される。電気自動車を買わない理由のひとつとして、航続距離の短さが上げられる。30kWhの電池搭載は、こうしたネガティブな要素を少なくするために行われている。電気自動車は、電池容量を多くすれば単純に航続距離は伸びる。ただし、電池容量を増やせば電池は大きくなり、より大きなスペースが必要になる。さらに、電池も重くなるので車重が増し、電費が悪くなり非効率になるのだ。ただ単純に大容量電池を搭載すればいい、という単純なものでもない。
そこで日産は高容量の新材料を使用。従来のバッテリーパックサイズを維持しながら、リチウムイオンの高充填化と、バッテリー内部抵抗の減少を実現。こうした新バッテリーの開発で、室内のスペースを損なうことなく航続距離が280kmと大幅に向上させている。電気自動車は、急速充電器を使っても約80%程度の充電で30分程度かかっていた。これも、電気自動車がもつネガティブ要素のひとつ。バッテリー容量が多くなり、さらに充電時間がかかるように思うかもしれないが、30kWhのバッテリーでも従来の24kWhのバッテリーと同様に急速充電器を使用する場合、約30分で80%までの充電が可能となった。
また、電気自動車は長く使っているとバッテリーが劣化し、航続距離が短くなるという不安もつきまとう。今回のマイナーチェンジで登場した30kWhバッテリーは、耐久性を改善。なんと、「8年16万km」までの容量保証を実現している。これだけ長い保証であれば、ほとんどバッテリーの劣化による航続距離の不安はないと言っていいだろう。30kWhバッテリー車だけでなく、従来の24kWhバッテリー車も併売され、自分の使い方に合わせ選ぶことができるようになったのも美点だ。
オプション化せずに、歩行者検知式自動ブレーキを全車に標準装備。環境性能だけでなく、より高い安全性能を得た!
逆に、歩行者に関しては高く評価できる。交通事故で死亡する人の多くは歩行者。そのため、本当に交通事故死「ゼロ」を目指すのであれば、歩行者検知式自動ブレーキであることは必須だからだ。歩行者と車両の事故では、速度が重要。衝突速度が30㎞/hを超えると、死亡率が急上昇する。つまり、最悪歩行者と衝突するとしても30㎞/h以下にすることがカギを握る。リーフに搭載されている自動ブレーキは、60㎞/h未満までなら対応するので歩行者死亡事故減のための効果がある。さらに、高く評価できるのは、こうした自動ブレーキが全車標準装備化されたことだ。すべてのリーフが一定水準以上の安全性能を得ている。オプション設定などにして顧客任せにせず、日産が自ら交通死亡事故「ゼロ」を目指す姿勢を示せたことは素晴らしい。ブランド価値もアップする。
スポーティなグレード「エアロスタイル」に、より気持ちの良い走りを実現するファインレスポンスVCMを装備
マイナーチェンジでは、電気自動車の走りを楽しむための新しい制御も入った。エアロパーツ類を装備したスポーティなグレード「エアロスタイル」に、専用のファインレスポンスVCM(Vehicle Control Module)を採用。走行性能を制御するVCMを専用チューニング。アクセルを踏み込んだ時の反応を向上させることで、さらに軽快で伸びのある電気自動車らしい気持ちのいい加速性能を実現した。
エアロスタイルのインテリアには、ハイコントラストのモダンホワイトレザーシートを専用オプションとして追加設定。より個性的なグレードとしている。
補助金が多い30kWh車の買い得感が際立つ! さらに、バッテリーの保証も8年16万キロ!
まず、リーフの選びは、バッテリー容量の選択。24kWhか、30kWhかという選択だ。エントリグレード比較では、価格差がわずか15万円。補助金が多い分だけ30kWh車のお得感が際立つ。さらに、30kWh新型バッテリーで8年16万キロ保証なのに対して、24kWhバッテリーは5年10万キロ保証のまま。こうなると、迷わず30kWh車を選んだ方が良いだろう。
リーフのグレード選び。エントリグレードのSは、ひとつ上のXグレードに比べると約45万円も安い。シンプルに乗るならこれでも十分。予算重視ならSグレードというのもいいだろう。驚きなのは、自動ブレーキは標準装備なのに、古典的な装備オートライトがSとXともオプション設定。これだけ先進的なクルマなので、オートライトくらい標準装備してほしい。
Sには、ヒートポンプシステム(省電力暖房システム)が装備されていない。その他の装備類を考えると、やはり満足度という視点では、Xグレード以上ということになる。Xと最上級グレードのGグレードの差は、約37万円。Xには、LEDヘッドライトが無いので、これが75,600円。LEDライトくらいは装備したいと考えると、価格差は30万円といったところ。それ以外は、それほど大きな差が無いので、Xで十分満足できる。エアロスタイルは、かなり高価になる。このグレードは好みの問題。
実際にリーフを購入となると、まだまだ色々な制約がある。マンションなどの集合住宅の場合、充電環境がどうなっているのか? 戸建ての場合でも、充電のための工事が必要になったりする。280㎞の航続距離とはいえ、ハイブリッド車のようにどこにでも行けるという訳にまだまだ言えない。とはいえ、脱ガソリンという意味では大きな意味がある。リーフtoホームを使いリーフを蓄電池として使えば、太陽光発電などを使うメリットなども大きくなる。これから、単にクルマとしてだけの価値だけでなく色々な使い方が考えられるだろう。
実際の生活圏内では、ほとんど不便さは感じることは無くなっている日産リーフ。ただ、今までのクルマとまったく同じとはいいかない。それはわずかだが、未来への投資と考えれば、多少の不便さはそれほど苦にならないという人にピッタリなクルマといえる。
日産リーフ価格
●リーフ24kWh仕様
・S 2,803,680円
・X 3,254,040円
・G 3,624,480円
・S エアロスタイル 3,106,080円
・X エアロスタイル 3,578,040円
・G エアロスタイル 3,894,480円
●リーフ30kWh仕様
・S 3,197,880円
・X 3,648,240円
・G 4,018,680円
・S エアロスタイル 3,500,280円
・X エアロスタイル 3,972,240円
・G エアロスタイル 4,288,680円
日産リーフ航続距離、スペックなど
代表グレード | 日産 リーフ 30G |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 4445x1770x1550mm |
車両重量[kg] | 1480kg |
総電力量[kWh] | 30kWh |
最高出力[kw/rpm] | 80kW/3008-10000rpm |
最大トルク[N・m/rpm] | 254N・m/0-3008rpm |
JC08モード交流電力量消費率[Wh/km] | 117Wh/km |
JC08モード一充電走行距離 | 280km |
定員[人] | 5人 |
消費税込価格[円] | 4,018,680円 |
発売日 | 2015/12/24 |
レポート | 編集部 |
写真 | 日産 |
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