S-VSC(横滑り防止装置)を標準装備され、安全性・走破性が大幅向上!
トヨタRAV4は、2005年にフルモデルチェンジを受け、すでに8年目に突入したモデル末期状態。2012年のロサンゼルスショーでは、新型トヨタRAV4が姿を現しており、国内への導入も時間の問題だ。
トヨタRAV4は、北米では人気車種なのだが、国内マーケットにおいては、完全に放置されている悲しい車種。トヨタ自体もほとんど売る気がなく、2008年にマイナーチェンジ以来、ほとんど改良が行われていない。それもそのはず、国内での販売台数は月販500台を大きく割り切っている。トヨタの販売台数から見れば、もはや無いに等しいクルマなのだろう。
そんな見捨てられていたRAV4だが、ここに来てトヨタもようやく重い腰をあげた。2012年は、SUVマーケットが活気を得ているからだ。クリーンディーゼルを搭載したマツダCX-5の登場を皮切りに、スバル フォレスター、三菱アウトランダーがイッキにフルモデルチェンジ。さらに、2013年には日産がエクストレイルをフルモデルチェンジする予定だ。まぁ、こうなると、今までだまって見ていたトヨタのRAV4担当者も、このまま何もしないままだと、サラリーマンとしての能力をも問われることになる。
今回の一部改良では、車両安定性を確保するS-VSC(横滑り防止装置)やヒルスタートアシストコントロール&ダウンヒルアシストコントロール制御システムを全車に標準装備した。新型車に関しては、すでに法律で義務付けられた横滑り防止装置を一部改良で、いち早く標準装備化したのは評価できる。既存車種でも、2014年10月以降には装備に追加する必要があるなかで、同じトヨタ車の中でも、法律ギリギリまで装着しようとしない車種があるくらいだからだ。この横滑り防止装置は、とくに、車高が高く重心の高いSUVなどには有効で、走破性を高まるばかりか、もしもの時の横転も防ぐ役割を果たす。
S-VSC(横滑り防止装置)を標準装備したことで、技術的にもヒルスタートアシストコントロール&ダウンヒルアシストコントロール制御システムを全車に標準装備することができた。これらの機能のほとんどが、S-VSC機能の延長線上にあるからだ。
また、ステアリングスイッチ(オーディオスイッチ)を標準装備し、利便性を向上させた。そのほか、グレード体系を見直し、18インチアルミホイール(グレーメタリック塗装)やカラードオーバーフェンダーなどを装備したSTYLE“S Package”を新設定した。
グレード体系を見なおししたことで、エントリーグレードのXグレードが無くなった。これにより、エントリーグレードはSTYLEとなった。FF車で価格は215万円で、装備の変更もされたこともあり価格が5万円下がっている。多少、装備が違うのだが、シンプルに乗れればいいという顧客にはS-VSC機能も標準装備されていることを考えれば、魅力的な価格になった。
それでも、価格競争力があるかというと、少々微妙。200万円を切るくらいの価格設定は必要だったかもしれない。最新のSUVで日本カー・オブ・ザ・イヤーも受賞したマツダCX-5 20Sの価格が220万円からだ。エントリーグレードの価格差は、わずか5万円。RAV4は2.4Lなので、多少、パワーとトルクで勝るくらいだろうか。当然、燃費ではマツダCX-5が圧倒する。どうしても、トヨタRAV4というのであれば、大幅値引きが条件となるだろう。商談の時は「北米で、もう新型出ているよね」を忘れずに!
<トヨタRAV4価格>
STYLE 2WD 2,150,000円
4WD 2,360,000円
STYLE“S Package”2WD 2,300,000円
4WD 2,510,000円
新型トヨタ RAV4
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