トヨタ マークXは、2004年にマークIIから初代マークXへと変更。現行モデルは2代目となる。2代目マークXは、2009年10月にデビュー。V6の2.5Lと3.5Lエンジンを搭載した上級セダンだ。現在では6年目となり、すでにモデル末期になっている。

　マークXは、今となっては非常に貴重なFRセダン。マークXのライバルは、日産スカイライン だったが、スカイラインはイッキに輸入車と肩を並べるくらいのプレミアムセダンへと移行。そのため、現在ではライバルが不在となっており、国内FRセダンマーケットで孤軍奮闘する貴重なモデルだ。そのため、ボディサイズや走行性能など、国内では非常に使いやすい。また、FRセダンとして価格も2,509,715円からと安価なのも特徴。世界的に見ても、これだけ安価なFRセダンは珍しい。

　また、FRセダンということもあり、走行性能を大幅に高めたスポーツコンバージョン車の「G's」が2012年に設定された。スポーティな走りが可能となったことと、精悍なエアロパーツ類が装備されたこともあり、人気グレードとなっている。

　ただし、モデル末期ということもあるが、燃費性能面では改善が行われず、アイドリングストップ機能さえ持たない。2.5L車は11.8㎞/L、3.5L車は10.0㎞/Lとエコカー減税の対象車にもなっていない状態。そろそろフルモデルチェンジが期待される車種でもある。

　そんなトヨタ マークXの一部改良では、PREMIUM、PREMIUM Fourの内装色・シート表皮にスタイリッシュなブラックを追加したほか、インテリジェントパーキングアシスト（イージーセット機能＆駐車空間認識機能付）のオプション設定を250G、250G Fourにも拡大した。

　特別仕様車は、250G、250G Fourをベースに、上質感とインパクトをあわせ持つボディカラーが全4色が採用された。とくに、アウェイクンイエローと呼ばれるボディカラーの注目度は高い。セダンにこういった鮮やかなボディカラーはご法度とされてきた。とくに、セダンを好むオーナーの多くは、保守系が多いとされ、ボディカラーは白・黒・シルバーがあればいいとまで言われている。クラウンでも深みのあるレッドやブルー系を出したもののほとんど売れないという状況下にある。

　そう趣向を考えれば、この鮮やかなイエローは、まさにおきて破りともいえる。トヨタとしても、かなり冒険した印象が強い。ただ、単なる冒険ではないようだ。トヨタは、特別仕様車でクラウンをピンクのボディカラーにしたReBORN PINKを期間限定で発売。1ヶ月間で650台を販売した経緯がある。こうした超ハデ系ボディカラーを好む顧客は、ニッチだが一定数いることを確認済みだ。その二匹目のどじょうを狙ったとも見える特別仕様車だ。最近のマークXの販売台数は月販1,000台を割っていることからも、こうしたカンフル剤的特別仕様車が必要だったのかもしれない。

　内装色には、イエローとブラックの2色を設定したほか、シート表皮（専用ファブリック）や本革巻きステアリングホイールなどにイエローステッチをあしらい、上質でスポーティな仕様としている。

　マークX 特別仕様車250Gイエローレーベルの価格は2,883,600円。ベース車となる250Gに対して約11万円のアップだ。細かい装備内容を見ると250Gに含まれない装備が多数あり、これはお買い得な特別仕様車といえる。約11万円アップで、これだけの装備向上が含まれているのなら、マークXの購入を考えるのなら特別仕様車イエローレーベルを中心に選ぶといいだろう。ただし、マークXはモデル末期。燃費性能もエコカー減税レベルにも届いていないし、このクラスのモデルは当たり前となりつつあるプリクラッシュセーフティシステムなどの安全装備も用意されていない。そうなると、大幅値引きでの購入が前提だ。

　効果的に値引きを引き出すためには、FFだがマツダ アテンザ やメルセデス・ベンツCクラス などの輸入中古車などと競合させてみるといいだろう。