環境と走りを両立させているのが新世代の特徴
ついに新世代にスイッチした水平対向ユニット。コンロッド形状なども変更され、徹底的に磨き上げられた印象だ。もちろんブロックは今後はターボなどにも使われるだろう
スバルのフォレスターといえば、現行型に関してはプレミアム感がグンと増した、クロスオーバーSUVだ。もちろんその心臓部にはスバルのアイデンティティである水平対向エンジンが縦置きされるだけでなく、「シンメトリカルAWD」採用も他のスバル車同様に組み合わされている。
今回、マイナーチェンジを受けたのだが、トピックスはなんと言っても、肝心の水平対向エンジンが新世代のFB20型へと進化したということ。ただし、NAのみで、ターボは従来のEJ20型のままではある。エンジン開発にはシャーシ同様に、何十億という開発費がかかるとされているが、スッパリと新型にしたという点においてスバルのやる気を感じさせるし、トヨタとの関係においても独自路線を今後も貫く表れとも見て取れるとの評価だ。
今回、マイナーチェンジを受けたのだが、トピックスはなんと言っても、肝心の水平対向エンジンが新世代のFB20型へと進化したということ。ただし、NAのみで、ターボは従来のEJ20型のままではある。エンジン開発にはシャーシ同様に、何十億という開発費がかかるとされているが、スッパリと新型にしたという点においてスバルのやる気を感じさせるし、トヨタとの関係においても独自路線を今後も貫く表れとも見て取れるとの評価だ。
インパネの上部にはソフトフィール塗装をかけることで、独特の風合いが出ており、質感をアップさせている
またエンジンはEJ型のままとはいえ、2.5リッターターボ(263PS/35.4㎏-m)を搭載するSエディションが仲間入り。お馴染みのこちらはただのハイスペックではなく、大きめの排気量を活かして、低速から豊かなトルクを発揮させることで、扱いやすさも兼ね備えている。また、足回りを専用チューニングを施すことで最適化しつつ、STI製17インチを標準装備するなど、見た目からしても他のグレードとは別格感を演出する。
今回の改良に際しての外観上の大きな変更は、グリルまわり。凹凸をつけるなどして、力強さと質感をアップさせている。そのほかは、新デザインのホイールやルーフスポイラーの追加、LEDサイドターンランプ付きドアミラーの採用などが行われた
シフトは今回追加されたSエディションが5速ATのほかは4速ATで、一部には5速MTも用意されている
吹けは滑らかで、気持ちよく回る。新世代への進化ぶりは確実に体感できた。ただ、それだけにATは5速化してほしいところ
エンジンのうま味をさらに引き立ててくれるのが足回りのよさ。とくにリヤダンパーの応答性を高めているというのが利いている思われる。段差のいなしもよりしなやかになった
立体感のある2眼メーター。センター部のリングで構成された新デザインとなった。その名もスポーツルミネセントメーター
シートはとくに変更などはないが、もともとクッションもしっかりと利いている肉厚タイプなので不満はなし
ラゲッジも余裕たっぷりで、SUVならではの使い勝手のよさだ。後席のシートバックは6:4の分割可倒式で、荷物に合わせてアレンジ可能
SUVとしては過激なまでの2Sエディションの走り
まずは気になるSエディションの走りから。感想から先に言うと、速い。掛け値なしでスポーツカー並みで、やっぱり低速トルクが大きな武器にして、発進からグイグイと気持ちよく加速する。基本的にはタービンは大型なので、吹けもピカイチだ。SUVでここまでやっていいの? と思ったりもするが、スバルらしいとも言えるわけだし、別に過激すぎて怖いわけでもないので、安心してスポーティな走りを楽しめるという点ではアリだとは思う。
一方の新しくなった2リッターのNAはというと、こちらはじつに扱いやすい。このひと言に尽きる。エンジン内各部を軽量化しつつ、フリクションを低減させているというのだが、その効果は確実にわかるほど。ただ軽快に回るのとはちょっと違い、滑らかにしっかりとしたフィーリング、すなわちボクサーテイストはそのままにした気持ちのいい感じである。燃費についても15.0km/Lという好数値を実現しているというか、ベストバランスなユニットに仕上がっていると言っていい。新世代へのスイッチは成功だろう。
またSエディションだけでなく、他のグレードでも足回りのチューニングが施され、さらなる熟成を図っている。今回はワインディングが中心となったが、とにかくよく曲がる足に仕上がっているし、SUVにありがちな深いなロールはさらに消えており、エンジンのうま味をさらに引き出す、シャーシセッティングだ。
ただし、ブレーキがこれらに付いてきていない感じはしたのは事実。よく曲がる分、ブレーキでもコントロールしたい。トータルでのマッチングという点でブレーキのグレードアップも今後期待だと評価したい。
一方の新しくなった2リッターのNAはというと、こちらはじつに扱いやすい。このひと言に尽きる。エンジン内各部を軽量化しつつ、フリクションを低減させているというのだが、その効果は確実にわかるほど。ただ軽快に回るのとはちょっと違い、滑らかにしっかりとしたフィーリング、すなわちボクサーテイストはそのままにした気持ちのいい感じである。燃費についても15.0km/Lという好数値を実現しているというか、ベストバランスなユニットに仕上がっていると言っていい。新世代へのスイッチは成功だろう。
またSエディションだけでなく、他のグレードでも足回りのチューニングが施され、さらなる熟成を図っている。今回はワインディングが中心となったが、とにかくよく曲がる足に仕上がっているし、SUVにありがちな深いなロールはさらに消えており、エンジンのうま味をさらに引き出す、シャーシセッティングだ。
ただし、ブレーキがこれらに付いてきていない感じはしたのは事実。よく曲がる分、ブレーキでもコントロールしたい。トータルでのマッチングという点でブレーキのグレードアップも今後期待だと評価したい。
新たに加わったのがSエディションで、ダーク調&ブラックメッキを使用したグリルが別格感を演出している
メーターはスポーツルミネセントメーターとはさらに異なるSエディション専用となる。またステアリングにはパドルシフトも付く
ブルー部分はアルカンターラ。黒い部分は本革と、じつに凝っている専用シート。またドアトリムもブルーになるなど、スポーティだ
インプレッサWRX STI A-Lineと同じ専用2.5リッターターボを搭載。フォレスター唯一の5速ATが組み合わされる
とにかく速い。フォレスターがこんなに速くていいのか、と思うほどだが、スバルらしさという点では存分に走りを楽しめる。またSI-DRIVEも付く
速いからといって怖いわけではない。サスペンションは前後とも専用チューンで、ガッチリと攻め込める味付けだ。不安要素はブレーキだけか
ホットモデル、STIバージョンのtSも新たに登場
見ただけでSTIチューンというのがわかるWRブルー・マイカのtS。Sエディションをベースにしてフロントバンパーを変更するなど、さらに精悍になっている
さらにSエディションをベースにSTIが専用チューニングを施したコンプリートカー「tS」も今回新たに登場したのもトピックス。撮影車だけで、残念ながら試乗はできなかったが、まずはお馴染みのWRブルー・マイカが存在感&特別感を強烈にアピール。また17インチのSTI製ホイールやスポーツマフラー、フロントスポイラーなど、専用装備が充実しているだけでなく、足回りもSTIチューニングのダンパーや15ミリローダウンのスプリングに加えて、ボディ剛性を高めるべく、フレキシブルタワーバー・フロント、フレキシブルサポート・リヤを組み込んだほか、新開発のフレキシブルドロースティフナー・リヤなども付く。さらに最近のSTIバージョンの特徴としてブッシュにこだわっていることがあるが、このtSも例外でなく、チューニングを施すことでSTIが掲げる「強靱でしなやかな走り」を実現しているとのことだ
15ミリのローダウンで、ドッシリ感をアップさせている。低く構えたSUVというのも独特な雰囲気でカッコいい
往年のボクサーサウンドを彷彿とさせる、ドロドロ感の混じった音に注目。音量自体も高めで、STIチューンの本領発揮といったところ
17インチのSTI製ホイールが標準で付く。ここまで付いて、価格は362.25万円。たつた300台の限定となるので、気になる方は早めにどうぞ
代表グレード | スバル フォレスター S-EDITION |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 4560×1780×1675mm |
車両重量[kg] | 1540kg |
総排気量[cc] | 2457cc |
最高出力[ps(kw)/rpm] | 263ps(193kW)/6000rpm |
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] | 35.4kg-m(347N・m)/2800-4800rpm |
トランスミッション | 5速AT |
10・15モード燃費[km/L] | 9.8km/L |
定員[人] | 5人 |
消費税込価格[万円] | 312.9万円 |
発売日 | 2010/10/25 |
レポート | 近藤 暁史 |
写真 | オフィスマッシュルーム |
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(レポート:近藤暁史)
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