想像を超える完成度を誇るドイツの新スポーツカーメーカー【アルテガGT試乗評価】の目次
ドイツ生まれの新進気鋭スポーツカーメーカー、アルテガ
遠くから見てフェラーリかな、新しいマクラーレンかな、でも違うなと思いつつ近づくと、リヤミッドにエンジンを搭載し、まったく新しい引き締まったボディを持っている2シータースポーツカーだったら、ドイツ生まれのアルテガGTだ。
魅力的なエクステリアデザインを担当したのは、BMW Z8やアストンマーチンのデザインしたヘンリーク・フィスカ。
ボディサイズは、全長x全幅x全高【㎜】が4015x1882x1180、ホイールベースは2460、車重1132kgとコンパクトで軽量ある。アルミニウム立体骨組みと非常に軽いアルミニウムハニカム構造の車台を接着して造られているから軽くて強い。ドイツの衝突安全の基準も満たしていると高評価だ。
パワートレインは信頼性の高いフォルクスワーゲンのエンジンとトランスミッションを採用している。パサートCC V6 4モーションなどに搭載されている3.6リッターNAの大排気量V6エンジンだからこの軽量ボディには充分過ぎるパフォーマンスだ。
トランスミッションは、6速ツインクラッチのDSGをアルテガGT用に変更して本格的なスポーツカー用としてギヤレシオをマッチングさせている。これにより、最高スピードは270km/h。0-100km/hまでが4.8秒と俊足である。
毎日使える日常性をもった、安定性の高いスポーツカー
ドアを開けて乗り込む作業は、背の低いスポーツカーとしては意外とスムーズだ。ロータスのように狭い開口部に身体を曲げて通さなくてはならないことを考えると、ごく普通のクルマに近い。これなら毎日でも乗れそうだ。
インストルメントパネルも未来的で、メーターパネルもアルテガGTオリジナルデザインでおもしろい。ダッシュボードセンターのエアコンやオーディオのコントロール類もスマホのようなタッチパネルで先進的だ。
シートは薄いが、剛性の高いハイバックのバケットである。本格的なサーキット走行もこのままいけるほどホールド性が良いスポーツシートだ。ドライビングポジションを取ったとき、低いアイポイントはレーシングカーをイメージさせる。
エンジンを掛けると、ミッドシップだから当然ながら後ろから割りと大きな音が聞こえる。この感覚はスポーツカーとして重要な味付けでなかなか良い評価である。
2ペダルのDSGだから、エンジンを掛けてDレンジに入れれば簡単に走り出すことができる。エンジンの反応はアクセルペダルに対してピーキーでないから、市街地走行もスムーズに走れる。
アクセルペダルを深く踏み込むとエンジンの排気音も一段と大きくなり、エンジンとトランスミッションの荷重が掛かった駆動輪はホイールスピンする気配もなくエンジントルクをトラクションに換えて加速していく。6800rpmで自動的にシフトアップしていくが、トルクのつながりがよく、軽量なボディをグイグイ押し出す感じが気持ちよい。
ステアリングリムは、バックスキンで滑りにくい。その裏側の左右にはパドルがあり、Dレンジのままでも左はダウン、右はアップのシフトが可能だ。セレクターレバーをDレンジから後方へもう一段引けばSレンジ、Dレンジから右に倒せばMレンジになる。一般道を走りながらちょっとスポーティな走りをするなら、Dレンジのままパドルシフトを使うだけで充分だ。
電動パワーステアリングのできはよく、直進付近の小さな舵角から手応えがあり、全体的には軽いがしっかりした感触を持っている。
かなり攻めた走りをしても、なかなかクセを出さない。最後までお行儀良く振舞ってくれる。つまり、ドライバーの予想を裏切らないハンドリング性能を持っている。安定性は高いのだが、ハンドルやアクセルに対する反応も幅広いから操っていておもしろい。
試乗を終えての感想は、少量生産のメーカーなのに細かいところまでこんなにしっかりできているのは予想外だった。アルテガは、クルマ創りのプロの集団がまとめあげたスポーツカーだということを改めて感じた。
本格的なサーキットを攻めた走りができるだけでなく、奥さまやお嬢さんが「ちょっと借りるわよ」と気楽に乗れるイージーさも兼ね備えたところが新しい。
■「アルテガGT」価格
・11,890,000円
■「アルテガGT」主要緒元
・ステアリング 左
・全長×全幅×全高 4015×1882×1180 mm
・ホイールベース 2460 mm
・トレッド(前 / 後) 1534 mm / 1570 mm
・最低地上高 124 mm
・車両重量 1132 kg
・乗車定員 2 名
・エンジン V 型6 気筒DOHC
・総排気量 3597 cc
・ボア×ストローク 89.0×96.4 mm
・圧縮比 11.4
・燃料供給装置 電子制御コモンレール式筒内直接噴射
・最高出力 220 kW (300 PS) / 6600 rpm
・最大トルク 350 Nm / 2500 rpm
・燃料タンク容量 68 L
・燃料消費率 (Euro 5) 9.2 L / 100 km
・トランスミッション 6 速DSG
・駆動方式 後輪駆動
・ステアリング形式 ラック・ピニオン式
・ブレーキ形式(前 / 後) ベンチレーテッドディスク / ベンチレーテッドディスク
・サスペンション形式(前 / 後) ダブルウィッシュボーン / ダブルウィッシュボーン
・タイヤ(前 / 後) 235/35ZR19 / 285/30ZR19
・ホイール(前 / 後) 8.0 J × 19 / 9.5 J × 19
・パワーウェイトレシオ 3.77 kg / PS
・0-100 km/h 加速 4.8 秒
・最高速度 270 km/h
【関連記事】
- ドイツの新スポーツカーメーカー日本上陸【アルテガGT新車情報】
- V8、5Lハイブリッド搭載か? FRハイブリッドスポーツカー【レクサスLF-LC新車情報】
- ついに登場! 待望の小型FRスポーツカー【新型トヨタ86(ハチロク)新車情報】東京モーターショー出品車
- スポーツカーなのに燃費30%改善【メルセデス・ベンツAMG SLK55新車情報】
- 【メルセデス・ベンツ SLS AMG 試乗記】ガルウイングはハッタリか? SLS AMGの実力を暴く!
- 【アウディ RS5 新車試乗記】流麗なクーペフォルムをさらに鍛え上げたトップアスリート
- 【アウディ R8 5.2FSIクワトロ 試乗記】待望のトップモデルは走りも快適性も一級品!
【オススメ記事】
- フォルクスワーゲン ポロ新車情報・購入ガイド ついに全長4m越えに! 3ナンバー化した6代目新型ポロは、1.0L直3ターボを搭載【ニュース・トピックス】
- 三菱エクリプスクロス試乗記・評価 さすが4WDの三菱! 豪快にリヤタイヤを振りだすような走りも楽しめる絶妙なS-AWCに脱帽!【レビュー】
- 【日産リーフ 長期評価レポートvol.6】 日差リーフの実電費チェック! (一般道編)コツコツ電費を稼ぐe-Pedal【評論家ブログ : 日産リーフ】
- メルセデス・ベンツSクラス新車情報・購入ガイド 約20年振りの直6エンジンに、ISGを組みあわせた次世代エンジンを搭載!【ニュース・トピックス】
- 【日産リーフ 長期評価レポートvol.5】 日差リーフの実電費チェック! (高速道路編)実電費アップは、こだわりの空力性能にあり!【評論家ブログ : 日産リーフ】
- 三菱エクリプスクロス新車情報・購入ガイド スタイルに走り、装備とスキ無しの完成度を誇るコンパクトSUV。ガソリン車だけしかないことが、唯一の弱点?【ニュース・トピックス】
- 【日産リーフ 長期評価レポートvol.4】 30歳代クルマ好き女性、初めての電気自動車! その評価は?【評論家ブログ : 日産リーフ】
- 日産セレナe-POWER新車情報・購入ガイド ついに、シリーズハイブリッドシステムを搭載したセレナ! 5ナンバーミニバン、ハイブリッド車戦争へ加速!!【ニュース・トピックス】
- マツダCX-8試乗記・評価 際立つ運転のしやすさ! こだわりの「躍度」を雪上でチェック!【レビュー】
- 日産テラ(TERRA)新車情報・購入ガイド ナバラベースのSUV中国でデビュー! 日本への導入は?【ニュース・トピックス】
【関連記事】
- スバルWRX S4、後悔・失敗しないための新旧比較【対決】
- スバルBRZ新旧比較評価 2.0Lから2.4Lへ。排気量アップで得たものは?【対決】
- 272ps+4WD! トヨタ ヤリスGR-FOUR(GRヤリス)2020オートサロンレポート 【イベント・モーターショー】
- ココロトキメク車を探して2013・・・東京モーターショー2013探訪記(その5)【ルノー デジール編】【イベント・モーターショー】
- BMW 3シリーズ グランツーリスモ新車試乗評価 すべてに余裕を感じさせる3シリーズ【BMW】
- 日産保管庫では意外とメジャー?日産のもう一つのスポーツカー!シルビア(S12)編 【日産ヘリテージコレクション探訪記その4】 [CORISM]【イベント・モーターショー】
- 日産保管庫でしか会えない!?ホントの幻の名車発見! 【ニッサンMID4編〜日産ヘリテージコレクション探訪記その3】 [CORISM]【イベント・モーターショー】
- 日産保管庫ではフェアレディZフリークも大満足!? (フェアレディZ(S30)編〜日産ヘリテージコレクション探訪記その2)【エンタメ】
- 日産保管庫はやっぱりGT-Rの聖地!? (ケンメリ・スカイラインGT-R編〜日産ヘリテージコレクション探訪記その1) [CORISM]【エンタメ】
- 【トヨタ 86新車試乗記】 自動車評論家 渡辺 陽一郎が本音で斬る!走行安定性を犠牲にして、運転の楽しさを追求? [CORISM]【生活・文化】
【オススメ記事】
- ホンダWR-V試乗記・評価 大満足か後悔か? 成功か失敗か? 見極め重要なコンパクトSUV【ホンダ】
- 日産エクストレイル(T33型)vs トヨタ ハリアーハイブリッド(80系)徹底比較!【対決】
- 日産フェアレディZ新車情報・購入ガイド 2025年モデルが登場! 納期は? 転売ヤー対策は?【日産】
- BMW M2クーペ(G87)試乗記・評価 「サーキットで乗ってみたい!」クルマ好き女子が試乗!【BMW】
- 2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー、栄えある10ベストカーが決定! 今年のナンバー1は、どのクルマに!?【イベント】
- 2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー、ノミネート車31台が決定!【イベント】
- マツダCX-80試乗記・評価 すべてに大人の余裕を感じた国内フラッグシップ3列SUV【マツダ】
- 三菱 アウトランダーPHEV新車情報・購入ガイド 大幅改良&値上げ。それでも、コスパ高し!!【三菱】
- スズキ フロンクス試乗記・評価 価格、燃費値を追加。欧州プレミアムコンパクトに近い上質感【スズキ】
- 日産セレナAUTECH SPORTS SPEC新車情報・購入ガイド 走りの質感を大幅向上した特別なモデル【日産】
CORISM公式アカウントをフォローし、最新記事をチェック!