スバル レヴォーグ(LEVORG)プロトタイプ新車試乗評価 の目次
国内専用とはいえ、全幅1,780mmとワイド! 4代目レガシィに比べ+50mm!
2014年5月からの発売が予定されいてる新型スバル レヴォーグ に、ツインリンクもてぎの本コースと外周路で体験試乗する機会があった。もてぎの本コースでの試乗ながら、乗れたのはほんのちょい乗りという感じだったので、通常の試乗のようにいろいろなことを試せたわけではない。ただ、わずかだが実際に乗ってみると、おぼろげながら分かったこともある。
新型スバル レヴォーグは、東京モーターショー でお披露目されてから、外観デザインについては完全に公開されている。スバルとしては、初代レガシィツーリングワゴンの再来を狙ったモデルである。基本プラットホームはインプレッサ 用のものなので、言ってみればインプレッサワゴンなのだが、国内専用モデルとして開発したステーションワゴン なので、レヴォーグという名前をつけている。
レガシィ がモデルチェンジを重ねるごとにボディサイズが拡大し、特に現行レガシィは完全にアメリカ向けのサイズになって日本ではあまり売れないクルマになってしまった。そこで改めて日本市場に開発したのがレヴォーグだ。
新型スバル レヴォーグのボディサイズは、全長やホイールベースが現行レガシィに比べて100mmも短くなり、ひと世代前の4代目レガシィに近いサイズになった。ただし、全幅は現行レガシィと同じ1780mmで、これは4代目レガシィに比べると50mmも大きい。
国内向けの限界値ともいえる1800mm以内には何とか収まったが、国内専用モデルを標榜するなら、もっと抑制されたボディにして欲しいところだった。
また、いろいろな車種がフルモデルチェンジを重ねるごとにボディを拡大していることを考えると、1780mmからスタートしたのでは、次期レヴォーグでは簡単に1800mmを超えてしまうのではないかと心配になる。
レヴォーグの発売前から次期モデルのことを語っても仕方がないが、ボディサイズの拡大にはくれぐれも慎重になって欲しいと思う。
外観デザインは、長く伸びたルーフラインがステーションワゴンらしさを表現すると同時に、ルーフの後端部分をやや下げ気味にしてスポーティさを表現している。レヴォーグは単なるワゴンではなくスポーツツアラーを目指して開発されたクルマなのだ。
レヴォーグのインテリアは、インプレッサをベースにしながらも、金属調のアクセントやピアノブラック調のパネルなどによって質感を表現したほか、ステアリングはボトム部分がフラットになったDシェイプタイプを採用している。
ラゲッジスペースの容量は4代目レガシィの459Lを大きく上回る522Lを確保した。これは、現行レガシィの520Lを上回る数値である。
燃費で勝り、レギュラーガソリン仕様。レヴォーグのベストバイは、1.6L車か?
レヴォーグには、明確に性格分けされた2機種のエンジンが搭載されている。いずれも直噴ターボ仕様で、2.0Lはすでにレガシィに搭載されているのと同じ221kW(300ps)/400N・m仕様。レヴォーグ用に新開発された1.6Lは125kW(170ps)/250N・mの動力性能を発揮する。
このエンジンは、1.6Lがレギュラーガソリン仕様。2.0Lがハイオク仕様だ。新型スバル レヴォーグの燃費は、1.6GTアイサイトが17.4㎞/Lで、2.0GTアイサイトが13.2㎞/Lとなっている。燃費がこれほど違う上に、ハイオク仕様の2.0GTは、燃料費という視点で1.6GTと比較すると大きな差が出るだろう。初期受注の内、約70%が1.6Lを選択する理由も分かる。
トランスミッションは、ともにリニアトロニックと呼ぶチェーン式のCVTで、2.0Lエンジンにはスポーツ仕様のCVTが組み合わされる。
両方のモデルを走らせた印象は、1.6Lでも十分という感じだった。1.6LのDITエンジンの動力性能の数値はレガシィに搭載される2.5Lの自然吸気エンジンに匹敵するものだ。それでいて車両重量はレヴォーグのほうが軽いのだから、走りの感覚はレガシィ 以上である。
そんな走りと燃費を両立しているのがレヴォーグ1.6DITの特徴だ。直噴ターボ仕様にすることで2.5Lの自然吸気エンジンに比べたらコストがかかっているが、その結果として良好な燃費が得られている。
車内測定値では、JC08モードで17.4km/Lを達成したとのことで、満タンにして走れば航続距離は1000kmを超える計算になる。超ロングドライブも可能なクルマである。
レヴォーグの乗り心地はちょっとというか、かなり硬めの印象だった。走行シーンが違うので単純に比較できないが、18インチタイヤを履いてビルシュタイン製のダンパーを装着した2.0L車より、17インチタイヤの1.6L車のほうが硬めの印象を受けた。
2.0L車の動力性能は、すでにレガシィで定評を得ている部分。スポーツタイプのCVTなので、S#を選択すれは8速のギア段を刻むようにして加速していくが、通常のモードでも十分に速い。あっという間に高速域に達している。
駆動方式は違えど、ライバルは従来通りフォルクスワーゲン ゴルフ?
かつて、レガシィはステーションワゴンの使い勝手の良さ、フルタイム4WD の走破性の高さ、GTに搭載されるDOHCターボのスポーティな走りなど、さまざまな魅力で良く売れていた。今回のレヴォーグもまた、そうしたレガシィが受け入れられてきた要素を見事に再生して見せたといえる。
しかも、レヴォーグにはかつてのレガシィにはなかったアイサイトがある。今回のアイサイトは進化版が搭載され、車線中央維持機能なども搭載される。その体験もしたが一定の効果があることが分かった。
レガシィの肥大化により、行き場を失いかけていたスバリストにとって、新しい魅力的な選択肢が提示されたといえるだろう。
レヴォーグは、すでに予約受注が始まっている。ベースグレードの1.6GTの価格は266万7600円。ただし、アイサイト付きを選ぶと価格は277万5600円になる。これが実質的なスタート価格だ。1.6GT-Sアイサイトの価格は305万6400円で、2.0GTアイサイトは334万8000円、2.0GT-Sアイサイトは356万4000円という設定になっている。
直噴ターボ仕様のエンジンを搭載するAWD車であることを考えても、価格設定はちょっと高めの印象となる。4代目以前のレガシィユーザーは、現行レガシィに移行せずにほかの車種に乗り換える例が多かったが、その乗り換え先のモデルとして多かったのがゴルフ やゴルフ ヴァリアント だ。
新型スバル レヴォーグの価格は、駆動方式の違いがあるとはいえ、ゴルフ7のハイラインやGTIとちょうど重なっている。改めてゴルフ と競合するクルマになったといえそうだ。
スバルは、この後WRX や6代目レガシィ と、続々と新型車が投入される。
新型スバル レヴォーグ価格、燃費、スペックなど
<新型スバル レヴォーグ(LEVORG)価格>
・1.6GT 2,667,600円
・1.6GT EyeSight 2,775,600円
・1.6GT-S EyeSight 3,056,400円
・2.0GT EyeSight 3,348,000円
・2.0GT-S EyeSight 3,564,000円
■新型スバル レヴォーグ(LEVORG)グレード構成
・1.6L水平対向直噴ターボDIT搭載モデル
1.6GT EyeSight:走行性能と環境性能を高次元で両立した新世代のスバルを象徴するモデル
1.6GT-S EyeSight:専用アイテムを装備した、1.6ℓ上級スポーツモデル
・2.0ℓ水平対向直噴ターボDIT搭載モデル
2.0GT EyeSight:圧倒的な動力性能を発揮するハイパフォーマンスモデル
2.0GT-S EyeSight:所有する悦びをさらに高めるレヴォーグ最上級モデル
【新型スバル レヴォーグ(プロトタイプ)主要諸元】 ※数値はすべてプロトタイプ仕様の参考値
・全長×全幅×全高(mm) 4,690×1,780×1,485
・ホイールベース(mm) 2,650
・サスペンション形式[前/後] ストラット式/ダブルウィッシュボーン式
・駆動方式 シンメトリカルAWD
■1.6L水平対向直噴ターボ“DIT”搭載車 最大出力125Kw(170ps) 最大トルク250Nm(25.5㎏-m)
・車両重量(kg) 1,540
・トランスミッション:リニアトロニック
・燃費[km/L](JC08モード) 17.4
・タイヤサイズ 215/50R17
■2.0L水平対向直噴ターボ“DIT” 最大出力221Kw(300ps) 最大トルク 400Nm(40.8㎏-m)
・車両重量(kg) 1,570
・トランスミッション:スポーツリニアトロニック
・燃費[km/L](JC08モード)13.2
・タイヤサイズ 225/45R18
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