フォルクスワーゲン ティグアン試乗記と評価の目次
- FF(前輪駆動)のみと割り切った設定となった新型ティグアン
- 高い静粛性と扱いやすいエンジン
- 引き締まったサスペンションだが、しなやかさも併せ持つ
- 居心地のよいフロントシート
- フォルクスワーゲン ティグアン価格
- フォルクスワーゲン ティグアン燃費、スペックなど
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■FF(前輪駆動)のみと割り切った設定となった新型ティグアンの評価は?
フォルクスワーゲンが送り出したミドルサイズのクロスオーバーSUVがティグアンである。
フルモデルチェンジし、新しい生産モジュール「MQB」を採用した第2世代のティグアンが、日本に上陸した。エクステリアは、最新のVWモードをまとっている。踏ん張りの利いた台形フォルムは躍動感あふれるスタイリングに生まれ変わった。
フロントマスクなどには、パサートの趣も感じられる。全長は4500㎜と長くはない。だが、全幅は1840㎜まで広げられ、堂々とした体躯だ。日本に輸入されるのは、18インチタイヤを履くTSIハイラインとコンフォートライン、そして19インチの45タイヤを履くRラインである。今のところ4WDの4モーションの設定はなく、3グレードともFF(前輪駆動)車だ。
■高い静粛性と扱いやすいエンジン
パワーユニットは、優れたドライバビリティに加え、環境性能も高めたダウンサイジングターボのブルーモーションを受け継いでいる。1.4Lの直列4気筒DOHCエンジンに、直噴システムの組み合わせは変わらない。だが、先代のスーパーチャージャーとターボのツインチャージャーから、気筒休止システムのACT(アクティブシリンダーマネジメント)とエネルギー回生システムを組み合わせた直噴ターボに変更された。
最高出力は110kW(150ps)/5000〜6000rpmだ。先代のツインチャージャーエンジンより10psパワーダウンしている。だが、最大トルクは250N・m(25.5kg-m)/1500〜3500rpmに増強された。JC08モード燃費は、16.3km/Lだ。トランスミッションはツインクラッチの6速DSGを組み合わせている。
新型ティグアンの1.4L直噴ターボは、低回転からターボが威力を発揮し、軽やかな加速を見せつけた。アクセルを戻し、再び踏み込んで加速したときの応答レスポンスも鋭い。ターボの弱点であるターボラグは上手に抑えられている。
混んだ街中でのドライバビリティも良好だ。最高出力は下げられているが、最大トルクが増えているから追い越しも俊敏にこなす。さすがに登坂路、多人数乗車では余裕がなくなる。そんなときはスポーツモードを選べばいい。高回転を多用して、力強い加速を披露した。その気になれば身体をシートに押し付けられる、数値以上の気持ちいい加速を味わうことができる。加速したときのエキゾーストサウンドも耳に心地よい。
それでいてクルージング時の静粛性はクラストップレベルの実力だ。ロードノイズと風切り音も上手に封じている。ツインクラッチ採用の6速DSGは洗練度を高めた。滑らかに変速し、レスポンス鋭い加速を見せてくれる。停止直前のギアダウン時の変速ショックも上手に抑え込んだ。TSIハイラインとRラインはパドルシフトが標準になる。ステアリングに設けたスイッチを使って自在に好みのギアを選ぶことが可能だ。下り坂や追い越しでは重宝する。
新型ティグアンは、ガソリン車のみの設定だ、未だクリーンディーゼルの設定はない。搭載されれば、かなり期待できるはずだ。
■引き締まったサスペンションだが、しなやかさも併せ持つ
新世代プラットフォームであるMQBにストラットと4リンクのサスペンションの組み合わせは、安心感のある走りを披露した。
フロアまわりを含め、骨格はシャキッとしているし、足の動きもいい。フットワークは安定志向の味付けだ。素直なハンドリングだから舗装路でもオフロードでもコントロールしやすい。パワーステアリングもいい仕上がりだ。軽やかにクルマが向きを変え、荒れた路面を走っても足の動きはしなやかである。
スポーティ感覚が強いのは、255/45R19サイズのファットなタイヤを履くRラインだ。19インチタイヤを上手に履きこなし、背の高さを感じさせない。路面からのインフォメーションは分かりやすいし、乗り心地も18インチタイヤを履くティグアンより上質と感じるほどだった。サスペンションは引き締められているが、路面の凹凸をしなやかに受け流す。
■居心地のよいフロントシート
ティグアンのキャビンは、満足できる広さを確保している。ちょっとアップライトのドライビングポジションだから見晴らしはいいし、運転しても安心感があった。
フロントシートは、居心地がいい。メーターまわりは最新のアウディと似たデザインだ。全面を液晶にしたアクティブインフォメーションディスプレイを採用し、メーターの間に組み込んだ12.3インチのモニターも見やすい。
質感も同クラスの日本製クロスオーバーカーの一歩上を行く。スライド機構を装備したリアシートも快適だ。不満のない広さだし、座り心地もよかった。ラゲッジルームも不満のない広さだ。サイズ的にはマツダCX-5と同等。BMW X1より少し広く、荷物を積みやすい。
リアシートは3分割可倒式で、畳めば大きな荷物も難なく積み込める。床下収納も小物を積むのに便利だ。
エントリグレードのTSIコンフォートラインは、日本製SUVとも競合する戦略価格を打ち出した。走りの実力が高いだけでなく、快適装備と先進安全装備も充実している。歩行者も検知するプリクラッシュブレーキシステムや完全停止までコントロールしてくれるアダプティブクルーズコントロールは全車に標準だ。
また、つながる機能も充実させた。イチオシは、コンフォートラインに20万円の上乗せでLEDヘッドライトなどが追加されるアップグレードパッケージだ。
■フォルクスワーゲン ティグアン価格
・TSI Comfortline :3,600,000円
・TSI Highline :4,332,000円
・TSI R-Line:4,632,000円
■フォルクスワーゲン ティグアン燃費、スペックなど
全長 4,500mm
全幅 1,860mm
全高 1,675mm
ホイールベース 2,675mm
車両重量 1,540kg
乗車定員 5名
JC08燃料消費率 16.3km/L
エンジン 種類 直列 4 気筒 DOHC インタークーラー付ターボ(4 バルブ)
総排気量 1,394 cc
最高出力 110kW(150PS)/ 5,000〜6,000rpm
最大トルク 250Nm(25.5kgm)/ 1,500〜3,500rpm
トランスミッション 6速 DSG
フロントサスペンション マクファーソンストラット(スタビライザー付)
リヤサスペンション 4 リンク(スタビライザー付)
使用タイヤサイズ 255/45R19
価格(税込) 4,632,000円
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