続々登場した新型SUV。おすすめSUVを比較評価する! まずは、燃費やボディサイズをチェック!!
■マツダCX-5新車情報/購入ガイド CX-5試乗評価、燃費、比較評判記事集
また、オフローダー的なデザインながら、車種によっては4WDだけではなく、FF車もライナップされている。多くのユーザーが、必ずしも悪路や雪道を走る訳ではない。ライフスタイルの一部としてSUV車を好むことから、価格も安く購入しやすいFF車も人気だ。最近のSUVは、それぞれに特徴を持つと同時に似たようなサイズ、排気量のクルマなのでここで改めて比較しておこう。
比較評価するするSUVは、マツダCX-5、スバル フォレスター、三菱アウトランダー、ホンダCR-V。基本的なサイズや燃費などのスペックは以下のとおりだ。
■SUV比較評価 車名 全長(mm) 全幅 全高 ホイールベース 重量 パワー トルク 燃費
CR-V 2.0(FF) 4535 1820 1685 2620 1460kg 110kW 191N・m 14.4km/L
CR-V 2.4(4WD) ↑ ↑ ↑ ↑ 1540kg 140kW 222N・m 11.6km/L
CX-5 ガソリン2.0(FF) 4540 1840 1705 2700 1460kg 114kW 196N・m 16.0km/L
CX-5 ディーゼル2.2(4WD) ↑ ↑ ↑ ↑ 1620kg 129kW 420N・m 18.0km/L
アウトランダー 2.0(FF) 4655 1800 1680 2670 1440kg 110kW 190N・m 15.2km/L
アウトランダー 2.4(4WD) ↑ ↑ ↑ ↑ 1530kg 124kW 220N・m 14.4km/L
フォレスターNA 2.0(4WD) 4595 1795 1695 2640 1480kg 109kW 196N・m 15.2km/L
フォレスターターボ 2.0(4WD) ↑ ↑ ↑ ↑ 1590kg 206kW 350N・m 13.2km/L
■スバル フォレスター新車情報/購入ガイド 直噴ターボDIT搭載&CVT化で燃費向上。6MT車も設定
日本での使い勝手を考えた各車のボディサイズを評価
ボディサイズを比べると、いずれも全長は4500mmから4650mm程度で比較的コンパクトなサイズに抑えられている。リヤにトランクを持つセダンで考えたら、プレミオ/アリオンと同じくらいの長さに抑えられている。
ただし、全幅はいずれも広い。5ナンバーサイズにとどまらないのは当然で、CR-VとCX-5に2車種に至っては1800mmを超えている。これはアメリカやヨーロッパ、中国などの市場を重視して商品開発をしているためで、日本市場のことがあまり評価できない。特にCX-5ではドアミラーの外側で測ると2mを超える幅になる。あまりにも大きすぎる。
アウトランダーとフォレスターはかろうじて1800mm以下に抑えているが、これはぎりぎりで日本市場のことも考慮したということだろう。
参考までに書いておくと、基本的に日本でしか販売されないクラウンは、今年12月のフルモデルチェンジで登場した新型車も全幅を1800mmに抑えている。日本の道路や駐車場などのインフラを考えると、全幅は1800mmが限界なのだと思う。
■ホイールベースは決定的な違いはナシ。三菱アウトランダーのみ7人乗りの設定
ホイールベースは各車とも2620mmから2700mmの間に収まった。長くすれば室内空間を広くできるが、長すぎると小回りが効かなくなる。室内空間というか、後席の広さには車種によって微妙な違いがあるが、決定的な違いはない。
アウトランダーだけが3列目のシートを備えるのが大きなポイントで、ミニバン的な使い勝手が可能。従来のモデルでは緊急用のシートといった感じだったが、今回のモデルでは少ししっかりしたシートが用意されている。
最小回転半径についてはいずれも5.3mから5.5mの間に収まっているので、まあ問題はない。日本では最小回転半径が5.5mを超えると取り回しが不便になることが多い。
各車のぶつからない装備、安全装備を評価する
最近注目の安全装備は、スバルのアイサイトが一歩リードしている。“ぶつからないクルマ”という分かりやすいキャッチフレーズと、10万5000円というリーズナブルな価格設定によってフォレスターでは80%近い装着率になっているという。断然のイチ推しだ。
追突軽減ブレーキは、ホンダのほうが先に開発していてCMBSの名前でいくつかの車種に設定していたが、現行CR-Vには設定されていない。ホンダには低価格化と幅広い車種への展開が期待される。
CX-5には追突軽減ブレーキのスマートシティブレーキサポートのほか、リヤビークルモニタリングシステムなどをセットにしたセーフティクルーズパッケージが8万円弱でオプション設定されている。スバルのアイサイトに比べると、ややシンプルなシステムで、人間を認識することはできないが、割安な価格で装着できるので、CX-5を買うならぜひとも装着したい。
アウトランダーは、上級グレードにeアシストの名前で追突軽減ブレーキ、車線逸脱警報、レーダークルーズコントロールが標準装備されている。これも比較的シンプルな仕様だが、カメラとレーダーの両方を使っている。現在はそれぞれが独自に作動しているので、将来的には両方を合わせたシステムに発展させることが期待される。
動力性能、駆動方式を評価
2.0Lの自然吸気エンジンの動力性能は、いずれも似たりよったりという感じ。CX-5の2.0Lエンジンがやや優位に立つが、決定的な違いではない。ただ燃費も含めて考えると、やはりCX-5が優れていて、SKYACTIV技術によって優位に立っているのが分かる。
SUVタイプのクルマで、しかもこのミドルクラスのクルマで、4WDでなくFFを選ぶ意味がどれくらいあるのか個人的には全く理解できないのだが、そのように考えるのは時代遅れなのかもしれない。4WD車しかラインナップされていないフォレスターを除くと、各車種ともFF車がかなり高い比率で売れている。
フォレスターは、2.0L車も4WDなのに車両重量が1500kgを切っていて、結果として4WDなのに燃費も15.2km/Lを達成している。CR-VのFF車を上回り、アウトランダーのFF車と同じ数値を4WD車で得ているのだから、ボディの軽量化で頑張ったことが燃費につながっている。
クリーンディーゼルは、優れた燃料経済性だが振動・騒音もある。ターボは、燃費が良くない上にハイオク仕様でガソリン代が高くなる
上級仕様のパワーユニットは、CR-Vとアウトランダーが2.4Lのガソリン、CX-5にはクリーンディーゼル、フォレスターには直噴ターボが搭載されている。
群を抜いているのがクリーンディーゼルで、パワーはともかくトルクは420N・mとV型6気筒4.0Lエンジン並みの性能を得ていて走りに大きな余裕がある。燃費も18.0km/Lと最も良い数値を得ているほか、軽油代も含めて考えると燃料経済性の高さが特筆される。
ただ、ディーゼルエンジンは振動や騒音が大きい。特にほかの音が入ってこない低速域では気になるし、アイドリング中の車外音も大きい。速度が上がればあまり気にならなくなるが、高速走行中の振動・騒音もガソリン車に比べたらやや大きい。そうしたメリット/デメリットを考えて選ぶ必要がある。
フォレスターには、直噴ターボ仕様のエンジンが搭載されている。レガシィ用と同じエンジンでやや違うチューニングが施されているが、それでも206kW(280ps)のパワーと350N・mのトルクを発生している。高速クルージングが楽しいクルマであるが、燃費はあまり良くない。さらに、ハイオク仕様なので、燃料代も高くなる。
CR-Vとアウトランダーに搭載される2.4Lのガソリンエンジンは、CR-V用のほうが動力性能に優れるが、燃費は良くない。アウトランダー用もトルクではほぼ互角で燃費で優れているという関係にあり、どちらが良いかは微妙なところがある。
4WDシステムは基本的に電子制御4WDで、4WDとしての走りは各車とも生活4WDから雪道などでの走りを想定したものだ。そんな中でフォレスターだけは、Xモードという本格派のオフロード4WDに用意されるようなモードが設定されていて、オンロードだけでなくオフロードも走れるようなクルマに仕上げている点が注目される。
ぶつからないクルマ スバルのアイサイト作動動画
松下 宏が比較評価した、ニーズ別おすすめするSUVは?
マツダCX-5は、ボディサイズを除けば、長距離走行が多い人にクリーンディーゼル車がおすすめSUV!
長距離移動と走行距離も多い人には、何といってもクリーンディーゼルを搭載したCX-5がお勧め。走りの余裕と燃料経済性の両方が手に入るからだ。積雪地のユーザーなど雪道を走る機会の多いユーザーにはCX-5のディーゼルの4WDをお勧めしたい。
<マツダCX-5>
■マツダCX-5新車情報/購入ガイド CX-5試乗評価、燃費、比較評判記事集
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<スバル フォレスター>
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