トヨタは隠れミノに使われた!?
大規模リコール騒動に揺れる、まさに“真冬”のトヨタ。確かに「車内からの911コール」などのニュースは衝撃的で“あおる”にはもってこいのネタが揃ってしまった。しかし、センセーショナルなトヨタ関連ニュースの陰に隠れて、欧州をはじめとした自動車メーカーが相次いでリコールを発表し、対象地域も世界各地へ広がるという異例の事態になっている。
スズキに資本参加し、今年、世界ナンバー1へ躍り出ると予想されるドイツのフォルクスワーゲンはブラジルで「ノボ・ゴル」と「ボヤージュ」の19万台余りに、フランスのルノーはブレーキの欠陥で「セニック」や「メガーヌ」など欧州で約3万5000台をリコール。同じくフランスではプジョー・シトロエンが「プジョー107」と「シトロエンC1」など約10万台、プジョー・ジャポンの「307シリーズ」の一部モデルも約1万3000台のリコールだ。お隣の韓国ではヒュンダイが新型「YFソナタ」を韓国とアメリカで約5万台と、まさに数珠つなぎ状態。
スズキに資本参加し、今年、世界ナンバー1へ躍り出ると予想されるドイツのフォルクスワーゲンはブラジルで「ノボ・ゴル」と「ボヤージュ」の19万台余りに、フランスのルノーはブレーキの欠陥で「セニック」や「メガーヌ」など欧州で約3万5000台をリコール。同じくフランスではプジョー・シトロエンが「プジョー107」と「シトロエンC1」など約10万台、プジョー・ジャポンの「307シリーズ」の一部モデルも約1万3000台のリコールだ。お隣の韓国ではヒュンダイが新型「YFソナタ」を韓国とアメリカで約5万台と、まさに数珠つなぎ状態。
実はアメリカの“お家芸”だった「recall」
これを昨年にまでさかのぼってみれば、さらにリコールの輪は広がる。あまりに売れるトヨタブランド叩きの「陰謀説」までささやかれるアメリカでも、叩けばホコリが出てくる。旧ビッグスリーのリコールは例年行事とさえなっている“日常”の出来事。目立ったところでは、フォードがクルーズコントロールの不良で約450万台、今年に入るとさらに1万3000台余りの追加リコールを行っている。GMも急ブレーキ時に発火の恐れがある「ポンティアック・グランプリ」など150万台改修に加えて、今月にはパワステの不具合で「シボレー」など約130万台のリコールを発表。クライスラーは2007年に8万台超、今年もブレーキ異常で2万台超の“憂き目”にあっている。
こうなってくると、TIME誌電子版の「記憶に残る史上最悪のリコールTOP10」で1位がトヨタになっていることにも、逆に何か作為的なものさえ感じられる。しかもこのランキングを見てみると、4位にあげられた1978年のフォード・ピント事件は開発段階でガソリンタンクの欠陥に気付いていながら、対策コストと事故発生時の賠償金額を天秤にかけたうえで、知らんぷりしていたというのだから、ユーザーの安全など“屁”とも思わない確信犯以外の何者でもない。そして、このフォードは5位のファイアストン社のタイヤリコールにも一枚かんでいる。同社の「エクスプローラー」に標準装着されていたタイヤの破裂問題で約1440万本を回収したというものだが、本当のところの責任の所在をめぐっては、タイヤメーカーと最期の泥仕合まで展開したのだ。
こうなってくると、TIME誌電子版の「記憶に残る史上最悪のリコールTOP10」で1位がトヨタになっていることにも、逆に何か作為的なものさえ感じられる。しかもこのランキングを見てみると、4位にあげられた1978年のフォード・ピント事件は開発段階でガソリンタンクの欠陥に気付いていながら、対策コストと事故発生時の賠償金額を天秤にかけたうえで、知らんぷりしていたというのだから、ユーザーの安全など“屁”とも思わない確信犯以外の何者でもない。そして、このフォードは5位のファイアストン社のタイヤリコールにも一枚かんでいる。同社の「エクスプローラー」に標準装着されていたタイヤの破裂問題で約1440万本を回収したというものだが、本当のところの責任の所在をめぐっては、タイヤメーカーと最期の泥仕合まで展開したのだ。
我々は歴史の証人になれるのか!? 待ったなしの大復活に挑むTOYOTA
要するに、今我々が目にしているのは歴史の一端に過ぎない。もちろん人命に関わることなので、決して簡単に納得できるものではないが、トヨタだけがリコール無縁の“特別な”自動車を作っていたわけではないという当たり前の事実が明らかになっただけなのかもしれない。ここからは本当の意味でのトヨタの地力が試されることになる。最終的には今回のトヨタのリコール対象車は全世界で900万台を超えるという予想もあるが、裏を返せばそれだけ売れに売れているという揺るぎない事実の証明でもあるのだ。創業以来、最大の大寒波に見舞われたトヨタに春の訪れはあるのだろうか? ピンチはチャンスの言葉の通り、ここでJALとの違いを見せつける「カイゼン」策に期待するというのは、少々甘ちゃんに過ぎるだろうか。
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(レポート:大岡 智彦)
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