エコカー補助金は本当に良かったのか? エコカー補助金の功罪 [CORISM]
【生活・文化】2010/10/01
意見が分かれるエコカー補助金の評価
エコカー補助金が9月中旬に終了した。最後に駆け込み重要が大量に発生したことで、予定期間を待たずに予算が終了する結果になった。
最後になってエコカー補助金を狙うユーザーが多かったわけだが、このエコカー補助金に対するユーザーの評価は案外冷静なものがある。それはガリバー自動車流通研究所のアンケート調査によっても良く分かる。
エコカー補助金の評価で最も多いのは、新車が売れるようになって良かったというもので、これが複数回答ながら34.7%と3分の1以上を占めている。ほかに景気対策として良いという意見が21.3%あり、それなりにポジティブな評価を受けているのは事実である。
ただアンケート結果を見ると、ポジティブな評価ばかりでなく、ネガティブな評価もまた多かったのが分かる。
自動車業界だけが恩恵を受けるので不公平というのが32.1%もあったし、補助金は需要の先食いにしかならないので良くないとする冷静な意見も30.3%あった。
ほかに中古車にも補助金をという声が合わせると25.9%もあり、ユーザーの意見が割れているのが分かる。
補助金期間中にクルマを買った人は間違いなく得した気分になっているので良かったと思っているだろうが、その恩恵に預かれなかった人のほうが圧倒的に多いわけで、そうした人にとっては必ずしも良いものとは思っていないことが良く分かる。
最後になってエコカー補助金を狙うユーザーが多かったわけだが、このエコカー補助金に対するユーザーの評価は案外冷静なものがある。それはガリバー自動車流通研究所のアンケート調査によっても良く分かる。
エコカー補助金の評価で最も多いのは、新車が売れるようになって良かったというもので、これが複数回答ながら34.7%と3分の1以上を占めている。ほかに景気対策として良いという意見が21.3%あり、それなりにポジティブな評価を受けているのは事実である。
ただアンケート結果を見ると、ポジティブな評価ばかりでなく、ネガティブな評価もまた多かったのが分かる。
自動車業界だけが恩恵を受けるので不公平というのが32.1%もあったし、補助金は需要の先食いにしかならないので良くないとする冷静な意見も30.3%あった。
ほかに中古車にも補助金をという声が合わせると25.9%もあり、ユーザーの意見が割れているのが分かる。
補助金期間中にクルマを買った人は間違いなく得した気分になっているので良かったと思っているだろうが、その恩恵に預かれなかった人のほうが圧倒的に多いわけで、そうした人にとっては必ずしも良いものとは思っていないことが良く分かる。
エコカー補助金が新車販売に与えた影響は? マーケットを歪めた結果にも?
エコカー補助金によって新車の売れ行きがどのように変わったか、そして今後どうなるのかという見通しを示したのが下のグラフである。
8月から9月にかけての時期に駆け込み需要が盛り上がり、折れ線グラフが突き上がっている。その上げ幅が大幅だった分だけ、10月以降の新車販売が落ち込むのは間違いないとの見通しになっている。上のグラフの10月以降は推計だが、当面の新車販売は大幅な落ち込みが続くものと見られる。
この時期に放映された間もなくエコカー補助金がなくなるというメーカー各社のテレビCMは、必ずしもクルマを買うかどうか迷っていた人の背中を押したり、あるいはあまりクルマを買う気がなかった人を買う気にさせたりしたわけではなかった。
むしろ10月以降、来年初頭くらいまでの間に代替するつもりでいた人に対し、どうせ買うならエコカー補助金があるうちに代替したほうが得だから、少し早めて今のうちにクルマを買おうと思わせたほうが大きかった。
結果として上のグラフのように8月に大きく伸びた需要が、10月以降は落ち込んでいくことになるものと見られている。
クルマの売れ行きにこのように大きな振幅があると、自動車メーカーも対応に苦慮する。需要が多いときには、間に合うように生産体制を整えなければならず、正社員の残業やそれで足りなければ期間工の採用などで賄わなければならない。逆に需要が落ち込む時期には残業の廃止や期間工の抑制などの対応をとらざるを得なくなる。
今回のエコカー補助金は、緊急避難的な景気対策として止むを得ない面があったのは認めるにしても、需要に大きな波を発生させることは決して良いことではない。これはユーザーにとってもメーカーにとっても、社会全体にとってもいえることだ。
今後はエコカー補助金などの形でクルマの売れ行きを乱すのではなく、真っ当な経済政策の結果として景気が良くなってクルマの売れ行きも良くなるような方法が考えられるべきだと思う。
8月から9月にかけての時期に駆け込み需要が盛り上がり、折れ線グラフが突き上がっている。その上げ幅が大幅だった分だけ、10月以降の新車販売が落ち込むのは間違いないとの見通しになっている。上のグラフの10月以降は推計だが、当面の新車販売は大幅な落ち込みが続くものと見られる。
この時期に放映された間もなくエコカー補助金がなくなるというメーカー各社のテレビCMは、必ずしもクルマを買うかどうか迷っていた人の背中を押したり、あるいはあまりクルマを買う気がなかった人を買う気にさせたりしたわけではなかった。
むしろ10月以降、来年初頭くらいまでの間に代替するつもりでいた人に対し、どうせ買うならエコカー補助金があるうちに代替したほうが得だから、少し早めて今のうちにクルマを買おうと思わせたほうが大きかった。
結果として上のグラフのように8月に大きく伸びた需要が、10月以降は落ち込んでいくことになるものと見られている。
クルマの売れ行きにこのように大きな振幅があると、自動車メーカーも対応に苦慮する。需要が多いときには、間に合うように生産体制を整えなければならず、正社員の残業やそれで足りなければ期間工の採用などで賄わなければならない。逆に需要が落ち込む時期には残業の廃止や期間工の抑制などの対応をとらざるを得なくなる。
今回のエコカー補助金は、緊急避難的な景気対策として止むを得ない面があったのは認めるにしても、需要に大きな波を発生させることは決して良いことではない。これはユーザーにとってもメーカーにとっても、社会全体にとってもいえることだ。
今後はエコカー補助金などの形でクルマの売れ行きを乱すのではなく、真っ当な経済政策の結果として景気が良くなってクルマの売れ行きも良くなるような方法が考えられるべきだと思う。
調査企画:株式会社ガリバーインターナショナル自動車研究所
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(レポート:松下 宏)
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