BMW3シリーズ320d ブルーパフォーマンス新車試乗評価 燃費だけじゃない、速いクリーンディーゼル車BMW320dの価値をアピール!
BMW 320d BluePerformanceツーリングの走り&燃費、環境性能をプロと一般ユーザーが評価! 長期評価レポート掲載中!
3シリーズで最も、価格・燃費にバランスが取れたベスト・バイ
BMW のフットワークの軽さは、凄いとしか言えない。輸入車の今までの常識としては、
(1)本国がデビューしてから、日本に導入されるのに時間がかかる。
(2)日本に輸入されるのは本国に比較してモデルやエンジンのバリエーションが少ない。
であったが、その常識をBMWはくつがえしてしまった。2011年秋に新型3シリーズが発表になり、タイムラグ無しに日本には2012年2月に328iの導入を開始。4月に320iを追加。9月にはハイブリッドのActive Hybrid3、クリーンディーゼル の320d の異なる方式の2種類のエンジンと4輪駆動モデルの320i xDriveとワゴン ボディのツーリングを追加してしまった。日本車でもガソリン、ディーゼル、ハイブリッド の3種類を同時にラインナップしているクルマは無い。
今回の試乗は、私が導入を待ち望んでいたディーゼルエンジン車である。正式名称はBMW 320d Blue Performanceと長い名前である。ガソリン車と同様にスタンダードとSport、Modern、Luxury、M Sportの各シリーズを用意し、更にツーリングモデルにも搭載してしまった。用意された試乗車は、そのツーリングであり正式名称はBMW 320d Blue Performance Touring Modemである。こんなに長い名前だと落語の「寿限無、寿限無 五劫の擦り切れ 海砂利水魚・・・」と同じように「私が乗っているクルマBMW 320d の、、、、」と説明するのが大変であり、低公害、低燃費をアピールしたいだろうが、もう少しメーカーも考えて欲しい。
ツーリングは、従来の3シリーズ・ツーリングと同様の手法に従ったハッチバックで、スポーティとエレガントを上手くミックスしたBMWだから出来るスタイルである。テールゲートのガラス部分だけも開ける事が出来るのでちょっとした荷物を荷室に入れるのに便利で代々3シリーズツーリングに受け継がれている。だが、オートマチック・テールゲートが採用され、ボタン一つで開閉が出来るようになり、無くても良い装備になってしまった。
インテリアの明るく、広々した空気はセダン と変わらない。ツーリングはリヤガラスがリヤシートの頭上に無いためヘッドスペースは広く快適であり、先代モデルより5cm拡大されたホイールベースにより膝のスペースは約2cm拡大され、数字以上に一つ上のクラスと同等の居住性がある。それに比較するとラゲージスペースは、35L拡大したとの事であるがステーション・ワゴンとしては狭い傾向にある。しかし、実用的には、必要充分なスペースを確保されていてスタイリッシュなツーリングに惚れて買う人の障害にはならない。
燃費だけで選ぶクルマではない! 楽しさと速さのピカイチ!!
注目のエンジンは、可変ジオメトリー・ターボチャージャーを採用した2L直列4気筒ツインパワー・ターボ・ディーゼルで、最高出力184PS(135KW)/4,000rpm、最大トルクの38.7kgm(380Nm)/1,750 – 2,750rpm。4Lガソリンエンジンに近い高トルクを低回転で発生。DPF(粒子状物質除去フィルター)とNOx (窒素酸化物)吸蔵還元触媒により、アドブルーを使用しないメンテナンス・フリーで厳しい日本の排ガス基準をパスした。
ガソリン車のようにスタートスイッチを押すだけでエンジンは始動。既にエンジンは、暖まっていたが”ガラガラ”とディーゼル・エンジン特有の音が聞こえてきた。窓を閉め切っていれば気になるようなレベルではないが、深夜の静かな住宅地だとはっきりクルマを意識するかもしれない。しかし、ディーゼルエンジン車だと意識するのは停止時だけで、一旦走り出せば音も澄み切ってしまい周囲の人も気付かないだろう。
トランスミッションは、ガソリン車と同様の「ECO PROモード」付き8速AT。
ディーゼル・エンジンは、低回転から十分のトルクがあり、少しスピードが上がると320iとは別格のトルクが溢れてくる。アクセル操作に対する反応は3リッターガソリン車を凌ぐ。そのまま右足に力を入れていればガソリン車の様にレッドゾーンを目指して針が上昇し、どの回転でも強いトルクがあるのが、このディーゼル・エンジンの魅力である。燃費が良いからディーゼル・エンジン、というのではなく、大トルクによる速くてスポーティという選択をしていいクルマだ。古いディーゼル・エンジンしか知らない人には理解出来ないかもしれないが、試乗すれば誰にでも理解できるだろうほど明確だ。
この2Lディーゼルエンジンは、パワーもあるがJC08モード燃費は19.4km/lと低燃費である。高速道路ではもっと燃費が延びて満タンで1000km以上を無給油で走れる実力をもつ。アイドリング・ストップも付いていて、市街地でも低燃費に貢献する。再始動時は、ハイブリッド車と違ってエンジンの振動が伝わってくるが、慣れてしまうと気にならないし、エンジン停止時も静かでいい。
ハンドリングは、セダンボディより70kg重くなっているがツーリングになっても弊害はなく、気持ち良くコーナーを楽しめる。高トルクのエンジンもクルマの性格に合っている。
ランフラット・タイヤを履いているが、固さもなく良質の乗り心地。ディーゼルエンジンは、ガソリンエンジンに比べて重いかと思ってカタログを見たら、328iと比べても10kg軽かった。
ツーリングを購入するなら、装備の差があるが328iに比較して100万円も安い。これだけ、買い得感があると320dを選択しない理由が見つからない。燃費が良くて、燃料代が安くパフォーマンスの良い320dはお勧めである。とくに、距離を走る人や燃料費を気にする人には向く。ガソリンの3シリーズは、すべてハイオク仕様。軽油を使うBMW320dブルーパフォーマンスとの燃料費の差は、30円/L以上になる。ディーゼルエンジンは若干高価な設定だが、ある程度距離を走る人なら30円/L以上の燃料費さで元が十分に取れるだろう。さらに、大トルクの恩恵でよりゆとりのある走りが可能だ。
セダンの場合でも、320iに比べて20万円アップの320dお買い得であり、320iの存在意義が薄れそうである。500万円位でBMW、しかも高性能のクリーン・ディーゼル・エンジン車が購入出来るようにしたBMWの担当者にエールを送りたいと評価したい。
BMW320dブルーパフォーマンス 価格 燃費 装備 スペックなど
<BMW 320dブルーパフォーマンス主な標準装備品>
電子油圧制御式8速オートマチック・トランスミッション(ステップトロニック付)
ブレーキ・エネルギー回生システム
エンジン・オート・スタート/ストップ機能
ドラインビング・パフォーマンス・コントロール(ECO PROモード付)
バイ・キセノン・ヘッドライト(LEDスモールライト・リング、LEDアクセント・ライン付)
コンフォート・アクセス(トランク・リッド・スマート・オープナー機能付)
リヤ・ビュー・カメラ(予測進路表示機能付)
PDC/パーク・ディスタンス・コントロール(リヤ)
オートマチック・エアコンディショナー
電動フロント・シート(運転席&助手席、運転席メモリー機能付)
スルーローディング・システム(40:20:40分割可倒式リヤ・シート)
8.8インチ・ワイド・コントロール・ディスプレイ
HDDナビゲーション・システム(VICS3メディア対応)
iDriveコントローラー
インテグレイテッド・オーナーズ・ハンドブック
スピーチ・コントロール(音声入力システム)
ハンズフリー・テレフォン・システム
USBオーディオ・インターフェース
ETC 車載器システム(ルーム・ミラー内蔵タイプ)
<BMW 320dブルーパフォーマンス価格>
BMW 320d BluePerformance ¥4,700,000
BMW 320d BluePerformance Sport ¥4,900,000
BMW 320d BluePerformance Modern ¥4,900,000
BMW 320d BluePerformance Luxury ¥4,900,000
BMW 320d BluePerformance M Sport ¥5,140,000
<BMW3シリーズ ツーリング価格>
・320d BluePerformanceツーリング ¥4,910,000
・320d BluePerformanceツーリング Sport / Modern / Luxury ¥5,110,000
・320d BluePerformanceツーリング M Sport ¥5,350,000
・328iツーリング ¥5,910,000
・328iツーリング Sport / Modern / Luxury ¥6,070,000
・328iツーリング M Sport ¥6,320,000
<BMW 3シリーズ ツーリングの主な標準装備品>
ブレーキ・エネルギー回生システム
エンジン・オート・スタート/ストップ機能
ドラインビング・パフォーマンス・コントロール(ECO PROモード付)
バイ・キセノン・ヘッドライト(LEDスモールライト・リング、LEDアクセント・ライン付)
アダプティブ・ヘッドライト(バリアブル・ライト・コントロール機能、コーナリング・ライト付)*
リヤ・ビュー・カメラ(予測進路表示機能付)
PDC/パーク・ディスタンス・コントロール(リヤ)
コンフォート・アクセス(テールゲート・スマート・オープナー機能付)
ルーフ・レール
オートマチック・テール・ゲート・オペレーション
クルーズ・コントロール(ブレーキ機能付)*
独立開閉式リヤ・ウインドー
ラゲージ・パーティション・ネット
オートマチック・エアコンディショナー
電動フロント・シート(運転席&助手席、運転席メモリー機能付)
スルーローディング・システム(40:20:40分割可倒式リヤ・シート)
8.8インチ・ワイド・コントロール・ディスプレイ
HDDナビゲーション・システム(VICS3メディア対応)
iDriveコントローラー
地上デジタルTVチューナー(12セグ/ワンセグ自動切替)*
インテグレイテッド・オーナーズ・ハンドブック
スピーチ・コントロール(音声入力システム)
ハンズフリー・テレフォン・システム
USBオーディオ・インターフェース
ETC車載器システム(ルーム・ミラー内蔵タイプ)
*:BMW 328iツーリングに標準装備。ニューBMW 320d BluePeformanceツーリングにオプション装備。
BMW320d BluePerformance ツーリング M Sportスペック 燃費
代表グレード | BMW320d BluePerformance ツーリング M Sport |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 4,625×1,800×1,450mm |
ホイールベース[mm] | 2810mm |
トレッド前/後[mm] | 1,525/1,540mm |
車両重量[kg] | 1,620kg |
総排気量[cc] | 1,995cc |
エンジン最高出力[ps(kw)/rpm] | 135〔184〕/4,000rpm |
エンジン最大トルク[N・m/rpm] | 380〔38.7〕/1,750-2,750rpm |
ミッション | 8速AT |
タイヤサイズ | F:225/45R18 R:255/40R18225/45 R18 |
燃費 | JC08モード 19.4km/L |
定員[人] | 5人 |
税込価格[万円] | 535万円 |
燃料 | 軽油 |
レポート | 丸山和敏 |
写真 | 編集部 |
【関連記事】
- 高価なだけあり、走りや燃費に妥協なし! BMW ActiveHybrid 3(アクティブハイブリッド3)新車試乗記
- ライバル不在といえるほどの完成度! 足かせは軽々500万オーバーの価格か?【BMW328i試乗記】
- エンジン、環境性能などすべてが新基準モデルコードF30の実力【BMW3シリーズ試乗記】
- BMW 3シリーズ ツーリング新車情報 リセールバリューの高い待望のワゴンボディが登場。クリーンディーゼル車も設定されお買い得感満点!
- BMW 320dブルーパフォーマンス新車情報 ガソリン車との価格差は、わずか20万円! BMWのクリーンディーゼル戦略始まる!
- BMW 320i xDrive新車情報 3シリーズ初となるAWD車の追加は、降雪地帯のセダン需要も取りに来たBMWの本気の証!?
- BMW ActiveHybrid 3(アクティブハイブリッド3)新車情報 BMWの攻勢第2弾は、瞬発力あるハイブリッド!
- スポーツだけがBMWじゃない! 走る楽しさと低燃費を両立。主力3シリーズの真打ち登場!【BMW320i新車情報】
- BMW試乗記一覧
【オススメ記事】
- 三菱エクリプスクロス試乗記・評価 さすが4WDの三菱! 豪快にリヤタイヤを振りだすような走りも楽しめる絶妙なS-AWCに脱帽!【レビュー】
- 【日産リーフ 長期評価レポートvol.6】 日差リーフの実電費チェック! (一般道編)コツコツ電費を稼ぐe-Pedal【評論家ブログ : 日産リーフ】
- メルセデス・ベンツSクラス新車情報・購入ガイド 約20年振りの直6エンジンに、ISGを組みあわせた次世代エンジンを搭載!【ニュース・トピックス】
- 【日産リーフ 長期評価レポートvol.5】 日差リーフの実電費チェック! (高速道路編)実電費アップは、こだわりの空力性能にあり!【評論家ブログ : 日産リーフ】
- 三菱エクリプスクロス新車情報・購入ガイド スタイルに走り、装備とスキ無しの完成度を誇るコンパクトSUV。ガソリン車だけしかないことが、唯一の弱点?【ニュース・トピックス】
- 【日産リーフ 長期評価レポートvol.4】 30歳代クルマ好き女性、初めての電気自動車! その評価は?【評論家ブログ : 日産リーフ】
- 日産セレナe-POWER新車情報・購入ガイド ついに、シリーズハイブリッドシステムを搭載したセレナ! 5ナンバーミニバン、ハイブリッド車戦争へ加速!!【ニュース・トピックス】
- マツダCX-8試乗記・評価 際立つ運転のしやすさ! こだわりの「躍度」を雪上でチェック!【レビュー】
- 日産テラ(TERRA)新車情報・購入ガイド ナバラベースのSUV中国でデビュー! 日本への導入は?【ニュース・トピックス】
- フォルクスワーゲン パサート新車情報・購入ガイド 遅れてきた大本命! クリーンディーゼルエンジンを搭載したTDIデビュー!!【ニュース・トピックス】
【関連記事】
- BMW 3シリーズ&ツーリング新車情報・購入ガイド アレが無くなった! カーブド・ディスプレイ装備で近未来感大幅アップ!【BMW】
- BMW M340i xDrive動画・評価 いいトコ取りのスポーツセダン【BLOG】
- BMW 3シリーズ(G20型)長期評価レポート vol.10 「アクセル踏んだらドーン!」初めてのPHEV、330e体験レポート【BLOG】
- BMW 3シリーズ(G20型)長期評価レポート vol.9 走りたい欲求を超刺激!「320d xDrive ツーリング M Sport」【BLOG】
- BMW 3シリーズ(G20型)長期評価レポート vol.8 優れた走る楽しさと環境性能を両立したPHEV 330eを試す!【BLOG】
- トヨタRAV4、今年のナンバー1に決定! 2019-2020 日本カー・オブ・ザ・イヤー【イベント情報】
- 軽自動車3台がランクイン! 2019-2020 日本カー・オブ・ザ・イヤー10 ベストカー決定 !!【イベント情報】
- BMW 3シリーズ試乗記・評価 期待を裏切らないスポーツセダン【BMW】
- BMW 3シリーズ新車情報・購入ガイド クラス最強のスポーツセダンへ! 買い得感もあり【BMW】
- BMW3シリーズ新車情報・購入ガイド 新世代クリーンディーゼルを搭載! 迫力のブラック キドニーグリルを装備した限定車「Celebration Edition “Style Edge”」を発売! [CORISM]【BMW】
【オススメ記事】
- ホンダWR-V試乗記・評価 大満足か後悔か? 成功か失敗か? 見極め重要なコンパクトSUV【ホンダ】
- 日産エクストレイル(T33型)vs トヨタ ハリアーハイブリッド(80系)徹底比較!【対決】
- 日産フェアレディZ新車情報・購入ガイド 2025年モデルが登場! 納期は? 転売ヤー対策は?【日産】
- BMW M2クーペ(G87)試乗記・評価 「サーキットで乗ってみたい!」クルマ好き女子が試乗!【BMW】
- 2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー、栄えある10ベストカーが決定! 今年のナンバー1は、どのクルマに!?【イベント】
- 2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー、ノミネート車31台が決定!【イベント】
- マツダCX-80試乗記・評価 すべてに大人の余裕を感じた国内フラッグシップ3列SUV【マツダ】
- 三菱 アウトランダーPHEV新車情報・購入ガイド 大幅改良&値上げ。それでも、コスパ高し!!【三菱】
- スズキ フロンクス試乗記・評価 価格、燃費値を追加。欧州プレミアムコンパクトに近い上質感【スズキ】
- 日産セレナAUTECH SPORTS SPEC新車情報・購入ガイド 走りの質感を大幅向上した特別なモデル【日産】
CORISM公式アカウントをフォローし、最新記事をチェック!