トヨタ ヴォクシー・ホンダ ステップワゴン・日産セレナ! 今おすすめな5ナンバーMクラスミニバンの選び方【新車購入ガイド】

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【生活・文化】2011/02/26

 

いよいよ決算期! 春は絶好のミニバン買い時タイミングだ!

 「日産 セレナ」「トヨタ ヴォクシー」「ホンダ ステップワゴン」などに代表される5ナンバーMクラスのミニバン市場が元気だ。扱いやすい5ナンバーサイズの車体ながら、びっくりするくらい広い室内。背が高いから見晴らしも良く、家族でドライブするのも楽しい。しかも人気を反映し、各社最新の技術が先行投入されているから、燃費や環境性能も非常に高まっている。そんな欲張りなクルマが200万円台で手に入るのだから、人気が集中するのも無理はないだろう。
今、一年の中でも最もクルマが買い時なタイミングだ。なぜなら、多くの販売店にとって3月末は決算期。1台でも多くの販売実績を作ろうと、各社がしのぎを削っている状況で、気になる値引きだっていつも以上の条件が期待できる。ミニバンが欲しいなあ、なんてぼんやり考えているアナタ、迷ってる暇はない!
とはいえ「何を選んでいいのか分からない・・・」と迷っている人も多いはず。ここでは各社Mクラスミニバンについて、オススメポイントを挙げながらご紹介する。アナタとアナタの家族にぴったりな1台を探してみよう。

「日産 セレナ」2010年秋デビューのミニバン最新モード

日産 新型 セレナ ハイウェイスター[SERENA HIGHWAYSTAR] 外観 画像

日産 新型 セレナ ハイウェイスター

◎ここが○:全方位で進化し燃費も良好/万人ウケするキャラ
◎ここがX:お買い得グレードは安全・エコ装備を省き買い得度も半減

Mクラスミニバンで今一番新しいのが「日産 セレナ」だ。2010年秋にフルモデルチェンジを実施したばかりで、現行型で3代目(バネット セレナも含めると4代目)となる。新しいだけに全ての面において洗練されているのが何よりの特長だ。再始動をスムーズに行うECOモーターを用いたアイドリングストップ機構採用に加え、エンジンの直噴化などによりクラストップの低燃費15.4km/L(2WD)をマーク。全車でエコカー減税75%に適合させる。いっぽうで、先代で好評だったクリーンなスタイリングや広いガラスエリアがもたらす見晴らしの良さ、明るい室内空間の雰囲気などは継承され、さらに洗練度を高めた。エアロ付き「ハイウェイスター」や、ドレスアップモデル「ライダー」なども最初から豊富に用意される。

2009年までは3年連続でミニバンNo.1の販売台数を誇ったセレナだったが、モデルチェンジの端境期だった2010年には「ホンダ ステップワゴン」に首位を奪われてしまった。ただし12ヶ月の販売台数は75,040台(ステップワゴンは80,934台)と、その差はわずかだった。
先代・先々代から一貫して続けられていた広告訴求の方向性は今回も徹底。そんな「子供とともに楽しく過ごすツール」という一貫したイメージの良さもあってか、立ち上がりの受注状況は好調な様子だ。
そんな新型セレナ、登場して間もないだけにライバル車ほど値引きの好条件は出ない。ただし強力なライバルがひしめく激戦区、しかも年度末の決算期ならば、そんな悠長なことも言っていられないはずだ。ここはともかくダメ元で交渉してみる価値はあるだろう。
なお2月10日に急遽投入された特別仕様車『Highway STAR Jパッケージ』は、人気グレードにキセノンランプや両側電動スライドドアを追加したお買い得仕様車だが、新型セレナのウリであるアイドリングストップ機構や安全装備のVDC(横滑り防止装置)がどういうワケか省かれてしまっていて、積極的に選ぶ理由がない。

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■10・15モード燃費:15.4km/L(2WD PURE DRIVE)14.4km/L(2WD/4WD PURE DRIVE)13.4km/L(4WD)
■エコカー減税:全車75%減税(2WD/4WD)
注:PURE DRIVE・・・アイドリングストップ車

日産 新型 セレナ ハイウェイスター インパネ周り 運転席 画像

運転席からの見晴らしの良さは先代譲りの美点。女性ドライバーにもやさしい。シンプルだった先代に比べデザイン性も高まり、さらに質感も大幅に向上しているのがうれしい。

日産 新型 セレナ サードシート 収納 画像

「スマートアップサードシート」はサードシートを低位置に格納することで、斜め後ろ方向の視界を確保するワザあり機能だ。また自転車を積んだ際にもハンドルが引っかからない副産物も。

日産 新型 セレナ ライダー 外観 画像

セレナのもうひとつの顔「ライダー」も引き続き設定される。オーテックジャパンの手により製作されるカスタム仕様だ。独特の凄みをみせるメッキ仕立てのフロントマスクに惹かれるファンも多い。

「ホンダ ステップワゴン」クラスNo.1の人気モデル

ホンダ 新型 ステップワゴン スパーダ Z[2WD] 外観 画像

ホンダ 新型 ステップワゴン スパーダ

◎ここが○:クラス最大の室内空間/お買い得グレードも設定され今が買い時
◎ここがX:3列目シートの掛け心地/身内に強力なライバルの存在

2010年の1月〜12月度、同クラスミニバン販売台数のNo.1の座を、それまで3年連続1位だった強豪セレナから奪ったのがホンダの「ステップワゴン」だ。こちらも2009年秋のデビューで、セレナに次いで新しい。通常モデルに加え、エアロパーツをまとい派手なグリルなどを付加した「SPADA(スパーダ)」もラインナップされ人気を集めている。2010年秋には、装備も充実しオススメの特別仕様車「HIDエディション」とスパーダの「クール・スピリット」も追加され、いよいよ買いの好機を迎えたと言って良い。
ただしここで注意。もしアナタにとってステップワゴンが大本命なら、同行の奥様(もしくは旦那様)にはくれぐれも「フリード」を見せないように・・・冗談のようだが、半分はマジだ。
「チョウドイイ!」のCMでお馴染みフリード。ステップワゴンより随分と小柄だが、その割に十分な室内空間を持ち、価格も安く燃費も良いバリューなクルマだ。同行者が販売店でふいに、隣りに並ぶフリードのスライドドアを開けセカンドシートに乗ってみたら、きっとこう思うはずだろう。「あれ、コレでいいじゃない」と。
フィットなどの小型車から3列シートミニバンへの移行を検討する際、乗換えで愛車のサイズがグッと大きくなることに拒絶反応を示すケースが、特に女性ユーザーには多いと聞く。そんなこともあってかフリード、最近はステップワゴンを上回る人気を得ている。そう、実は2010年の1年間に日本で最も売れたミニバンは、他でもないフリードなのだ(95,123台[ただし2列シート車を含む])。ステップワゴンはあくまで「クラスNo.1」という話(80,934台)。ホンダにとっても、せっかくの1位を宣伝などで特に訴求していない様子からも、そのビミョーな具合が見て取れる。よほどステップワゴンでないといけない理由がないのならば、この両車は冷静に比較検討したほうが良いかもしれない。

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■10・15モード燃費:14.2km/L(2WD)12.6km/L(4WD)
■エコカー減税:75%減税(2WD全車)50%減税(4WD全車)

ホンダ ステップワゴン 外観 画像

こちらは標準モデルの「ホンダ ステップワゴン」。室内高・室内長はクラス随一の空間を誇る。その広さはこの外観の写真からも伺えるだろう。また見晴らしの良い大きなガラスエリアも特長だ。

ホンダ ステップワゴン インパネ 画像

女性ユーザーも多いミニバンだけに、セレナ同様に運転席からの視界の良さをアピールする。また特殊で高価なモニターなどを用いずに、左前方の視界を確保するサイドビューサポートミラーも注目の装備だ。

ホンダ ステップワゴン 室内 インテリア 画像

クラス随一の室内空間を持つステップワゴン。サードシートの床下収納機能も大きなセールスポイントだろう。これはクラス唯一の装備だ。しかも収納していないときには広大なトランクスペースになる。

「トヨタ ヴォクシー/ノア」全方位での使い勝手の良さと低燃費がウリ

トヨタ 新型 ヴォクシー ZS[2WD] エクステリア 画像

トヨタ 新型 ヴォクシー ZS

◎ここが○:ライバルに比べやや小柄なボディで使い勝手良好
◎ここがX:それゆえライバルに比べやや狭い(特に3列目・荷室空間)

2007年にデビューしたトヨタの「ヴォクシー/ノア」。ライバルに比べると登場時期が早い分古いようにも思えるが、決してそんなことはない。2010年にはマイナーチェンジも実施している。このマイナーチェンジでは、従来は上級モデルにしか採用していなかったバルブマチック付きエンジンを全車に搭載し燃費性能を高めた。これによりライバルと対等な関係を保つ戦闘力を得たのだ。なにせ兄弟車2台を合わせれば、全ミニバン中で最も売れているのだから、大人気の車種と言って良い。

兄弟車のうち人気が高いのはヴォクシーで、小型車などを多く扱うネッツ店系で販売されている。いっぽうのノアはカローラ店の扱い。2010年の1年間の売れ行きは、ヴォクシー72,163台に対しノア56,955台となっている。この違いは何か。前後の多少のデザインが変わるだけで、基本的には同じクルマと言って良い。しかし販売戦略上ヴォクシーは、上級クラスのヴェルファイアにも共通するようなイマドキ人気のイカツく男臭い(?)イメージ。先代に続き設定された特別仕様車の「ZS "煌(きらめき)"」などは、それを象徴するモデルだろう。

いっぽうのノアは、穏健なファミリーイメージを訴求しているが、セレナほど強いイメージではなく、そのあたりが売れ行きの差となっているのかもしれない。またノアを売るカローラ店の場合、少し予算をプラスすると買えてしまうLクラスミニバン「エスティマ」もラインナップしている。ホンダの場合とは逆なパターンが発生していてもおかしくはない。室内でいうとノアのほうが背が高い分広々しているが、エスティマには上級クラスらしい落ち着きや高級感がある。実際、現行型エスティマはデビュー6年目に突入し、値引きも拡大している模様。ノアの上級グレードと予算的に急接近しているとすれば、両車を比較してみる価値は大いにありだ。

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■10・15モード燃費:14.4km/L(2WD)13.8km/L(4WD)
■エコカー減税:全車75%減税(2WD/4WD)

トヨタ 新型 ノア(左)とヴォクシー(右) 外観 違い

ノア(左)とヴォクシー(右)の違いはこんな感じ。フロント周りは大きく異なるが、ボディ全体としてはほぼ違いなく、好みや値引き条件などで選べばいい。

トヨタ ヴォクシー 個性的なドレスアップ仕様の「G's」も新設定された

マイナーチェンジ版からは個性的なカスタム仕様の「G's」(右手前)も新設定された。また外観のみならず、足回り強化やボディ補強、空力パーツ付加までを含む"Version EDGE"も設定される。

トヨタ ノア マルチ回転キャプテンシート

7人乗りキャプテンシート仕様が設定されるのもノア/ヴォクシーの特長。さらに写真のようにチャイルドシートを回転させるのに便利なマルチ回転機能も設定される。

「マツダ ビアンテ」クラス随一の個性派ミニバンは2.3リッター版も用意

マツダ 新型 ビアンテ 20S[2WD] エクステリア 外観 画像

マツダ 新型 ビアンテ 20S

◎ここが○:あっと驚くリビングモード/他社に先駆け採用されたi-stopのエコ性能
◎ここがX:好き嫌いが分かれるスタイリング/少し大柄な3ナンバーボディ

それまで長らく生産していたボンゴ フレンディに代わり、マツダが2008年に登場させた新型ミニバンが「ビアンテ」だ。Mクラス5ナンバーミニバンの項に含んでいるが、実際には車幅が1700mmを超えており、全車3ナンバーモデルとなっている(ちなみにセレナ ハイウェイスターなど各ライバル車のエアロパーツ装着車も車幅の関係で3ナンバー車だ)。またライバル車にはない2.3リッターモデルも用意されるなど、横並び状態のライバル車の中では個性の強いモデルだ。個性といえば、自己主張の強いフロントマスクも印象的だが、逆に好き嫌いがはっきり分かれるところかもしれない。室内も、セカンドシートを後端までスライドし、こんなに必要なの?ってくらいの広い室内空間が生まれる「リビングモード」も用意するなど、ライバルにない装備や特長が多い。
特長と言えば、他社に先駆け採用したアイドリングストップ「i-stop」は、街乗りが多いユーザーには実用燃費上とても有効なエコ装備だ。ディーラーで試乗する機会があれば、交差点などでアイドリング停止時の静かさも体感してみて欲しい。ちなみに他社の多くがCVTなのに対し、ビアンテのトランスミッションは5速AT(4WDは4速)。加速時などにそのビミョーな感覚の違いについても比べてみよう。

マツダ 「ビアンテ」を一部改良[2010.12.03/CORISM]
マツダ ビアンテにエコでお得な90周年記念特別仕様車と限定車が登場[2010.06.23/CORISM]

■10・15モード燃費:13.6km/L(2.0 2WD i-stop車)12.8km/L(2.0 2WD)11.6km/L(2.3 2WD)10.6km/L(2.0 4WD)
■エコカー減税:75%(2WD 20Sグレードのみ) 50%(2WD 20CSグレードのみ)[その他のグレードは減税なし]

マツダ ビアンテ リビングモード 画像

これは、サードシートの座面を跳ね上げ後ろにずらし、セカンドシートを最後端までスライドさせた状態の「リビングモード」だ。あっと驚く足元空間の広さは、いったい何に使っていいのか戸惑うほど。

マツダ ビアンテ フロントマスク 画像

ユーモラスというか、イカツいというか、不思議な感覚のフロントマスクを持つビアンテ。比較的個性の薄いMクラスミニバンにあって、このインパクトこそ大事だと考えるユーザーも多いはずだ。

マツダ ビアンテ インパネ 画像

エクステリアに負けないスタイリッシュなデザインが与えられたインパネ回り。質感の高さも印象的だ。なおアイドリングストップ機構「i-stop」は2WD車「20S」と「i-stop SMART EDITION II」のみに装着される。

新型ミニバンを好条件で買う裏ワザ、こっそり教えます・・・

 ミニバンに限らず、新車を購入する際にはやはり比較して買うことが望ましい。近隣の上記のライバル各車を扱う販売店を一通り回ってみるのは基本だ。ただし同じ系列(例えば同じ「トヨタカローラ千葉」のXX店と○○店)を2店3店と巡っても、各店で情報がオンラインで共有されていてあまり意味はないのでご注意を。例えば自宅と職場が離れている場合(自宅は神奈川県で職場は東京都)には、職場の近くのディーラーでも相談してみるのも良い。また県境に住んでいるのなら、両県それぞれで見積もりを取ってみたりと、いろいろ出来ることはある。
しかし気をつけないとならない点がひとつ。単に値引き額で比較するのも大事だが、そればかりを営業マンに訴えてしまうと「では他社でどうぞ」となってしまう可能性も高い。また、あまり買う気もない客と思われてしまったら、やはり大した条件は出てこないだろう。相手はプロの営業マンなのだ。お客さんのホンキ度合いも良く見ている。決算期のこの時期は特に「今週中に決めたい」などと購入決定のタイミングを明確に表したほうが、具体的な商談になりやすい。ただ決算期は特に月内にナンバーを取得しないとその年度の売り上げとはならないため納期も重要になってくる。早めの行動が鍵なのだ。
また「嫁さんはライバル車が本命だけど、僕はぜひ営業さんから買いたいと思ってる。そのためには好条件を出さないとならないんだよ」などと情緒に訴えて、見事に大幅値引き条件を引き出した猛者もいる。せっかくの高い買い物だ、営業マンとの人間関係も大事にしたいところである。

なお新車の値引きは車両本体と、オプション品(ディーラーで装着できるもの)とで分けて考えるべし。特にディーラーオプションのサービスは、契約が煮詰まってきた際に最終的な決定材料として交渉すると好条件が引き出せる場合がある。さらに下取り車は、ガリバーのような買取りの専門店に依頼することで、明確に値引きと下取りの額をそれぞれ分けて考えるべし。これが最もお得で賢い買い方なのだ。
[※注記:本文中の販売台数は自販連(社団法人 日本自動車販売協会連合会)調べ]

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(レポート:CORISM編集部

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