■電動パーキングブレーキや、マツダコネクトも装備され刷新されたインテリア
マツダ がSKYACTIV 技術を全面的に投入して開発した、CX-5 が大幅な改良を受けた。発売から3年弱の比較的短い期間での大幅な改良である。最新かつ最良の仕様をなるべく早くユーザーに提供する、という考え方に基づいての改良だ。
マツダは、これまでもマイナーチェンジによる大幅な改良で販売を伸ばした事例をいくつも持っている。他のメーカーが、ルーティン的なマイナーチェンジを繰り返すのと少し違った手法を採用している。マツダのような立場では、積極的な商品投入・改良なくしてシェアアップが図れないということもあるのだろう。
マツダCX-5の外観デザインは、フロントグリルが変更され、グレーメタリックで塗装した水平基調のフィンを採用し、精悍で引き締まったデザインとしている。さらに、前後のランプにLEDランプを採用して点灯時の存在感を高めている。
インテリアは、ヒューマン・マシン・インターフェイス思想とヘッドアップコクピットのコンセプトに基づき、ドライバーオリエンテッドなコクピット空間と、SUVならではの機能性や力強さ、そして品格の高さを融合させた新しいインテリアとした。
マツダCX-5の改良では、電動パーキングブレーキが採用された。これにより、センターコンソールの造形が新しくなり、すっきりした上質さを感じさせるようになった。また、マツダコネクトをコマンドコントローラーと合わせて全車に標準装備した。
■安全装備がグレードアップ! より、運転しやすく安全なクルマとなった
マツダCX-5の先進安全技術i-ACTIVSENSE(アイ・アクティブセンス)を進化させたのは、今回のマイナーチェンジの最も大きなポイントだ。アテンザ には、従来からスマート・ブレーキ・サポートというミリ波レーダー方式の充実した仕様の自動ブレーキが採用されていたが、今回の改良でこの機能が対応できる相対速度差を拡大して安全性を高めた。
他にも日本車初のLEDアレイ方式グレアフリー(防眩)ハイビームを備えた新世代のアダプティブ・LED・ヘッドライトを搭載し、対向車や先行車のドライバーを眩惑させることなく、常時ハイビームでの走行を可能とした。夜間走行における安全性を向上させるものだ。
さらに、従来のリア・ビークル・モニタリングシステムの検知範囲を広げ、自車の後方のみならず側方から接近する車両も検知するブラインド・スポット・モニタリングを新採用した。後退時に接近する車両を検知して警告するリア・クロス・トラフィック・アラート機能も備えている。このようにi-ACTIVSENSEが大きく進化したのが大幅改良されたCX-5の特徴である。ただし、歩行者検知機能は無く、今後の課題といえる。
■静粛性と乗り心地性能が向上。高級SUVとしての価値をアップ!
試乗したCX-5は、2.2Lのディーゼルエンジンを搭載するXD Lパッケージ。4WDの6速AT車だ。マツダのクリーンディーゼル は、相変わらず力強い走りを実現する。CX-5はSUVボディながら比較的軽い1650kgの重量にとどめているので、ディーゼルのビッグトルクによって余裕のある走りが楽しめる。ボディの重さを感じさせず、むしろ軽快感さえ感じる走りだ。
マツダのクリーンディーゼルが良いのは、吹き上がりがスムーズで静粛性にも優れることだ。このふたつの点は、ガソリンエンジンに対してディーゼルエンジンが不利になるポイントだが、それをうまく解消している。
エンジンの吹き上がりは、ガソリンを上回るとまでは言えないが、タコメーターの針の上昇は、並みのディーゼルとは違っている。5000回転から始まるレッドゾーンに向けて、きっちり回っていく印象がある。
静粛性については、今回の改良でさまざまな対策が施された。アイドリングストップ中の車外音はともかく、車室内ではディーゼルの騒音という感じではないし、走行中にはロードノイズなどに隠れてエンジン音が気にならなくなる。
走りの質も高めれれている。乗り心地も良くなった。CX-5は、発売直後にも足回りの仕様を変更して乗り心地と操縦安定性のバランスを高めているが、今回の改良でも新構造のダンパーを採用したり、サスペンションの取り付け部を改良するなどして、フラットな乗り心地を実現している。ちょっとした段差を越えるときのショックがうまく減衰され、快適性を高めているのが分かる。
CX-5の試乗車に装着されていたタイヤは19インチで、ちょっと大きすぎるタイヤなのだが、これだけの大径タイヤの割には快適な乗り心地だった。ただ、乗り心地を重視するなら、もっと小さなタイヤのほうが良いのではないかと思える部分もあり、足回りとタイヤとの関係は微妙ものがあると思った。
■マツダCX-5価格、燃費
・20S FF 6EC-AT 2,446,200円 16.4km/L
・20S PROACTIVE FF 6EC-AT 2,548,800円 16.4km/L
・25S L Package FF 6EC-AT 2,872,800円 15.2km/L
・25S 4WD 6EC-AT 2,673,000円 14.6km/L
・25S PROACTIVE 4WD 6EC-AT 2,775,600円 14.6km/L
・25S L Package 4WD 6EC-AT 3,099,600円 14.6km/L
・XD FF 6EC-AT 2,835,000円 18.4km/L
・XD PROACTIVE FF 6EC-AT 2,937,600円 18.4km/L
・XD L Package FF 6EC-AT 3,261,600円 18.4km/L
・XD 4WD 6EC-AT 3,061,800円 18.0km/L
・XD PROACTIVE 4WD 6EC-AT 3,164,400円 18.0km/L
・XD L Package 4WD 6EC-AT 3,488,400円 18.0km/L
■マツダCX-5燃費、スペックなど
定員[人]5人
代表グレード | マツダCX-5 XD L Package 4WD |
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 4,540×1,840×1,705mm |
ホイールベース[㎜] | 2,700㎜ |
車両重量[kg] | 1,650kg |
総排気量[cc] | 2,188cc |
エンジン最高出力[kw(ps)/rpm] | 129〈175〉/4,500 |
エンジン最大トルク[N・m(㎏-m)/rpm] | 420〈42.8〉/2,000 |
ミッション | 6速AT |
JC08燃料消費率[km/L] | 18.0km/L |
価格 | 3,488,400円 |
レポート | 松下宏 |
写真 | 編集部 |
【関連記事】
- 【マツダCX-5 XD(ディーゼル車)新車試乗評価】クセになる大トルク420Nm
- デカイのに軽快! まずは、ガソリン車を試す【マツダCX-5試乗評価】
- マツダCX-5新車情報・購入ガイド マツダ好調のきっかけとなった第1弾モデルCX-5が大幅改良
- マツダ i-ACTIV AWD試乗記・評価 さり気なく、存在感を消しながら「最適なトラクション性能と走る歓び」を手に入れることができる4WDシステム
- マツダCX-5新車情報・試乗評価一覧
- 三菱アウトランダーPHEV長期評価レポート一覧
- 日産エクストレイル 試乗記・評価 素人女子でもできる低燃費運転のコツとは? 初体験!エコラン&オフロード試乗!! (エコラン編)
- 日産エクストレイル ハイブリッド新車情報・購入ガイド 待望のハイブリッド車が登場! エクストレイルハイブリッドの燃費は20.6㎞/L、価格は約280万円から!
- 日産エクストレイル新車情報・試乗評価一覧
- トヨタ ハリアー(ガソリン車)新車試乗評価 高級SUVとしての高いクオリティ。ただし、2.0Lエンジンでは・・・
- トヨタ ハリアーハイブリッド新車試乗評価 ハイブリッドシステムで得た、静かで滑らかな走りは、まさに高級SUVの真骨頂!
- トヨタ ハリアー新車情報・試乗評価一覧
- マツダ CX-3新車情報・購入ガイド 動画・画像追加!期待のコンパクトSUV新型マツダ CX-3燃費は25.0㎞/L! 価格は2,376,000円からと、やや高価な価格設定!
- マツダCX-3新車情報・試乗評価一覧
- 日産ジューク ニスモ(JUKE NISMO)RS試乗記・評価 超お買い得なハイパフォーマンスSUV!
- レクサスLX新車情報・購入ガイド ようやくレクサス初の自動ブレーキ搭載! 圧倒的なラグジュアリーさと迫力をもったLX570、満を持して日本デビュー
- ホンダ ヴェゼル(VEZEL)新車情報・購入ガイド 7速DCTリコール! 2.0L並みのハイパワーで27.0㎞/Lという低燃費を実現した1.5L直噴+ハイブリッド搭載!
- ホンダ ヴェゼル(VEZEL)/ヴェゼル ハイブリッド新車試乗評価 超低燃費に高い安全装備、小さくても高級感あふれる新時代の低燃費コンパクトSUV
- ホンダ ヴェゼル新車情報・試乗評価一覧
- SUV新車情報・試乗評価一覧
【オススメ記事】
- フォルクスワーゲン ポロ新車情報・購入ガイド ついに全長4m越えに! 3ナンバー化した6代目新型ポロは、1.0L直3ターボを搭載【ニュース・トピックス】
- 三菱エクリプスクロス試乗記・評価 さすが4WDの三菱! 豪快にリヤタイヤを振りだすような走りも楽しめる絶妙なS-AWCに脱帽!【レビュー】
- 【日産リーフ 長期評価レポートvol.6】 日差リーフの実電費チェック! (一般道編)コツコツ電費を稼ぐe-Pedal【評論家ブログ : 日産リーフ】
- メルセデス・ベンツSクラス新車情報・購入ガイド 約20年振りの直6エンジンに、ISGを組みあわせた次世代エンジンを搭載!【ニュース・トピックス】
- 【日産リーフ 長期評価レポートvol.5】 日差リーフの実電費チェック! (高速道路編)実電費アップは、こだわりの空力性能にあり!【評論家ブログ : 日産リーフ】
- 三菱エクリプスクロス新車情報・購入ガイド スタイルに走り、装備とスキ無しの完成度を誇るコンパクトSUV。ガソリン車だけしかないことが、唯一の弱点?【ニュース・トピックス】
- 【日産リーフ 長期評価レポートvol.4】 30歳代クルマ好き女性、初めての電気自動車! その評価は?【評論家ブログ : 日産リーフ】
- 日産セレナe-POWER新車情報・購入ガイド ついに、シリーズハイブリッドシステムを搭載したセレナ! 5ナンバーミニバン、ハイブリッド車戦争へ加速!!【ニュース・トピックス】
- マツダCX-8試乗記・評価 際立つ運転のしやすさ! こだわりの「躍度」を雪上でチェック!【レビュー】
- 日産テラ(TERRA)新車情報・購入ガイド ナバラベースのSUV中国でデビュー! 日本への導入は?【ニュース・トピックス】
【関連記事】
- 【動画】マツダCX-5(KF系)試乗・評価レビュー【マツダ】
- 【動画】マツダCX-5(KF系)内外装レビュー【マツダ】
- マツダCX-5(KF系)新車情報・購入ガイド グレード整理と価格改定、特別仕様車「レトロスポーツエディション」を設定。フルモデルチェンジは、まだまだ先か?【マツダ】
- ロングドライブでの運転が楽しく疲れにくい、お勧め中古SUV5選! 後悔・失敗しないための中古車選び【生活・文化】
- 新車? それとも中古車? マツダCX-5を徹底解説【ビジネス・経済】
- 予算200万円!中古SUVおすすめ5選【ビジネス・経済】
- マツダのSUV全車種解説! おすすめグレードや長所・短所もレポート【その他】
- 中古人気SUV、おすすめランキング ベスト5 徹底比較 【対決】
- マツダCX-5 フィールドジャーニー試乗記・評価 キャラ変、大成功!【マツダ】
- ガソリン価格高騰時代にお勧め! 燃費のよいSUV中古車5選【ビジネス・経済】
【オススメ記事】
- ホンダWR-V試乗記・評価 大満足か後悔か? 成功か失敗か? 見極め重要なコンパクトSUV【ホンダ】
- 日産エクストレイル(T33型)vs トヨタ ハリアーハイブリッド(80系)徹底比較!【対決】
- 日産フェアレディZ新車情報・購入ガイド 2025年モデルが登場! 納期は? 転売ヤー対策は?【日産】
- BMW M2クーペ(G87)試乗記・評価 「サーキットで乗ってみたい!」クルマ好き女子が試乗!【BMW】
- 2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー、栄えある10ベストカーが決定! 今年のナンバー1は、どのクルマに!?【イベント】
- 2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー、ノミネート車31台が決定!【イベント】
- マツダCX-80試乗記・評価 すべてに大人の余裕を感じた国内フラッグシップ3列SUV【マツダ】
- 三菱 アウトランダーPHEV新車情報・購入ガイド 大幅改良&値上げ。それでも、コスパ高し!!【三菱】
- スズキ フロンクス試乗記・評価 価格、燃費値を追加。欧州プレミアムコンパクトに近い上質感【スズキ】
- 日産セレナAUTECH SPORTS SPEC新車情報・購入ガイド 走りの質感を大幅向上した特別なモデル【日産】
CORISM公式アカウントをフォローし、最新記事をチェック!