クラストップの低燃費、そして最上級グレードも120万円台という低価格を実現
三菱ミラージュの歴史は古く、初代ミラージュは1978年に登場。その後、5代目ミラージュまで歴史を重ね、ハッチバックやセダン、クーペなどに加え、数々の派生車が存在し、まさに三菱を象徴するモデルとなっていた。しかし、2000年を最後にミラージュはその姿を消すことになる。
そして、12年振りに6代目新型三菱ミラージュが、2012年8月末に復活する。
新型ミラージュは、「低燃費」「コンパクト」「低価格」を基本コンセプトとし、「先進国における環境対応車」と「新興国におけるエントリーカー」というニーズを両立させた新しいグローバルコンパクトカー
として生まれた。様々な国と地域で「クラストップレベルの燃費」と「コンパクトカーならではの扱いやすさ」「コンパクトでありながら大人5人に十分な居住空間」を、「お求めやすい価格」で提供する。
しかし、残念ながら復活を果たした新型三菱ミラージュは、タイ生産となった。価格競争力のプライオリティが高いコンパクトカーにとって、超円高が続く日本国内での生産は、したくてもできないというのが現状だ。日本に輸入されるコンパクトカーで、タイ生産されているのは、日産マーチに次ぐ2台目となる。
すでに、新型三菱ミラージュは、タイ本国で販売が開始しれており6月20日時点での受注台数は 27,000 台に達するなど好評だという。
新型三菱ミラージュのグレードは、「E」「M」「G」の3タイプが用意される。エンジンは、全車1.0L 3気筒MIVECエンジンを搭載。「M」と「G」には、アイドリングストップ機能「オートストップ&ゴー」を採用し、ガソリンエンジン登録車トップの 27.2km/L(JC08モード燃費)を実現している。そのため、ハイブリッドモデルでなくても、「M」と「G」はエコカー減税で免税モデル、アイドリングストップ機能が未装着の「E」でも75%減税となっている。「E」の燃費は23.2km/Lとなっている。
そして、発表前のクルマとしては異例の価格公表及び、先行予約で52,500円のオプションプレゼントなど、大胆なセールスプロモーションを実施。これには、三菱のヤル気がみなぎっている。通常、新型車は黙っていても売れるもの。それゆえ、こういったプロモーションは行われず、モデル末期やマイナーチェンジ直前などにやるケースが多い。
これには、訳がある。クルマの販売台数が最も多いのは2~3月の年度末。そして、その次にクルマが売れる時期が6~7月だ。この時期に、残念ながら新型三菱ミラージュは、販売することができない。そのため、買い替えユーザーに少しでも新型三菱ミラージュの存在とメリットを提示して、他車への買い替えユーザーも含め8月末まで買い替えを待ってもらうという狙いがある。2~3月の繁忙期まで放置してしまっては、時間が経過しすぎ新車効果も下がってしまうという判断もあっただろう。
最近の新車販売の傾向は、トヨタ アクアやマツダCX-5など、販売店に試乗車が無くても飛ぶように売れる。数百万円の買い物を試乗もせずに買う、という行為は、もはや家電選び的でもある。とくに、こういったコンパクトカーの多くは、日々の足として使うケースが多く、顧客の価格指向が強いクラスでもある。そういった顧客に対して、まさに強力なアピール方法でもあるのだろう。
もちろん、タイ生産のため船積みして日本に到着するまでのタイムラグがあり、必ずしも人気のグレードや装備が施されたモデルが輸入されてくるとは限らない。先行予約することで、売れ筋グレードなどを見極める効果もある。
そんな新型三菱ミラージュの価格は、基本装備の「E」が99.8万円、実用装備の「M」118.8万円、快適装備の「G」128.8万となっている。最上級グレードの「G」は、なんと130万円台を切っている状態。車種にもよるが、まさに、軽自動車並の価格と燃費であり、エンジンパワーと室内の広さは軽自動車以上。車両維持にかかる税金さえ除けば、軽自動車か新型三菱ミラージュか悩ましい選択になるだろう。
■【三菱ミラージュ新車情報】祝! 復活ミラージュ、でもタイ生産という現実
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