ジェイド はハイブリッド 車のみの設定でデビューした。スポーツハイブリッドi-DCDと呼ぶ1.5リッターエンジンに電気モーター内蔵のデュアルクラッチトランスミッションを組み合わせた仕様である。動力性能は112kW(152ps)を発生するから、一般的なガソリンエンジンなら2.0リッター級のエンジンに相当する実力である。

とはいえ、やや大柄なミニバンボディ のジェイドは車両重量が重く、同じパワートレーンを搭載するヴェゼル に比べてもざっと200kgくらい重いから、乗ってみる前は走りはどんなものかと思っていた。ところが実際に走らせてみると、ヴェゼルと変わらない軽快な走りを示してくれた。

動力性能の数字はほぼ同じなのに、重さを感じさせない走りを実現したのは、ハイブリッドの特性をボディに合わせてチューニングしているからだ。中間加速の過渡的なシーンでモーターのアシストを強めることで、軽快な走りを実現している。これによって軽快な走りを実現している。

　ジェイドの足回りは、相当にしっかりした印象だ。やや硬めの味付けで、コーナーやレーンチェンジなどのときのロールも良く抑えられている。硬めの乗り心地ながら、段差を越えるときのショックなどは、うまくいなされて不快感を感じさせないのが良い。

ジェイドのハイブリッドXには、ホンダセンシングと呼ぶ最新の安全装備が用意されている。さまざまな先進安全装備をセットにしたもので、追突軽減ブレーキはミリ波レーダーとカメラを組み合わせた方式が採用され、相当に精度の高いシステムに仕上がっている。

カメラによって人間を認識できるから、歩行者との事故も防げる。ホンダセンシングはハイブリッドの標準グレードには装備されないから、ジェイドを買うときにはハイブリッドXを選びたい。

また左ウインカーを出すと同時に、左斜め後方をカーナビの画面に映し出し、死角をカバーする装備も設定されている。これはとても良い装備で、二輪車や自転車などの巻き込みを防いだり、死角に入ったクルマを映し出したりするので、安全に大きく貢献する。オプション設定なので、忘れずに装着しておきたい。

価格設定はけっこう高めだ。前述のホンダセンシングを装備したハイブリッドXの価格は292万円。ちょっとしたオプションを装着したら、車両価格ベースで300万円を超えてしまう。さすがに割高な印象が否めない。

ジェイドには1.5リッターの直噴ターボ仕様エンジンを搭載したガソリン車のRSが追加されていて、こちらは252万円の価格なので、これが現実的な選択になりそう。ただし、RSではホンダセンシングがオプション設定になるなど、装備や仕様の違いがあるので、ハイブリッドXとの価格差はそれほど大きなものではない。

定員［人］6人