マツダCX-5試乗記・評価 より深化し完成度を高めた大幅改良

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【マツダ】2015/09/24

 

■電動パーキングブレーキや、マツダコネクトも装備され刷新されたインテリア

マツダCX-5

マツダSKYACTIV 技術を全面的に投入して開発した、CX-5 が大幅な改良を受けた。発売から3年弱の比較的短い期間での大幅な改良である。最新かつ最良の仕様をなるべく早くユーザーに提供する、という考え方に基づいての改良だ。

マツダは、これまでもマイナーチェンジによる大幅な改良で販売を伸ばした事例をいくつも持っている。他のメーカーが、ルーティン的なマイナーチェンジを繰り返すのと少し違った手法を採用している。マツダのような立場では、積極的な商品投入・改良なくしてシェアアップが図れないということもあるのだろう。

マツダCX-5の外観デザインは、フロントグリルが変更され、グレーメタリックで塗装した水平基調のフィンを採用し、精悍で引き締まったデザインとしている。さらに、前後のランプにLEDランプを採用して点灯時の存在感を高めている。

インテリアは、ヒューマン・マシン・インターフェイス思想とヘッドアップコクピットのコンセプトに基づき、ドライバーオリエンテッドなコクピット空間と、SUVならではの機能性や力強さ、そして品格の高さを融合させた新しいインテリアとした。

マツダCX-5の改良では、電動パーキングブレーキが採用された。これにより、センターコンソールの造形が新しくなり、すっきりした上質さを感じさせるようになった。また、マツダコネクトをコマンドコントローラーと合わせて全車に標準装備した。

マツダCX-5
マツダCX-5
マツダCX-5

 

マツダCX-5

 

■安全装備がグレードアップ! より、運転しやすく安全なクルマとなった

マツダCX-5

 マツダCX-5の先進安全技術i-ACTIVSENSE(アイ・アクティブセンス)を進化させたのは、今回のマイナーチェンジの最も大きなポイントだ。アテンザ には、従来からスマート・ブレーキ・サポートというミリ波レーダー方式の充実した仕様の自動ブレーキが採用されていたが、今回の改良でこの機能が対応できる相対速度差を拡大して安全性を高めた。

他にも日本車初のLEDアレイ方式グレアフリー(防眩)ハイビームを備えた新世代のアダプティブ・LED・ヘッドライトを搭載し、対向車や先行車のドライバーを眩惑させることなく、常時ハイビームでの走行を可能とした。夜間走行における安全性を向上させるものだ。

さらに、従来のリア・ビークル・モニタリングシステムの検知範囲を広げ、自車の後方のみならず側方から接近する車両も検知するブラインド・スポット・モニタリングを新採用した。後退時に接近する車両を検知して警告するリア・クロス・トラフィック・アラート機能も備えている。このようにi-ACTIVSENSEが大きく進化したのが大幅改良されたCX-5の特徴である。ただし、歩行者検知機能は無く、今後の課題といえる。

マツダCX-5
マツダCX-5
マツダCX-5

 

■静粛性と乗り心地性能が向上。高級SUVとしての価値をアップ!

マツダCX-5

 試乗したCX-5は、2.2Lのディーゼルエンジンを搭載するXD Lパッケージ。4WDの6速AT車だ。マツダのクリーンディーゼル は、相変わらず力強い走りを実現する。CX-5はSUVボディながら比較的軽い1650kgの重量にとどめているので、ディーゼルのビッグトルクによって余裕のある走りが楽しめる。ボディの重さを感じさせず、むしろ軽快感さえ感じる走りだ。

マツダのクリーンディーゼルが良いのは、吹き上がりがスムーズで静粛性にも優れることだ。このふたつの点は、ガソリンエンジンに対してディーゼルエンジンが不利になるポイントだが、それをうまく解消している。

エンジンの吹き上がりは、ガソリンを上回るとまでは言えないが、タコメーターの針の上昇は、並みのディーゼルとは違っている。5000回転から始まるレッドゾーンに向けて、きっちり回っていく印象がある。

静粛性については、今回の改良でさまざまな対策が施された。アイドリングストップ中の車外音はともかく、車室内ではディーゼルの騒音という感じではないし、走行中にはロードノイズなどに隠れてエンジン音が気にならなくなる。

走りの質も高めれれている。乗り心地も良くなった。CX-5は、発売直後にも足回りの仕様を変更して乗り心地と操縦安定性のバランスを高めているが、今回の改良でも新構造のダンパーを採用したり、サスペンションの取り付け部を改良するなどして、フラットな乗り心地を実現している。ちょっとした段差を越えるときのショックがうまく減衰され、快適性を高めているのが分かる。

CX-5の試乗車に装着されていたタイヤは19インチで、ちょっと大きすぎるタイヤなのだが、これだけの大径タイヤの割には快適な乗り心地だった。ただ、乗り心地を重視するなら、もっと小さなタイヤのほうが良いのではないかと思える部分もあり、足回りとタイヤとの関係は微妙ものがあると思った。

マツダCX-5
マツダCX-5
マツダCX-5

 

■マツダCX-5価格、燃費

■マツダCX-5価格
・20S FF 6EC-AT 2,446,200円 16.4km/L
・20S PROACTIVE FF 6EC-AT 2,548,800円 16.4km/L
・25S L Package FF 6EC-AT 2,872,800円 15.2km/L
・25S 4WD 6EC-AT 2,673,000円 14.6km/L
・25S PROACTIVE 4WD 6EC-AT 2,775,600円 14.6km/L
・25S L Package 4WD 6EC-AT 3,099,600円 14.6km/L
・XD FF 6EC-AT 2,835,000円 18.4km/L
・XD PROACTIVE FF 6EC-AT 2,937,600円 18.4km/L
・XD L Package FF 6EC-AT 3,261,600円 18.4km/L
・XD 4WD 6EC-AT 3,061,800円 18.0km/L
・XD PROACTIVE 4WD 6EC-AT 3,164,400円  18.0km/L
・XD L Package 4WD 6EC-AT 3,488,400円 18.0km/L

■マツダCX-5燃費、スペックなど

定員[人]5人

代表グレード マツダCX-5 XD L Package 4WD
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 4,540×1,840×1,705mm
ホイールベース[㎜] 2,700㎜
車両重量[kg] 1,650kg
総排気量[cc] 2,188cc
エンジン最高出力[kw(ps)/rpm] 129〈175〉/4,500
エンジン最大トルク[N・m(㎏-m)/rpm] 420〈42.8〉/2,000
ミッション 6速AT
JC08燃料消費率[km/L] 18.0km/L
価格 3,488,400円
レポート 松下宏
写真 編集部

 

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(レポート:松下 宏

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