日産 新型 エルグランドと日産自動車マーケティング本部マーケティング・ダイレクター森田 聡さん
良いものは売れる! 若年層に響いた新型エルグランド
日産エルグランドが売れている。発売後1ヶ月で、目標の5倍超となる1万台を突破した。エルグランドは日産のトップレンジにあるミニバンで、廉価グレードでも300万円を超える高級車だ。補助金や減税の追い風があったにせよ、不況下でデフレの経済状況において高級車が売れる理由はなんだったのだろうか?
「先代のエルグランドから、約8年もお客様をお待たせしました。先代モデルをお持ちのお客様も、クルマと共に年齢を重ねています。そんなこともあり、新型エルグランドはよりオトナなクルマとして開発しました。ところが、いざ発売してみると30歳代のお客様が約30%も占めるなど、予想外に若い世代に購入していただき、我々も少々ビックリしています。いいクルマを作ればマーケットは必ず反応する。そんな自信を得ましたね。もちろん、それだけで売れたとは思っていません。3.9%の低金利ローンや、リセールバリューの高さを生かした残価設定型クレジットなども積極的に展開しています。こんな時代だからこそ、購入しやすくする要素も販売好調の要因ではないでしょうか」と日産自動車マーケティング本部マーケティング・ダイレクター森田 聡さんは分析する。
確かに日産エルグランドは、このクラストップクラスの性能を誇るのは事実だ。エンジニアの開発責任者も、競合車には何ひとつ負けていないと断言するほどだ。
「先代のエルグランドから、約8年もお客様をお待たせしました。先代モデルをお持ちのお客様も、クルマと共に年齢を重ねています。そんなこともあり、新型エルグランドはよりオトナなクルマとして開発しました。ところが、いざ発売してみると30歳代のお客様が約30%も占めるなど、予想外に若い世代に購入していただき、我々も少々ビックリしています。いいクルマを作ればマーケットは必ず反応する。そんな自信を得ましたね。もちろん、それだけで売れたとは思っていません。3.9%の低金利ローンや、リセールバリューの高さを生かした残価設定型クレジットなども積極的に展開しています。こんな時代だからこそ、購入しやすくする要素も販売好調の要因ではないでしょうか」と日産自動車マーケティング本部マーケティング・ダイレクター森田 聡さんは分析する。
確かに日産エルグランドは、このクラストップクラスの性能を誇るのは事実だ。エンジニアの開発責任者も、競合車には何ひとつ負けていないと断言するほどだ。
クルマは家電化している。だから、自動車メーカーの文法は通じない
しかし、現在のマーケットはクルマの動的性能で売れる時代では無い。クルマ単体のパフォーマンスではなく、顧客のライフスタイルをより充実させるためのツールとしての価値が重要視される。いわば、クルマの家電化だ。日産はモデルチェンジ末期になり、クルマのパフォーマンスではライバルに苦戦しながらもトップクラスの販売を誇ったセレナから、それを学んでいる。つまり、エンジニアリング側から見た良いクルマと顧客視点の良いクルマは違うということだ。それでも、良いクルマなら売れるという真意はドコなのだろうか。
「クルマの家電化というような意味も十分理解しています。今までは、走りが楽しいとか、新しいメカニズムがどうのとか、自動車メーカー視点で伝えたいことがたくさんありました。ですが、それではお客様に届かずひとりよがりになってしまいます。そのため、自動車の本流で会話をしないことにしています。CMもターゲット層に響きやすい音楽などにこだわり、メカニズムでのアピールは、ほとんどしていません。走りが好き、新技術が好きなど、クルマが好きという気持ちを家族と共に使えるという想いに置き換え、満たしたという感じでしょうか。とくに、女性に嫌われないための装備や施策はたくさんやっています」
「クルマの家電化というような意味も十分理解しています。今までは、走りが楽しいとか、新しいメカニズムがどうのとか、自動車メーカー視点で伝えたいことがたくさんありました。ですが、それではお客様に届かずひとりよがりになってしまいます。そのため、自動車の本流で会話をしないことにしています。CMもターゲット層に響きやすい音楽などにこだわり、メカニズムでのアピールは、ほとんどしていません。走りが好き、新技術が好きなど、クルマが好きという気持ちを家族と共に使えるという想いに置き換え、満たしたという感じでしょうか。とくに、女性に嫌われないための装備や施策はたくさんやっています」
クルマは女性に嫌われたら、お・わ・り?
なるほど、単純にいいクルマだから買いたい、ではなく「エルグランドを買えば、こんなに家族で楽しめる」をイメージさせ家族、主に女性に共感を得てもらうことが大切ということなのだろう。もはや、クルマは男のモノではなく、ある意味女性のモノになってきたのかもしれない。
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(レポート:大岡 智彦)
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